感想・レビュー

2021/6/15

【読書感想】清水研『もしも一年後、この世にいないとしたら。』

  もしも一年後、この世にいないとしたら。 清水研 出版社:文響社 発売日:2019/10/11  人は必ず死ぬ。その時までできること。  ガンに罹患し精神的に追いつめられた患者らへ、自分らしく前向きに生きることを目指す精神治療を行うレジリエンス。本書の著者は、2016年国内初のレジリエンス専門外来をつくった医師である。  ガンの進行や治療に関わる身体的苦痛の大きさは広く世間的にも知られているが、精神的負担の大きさはそこまで認知されていないだろう。実際、がん患者の自殺率は一般人口のおよそ25倍にもなるとい ...

感想・レビュー

2024/11/10

【読書感想】高橋幸宏『犬の生活/ヒトデの休日』

犬の生活/ヒトデの休日 (河出文庫 た 55-1) created by Rinker 河出書房新社 ¥1,078 (2026/04/07 18:58:51時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 楽天市場  犬の生活/ヒトデの休日 高橋幸宏 出版社:河出書房新社(河出文庫) 発売日:2024/07/08 高橋ユキヒロという生き方  著者・高橋幸宏さん(以下、幸宏さん)といえば、サディスティック・ミカ・バンドやYMOのドラマーとして、またファッションデザイナーとしても活躍されたこと ...

感想・レビュー

2025/4/21

【読書感想】夏目にーに『天才じゃない私たちが輝くために ~がんばる前に読みたい23の言葉~』

天才じゃない私たちが輝くために ~がんばる前に読みたい23の言葉~【電子限定特典付き】 (単行本コミックス) created by Rinker ¥1,287 (2026/04/08 08:14:25時点 Amazon調べ-詳細) Kindle Amazon 楽天市場  天才じゃない私たちが輝くために ~がんばる前に読みたい23の言葉~ 夏目にーに 出版社:KADOKAWA 発売日:2024/05/01 『天才じゃない私たちが輝くために ~がんばる前に読みたい23の言葉~』【電子限定特 ...

感想・レビュー

2020/7/17

【読書感想】パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』

  コロナの時代の僕ら パオロ・ジョルダーノ 著  飯田亮介 訳 出版社:早川書房 発売日:2020/04/24   これから生きていくために必要な「選択」する意思    今年2月下旬から3月上旬のあいだ、新型コロナウイルスの急速な感染拡大の一路を辿っていたイタリアで、新進気鋭の作家によって紡がれたエッセイ集。  世界数十か国で緊急翻訳されるなど話題になっている本書。  収録されている27篇のエッセイはいずれもコンパクトで、かつ予備知識のない人でも容易く理解できるほど平易に書かれている。嵐の前の静けさとい ...

感想・レビュー

2020/1/23

【読書感想】外池昇『天皇陵 「聖域」の歴史学』

  天皇陵 「聖域」の歴史学 外池 昇 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発売日:2019/10/12 『天皇陵』をめぐるこれまでと、これからへの道筋  昨年五月、新元号『令和』へと時代が変わった。  明治天皇以降"一世一元制"となり、一人の天皇に対し元号は一つに定められるようになった。  しかしそれまでは、吉凶やその他の理由から一人の天皇の治世においてたびたび改元がなされてきた。  この表現が正しいか否かは別として、日本という国の有史以来、その主軸を担ってきた"天皇"という存在。  政治の主体が公家であ ...

感想・レビュー

2020/9/13

【読書感想】岡西正典『新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学』

  新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学 岡西正典 出版社:中央公論社(中公新書) 発売日:2020/04/18  動物分類学者の悲喜こもごもと、多様な生物界の奥深い様相  年間2万種を越える新種が発見・報告されている。  新種の発見に伴う採集方法・生態調査・分類学上の命名の手順、学名の名付け方など、本書は普段触れる機会のない動物分類学について語られた専門書だ。  とはいえ内容はそこまで堅苦しいものではない。著者が実際に行ったフィールドワークのエピソードなど、多少専門的・学術的用語も飛び交うが ...

