【読書感想】『三島由紀夫紀行文集』『スポーツ論集』
三島由紀夫紀行文集 佐藤秀明 編 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発売日:2018/09/15 三島由紀夫スポーツ論集 佐藤秀明 編 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発売日:2019/5/17 現代日本文学の巨星の目に映った世界の風景 戦後の日本文壇を代表する作家・三島由紀夫は、その小説や戯曲以外にもエッセイや紀行文などの文章も膨大に残している。 『紀行文集』には、20代のヨーロッパ周遊をはじめ、晩年近くまでの足繁く旅行した際に書かれた紀行文が、『スポーツ論集』には自身とも関わりの深いボ ...
【読書感想】サラ・オーグルヴィ『世界最高の辞典を作った名もなき人びと』
世界最高の辞典を作った名もなき人びと サラ・オーグルヴィ 著 / 塩原通緒 訳 出版社:早川書房 発売日:2025/09/18 普通ではないことを成した普通の人々の普通ではない人生 これまでもOED(オックスフォード英語辞典)に関する書籍をいくつか扱ってきたが、その中でも本書は、スリップ(用例を書き留めたカード)を編集部に送り続けた市井の支援者たちにフォーカスを当てた特異にしてOEDの核心に迫る力作だ。 初版編纂の立役者であるジェームズ・マレー(本書ではジェイムズ・マリーと訳)が残した住所録に記さ ...
【読書感想】住吉雅美『あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン』
あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン 住吉雅美 出版社:講談社(講談社現代新書) 発売日:2020/05/20 人間社会の常識を徹底的に批判した末に見えてくる法律のあり方とは? "哲学"というだけでどこか小難しい印象を受ける人は多い。 さらにそこへ"法"律が関わってくるとどうだろうか? 法哲学とは、法律に対して哲学的思考を向ける、つまり法律を成立させ存在させているものは何かを問う学問だ。 本書では古今東西のさまざまな哲学者の論を参照しながら、法哲学の基礎的な議論が紹介されている。 ...
【読書感想】精神科医Tomy『精神科医Tomyが教える 運を良くするたったひとつの正しい方法』
精神科医Tomyが教える 運を良くするたったひとつの正しい方法 精神科医Tomy 出版社:日本文芸社 発売日:2021/03/10 好運の正体 twitter上で30万人近いフォロワーを持つ精神科医のTomy先生。 ゲイバーのママのような口調と見た目はインパクトが大きい。 本書はそんなTomy先生が認知行動療法に基づく科学的見地から、運気を良くする方法を解いてくれている画期的な一冊。 結論、その方法とは「正しい考え」と「正しい行動」に集約される。目標に対して正しく考え行動することで、成功への道 ...
【読書感想】赤井佳子『赤井図鑑』
赤井図鑑 赤井佳子 出版社:扶桑社 発売日:2021/11/17 ある夫婦の愛の形。夫婦円満のひけつとは? 元プロボクサーで俳優の赤井英和さん。某引越し業者のテレビCMはじめ、数々のドラマや映画での演技には定評がある。 そんな赤井さんの妻にして、事務所社長兼マネージャを務める佳子さん。夫との何気ない日常をSNS上に投稿したところ大反響を呼び、フォロワーは20万人を超える。そんなSNSの投稿を書籍化したのが本書となる。 まず、表紙を飾る一枚で気が付くことがあるだろう。腰にタオルを巻いた姿で玄関先に ...
【読書感想】和田秀樹『「感情の老化」を防ぐ本』
「感情の老化」を防ぐ本 和田秀樹 出版社:朝日新聞出版 発売日:2019/03/13 老いに抗うエトセトラ 生まれ落ちた生き物にとって"死"とは避けられない運命だ。 その運命に至るための過程の道程は、成長と衰退という美しい曲線を描いている。 本書ではその"衰退"、つまり「老い」の問題を「感情の老化」を切り口にいかに予防し、そして人生をより若々しく生きていくために必要なノウハウが示されている。 ネタバレになってしまうが、結論「積極的に年甲斐もないことをしよう」という一言に尽きる。 年齢を重ねれ ...
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『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)
5回目は第1章40~47節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ / dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ / strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...
『般若心経』をサンスクリット原典で読む!
多分日本で一番有名な仏教経典である『般若心経』は、正式には『般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、今から1600年以前、サンスクリット語で書かれた『Prajñāpāramitā-hṛdaya-sūtram』を漢訳したものだ。 そもそも『般若心経』は、仏になるために菩薩が行う修行・知恵(般若波羅蜜・般若波羅蜜多)を説く『般若経』という経典群の中のひとつで、大乗仏教の根本思想である"空"の思想を簡潔にまとめている。そのため、漢訳されたものもその短い文言の中で大乗仏教の根幹が説かれているとされ、多くの宗派で今なお用い ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)
4回目