もっと見る

インド哲学仏教学

2023/8/1

【ヒンドゥー教の聖典】『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!~前説~

      目次  まえがきと若干の解説  『バガヴァッドギーター』テキスト  参考文献        【本編】  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)   ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!そ ...

感想・レビュー インド哲学仏教学

2024/3/24

【読書感想】ヴィヤーサ著・石原美里訳『邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻』

  邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 created by Rinker ¥2,200 (2026/04/07 21:56:45時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 楽天市場  邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 ヴィヤーサ 著 / 石原美里 訳 出版社:パブファンセルフ 発売日:2024/01/29 愛する者を失った悲しみと屈辱  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。そのうち『マハーバーラタ』(以下MBh)の第11巻「Strī-Parvan」の日本語訳注本。  MB ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)

       3回目は第1章20~30節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ /  pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 //  hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate /  senayorubhayormadhye rath ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について

【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。   前説  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。  かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...

インド哲学仏教学 感想・レビュー

2024/1/5

【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker ¥946 (2026/04/07 20:42:26時点 Amazon調べ-詳細) Kindle Amazon 楽天市場   ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか  ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後から ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)

 さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。  今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト   ①dhṛtarāṣṭra uvāca /  dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ /  māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca /  dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...

もっと見る

後鳥羽院project

2023/8/23

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その2~治承四五年記②(治承四年六月~十二月)~

     今回は前回に引き続き、治承四五年記のうち治承四年六月~十二月を読んでいこうと思います。     目次 【凡例】   治承四年(一一八〇)<定家十九歳・従五位上侍従> ・遷都、決定!!(六月一日条) ・藤原定家という人(七月十五日、九月十五日、十月二十二日条) ・俊成一家でパンデミック(七月十七日~二十五日条) ・平清盛、激怒!(十一月七日条) ・姉、健御前のこと(十一月八日条) ・帝、福原より還る(十一月二十五・二十六日条) ・定家卿、叱られる(十二月二十四日条)    参考文献       【 ...

後鳥羽院project

2022/12/22

後鳥羽院『遠島御百首』私見その2~夏 十五首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       夏十五首 目次  二十一、けふとてや  二十二、ふるさとを  二十三、たをやめの  二十四、暮かゝる  二十五、あやめふく  二十六、いまはとて  二十七、五月雨に  二十八、さみだれに  二十九、難波江や  三十、あはれにも  三十一、ゆふだちの  三十二、夕すゞみ  三十三、したくゆる  三十四、くれたけの  三十五、見るか ...

後鳥羽院project

2021/10/28

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その3(元久2年~建永元年)

     後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記  (甚之助蔵 九条兼実『玉葉』国書刊行会、明治39年刊。九条道家『玉蘂』今川文雄校訂、思文閣出版、昭和59年刊)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元 ...

後鳥羽院project

2021/12/17

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻)

     後鳥羽院像に迫るための資料  (甚之助蔵 『大日本史料』第4輯、東京大学史料編纂所、昭和43年)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤原定家 ...

後鳥羽院project

2022/12/15

後鳥羽院『遠島御百首』私見その1~春 ニ十首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       はじめに・・・  私を後鳥羽院がらみの研究(?)に誘った例のママは、最近は以前にもまして悠々自適の生活をしているらしい。なんでも「野垂れ死にが理想の死に方」なのだそうで、いまだ某ウイルスの話題に事欠かない昨今ながら、全国各地を転々と飛び回っているらしい。  そんなママから最初に後鳥羽院の話しをもらった時、見せられたノートがあった ...

後鳥羽院project

2020/3/20

令和の時代に鎌倉幕府に思いを馳せてみた~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその3~

 Field work on KAMAKURA Shogunate around the Jokyu war age.  2019年末、例の後鳥羽院単推しの通称ママとの取材旅行の前に、ひとりブラっと古都・鎌倉に残る承久の乱関連の史蹟を巡ってきましたというレポ。 目次  ・切通しのこと  ・冬の由比ガ浜  ・承久の乱を彩った人々の眠る場所と日蓮の消息  ・鶴岡八幡宮と承久の乱  参考文献 Amazon図説 鎌倉府 新版改訂 鎌倉観光文化検定 公式テキストブック 切通しのこと  平安時代末、栄華を極めた平家の ...

もっと見る

レポート

2018/12/25

夏目漱石『こころ』の散歩道

 「日本で一番売れている」本(2016年時点)  cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア   夏目漱石『こころ』(新潮文庫版)  夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。  その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。  あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。   cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介  さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...

レポート

2019/2/6

【溢れ出る昭和感】新宿の老舗食堂・長野屋で定食を食べる。

 さて昨年末に上京していた折、久々に行ってみたのでサクッとレポートです。都内住のころ新宿界隈で用事があるとき、食事時なり小腹が空いたときなどにちょいちょい食べにきていたお店。   あのころangle 街と地図の大特集1979新宿・池袋・吉祥寺・中央線沿線編 Kindle版 風景は記憶の順にできていく      新宿駅東南口を出てすぐ。様々な飲食店がひしめく新宿の街のなかでひときわ異彩を放っているのがここ「長野屋」。        この建物に見覚えのある方も多いはず。  こちらの長野屋さんはその外観からもわ ...

レポート

2023/7/8

【23区唯一の渓谷】等々力からめぐる東京古墳散歩♪

       Amazon  私のオアシス 等々力渓谷       ※今年(2023年)03月にした散歩です。        例のウイルスも収まりをみせ、所用をかねて上京した折、長い付き合いの知人家族から「朝食でも食べにおいでよ~」とお誘いを受けたので、散歩がてら東京・世田谷区から大田区にかけての多摩川沿いを歩きました。  件の知人宅は東急東横線の多摩川駅が最寄りなのですが、今回は大井町線等々力駅からの出発。        早朝だから人通りもまばら。そういえばこの駅前も再開発云々でいろいろ変わってたな。 ...

レポート

2018/8/23

銀座の老舗バー『ルパン』で呑む

 日本屈指の繁華街、東京・銀座。  和光の時計台は海外の旅行者からも人気のスポットですが、そこからほど近いところにあるのが老舗バー『ルパン』。  創業は昭和3(1928)年。開店時には当時近くにあった文藝春秋社の面々からの支援があり、以来文壇バーとして知られています。  注:本記事にはお酒にまつわる記述がありますが、飲酒を勧めるものではありません。    また、未成年の飲酒は法律で禁止されています。    成人であっても節度とマナーを守って過度な飲酒は控えましょう。    飲酒運転は絶対やめましょう。 猪 ...

レポート

2023/6/2

あがた森魚さんの映画を見に行くin小樽【佐藤敬子先生を探して】

目次  前説  映画『佐藤敬子先生を探して』  私にとっての「あがた森魚」という人  脚注    Amazon  愛は愛とて何になる   ◎前説  8月上旬、私は農作業の傍らで北海道のローカルラジオ番組に耳を傾けていた。  その番組の一コーナーにとあるミュージシャンがゲスト出演していたのだが、なにやら熱心に口角泡を飛ばす勢いで必死に言葉を紡いでいる。件のコーナーでは、さまざまなミュージシャンのメッセージが流されたりゲスト出演した後で楽曲が放送されるのだが、その日に限ってはなかなか曲に移らない。最終的に楽曲 ...

レポート

2022/8/20

【今日もご安全に】ドラレコ買ったからつけてみた!

 北海道はすっかり冬景色となりましたが、さて、だいぶん前から新しいドラレコをつけようつけようと思っていてなかなかできなかったのを、先日やっと取り付けましたという報告がてら、今回購入したドラレコのレビューなんぞ書こうかという次第。        今回購入したのはこちらのドラレコ。    Amazon  Tapewo【最新版】 4.3インチタミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ    ミラータイプでバックカメラ付き、画質はフルHD1080P。    内容物はこんな感じ。    ・本体  ・バックカメラ  ・ ...

もっと見る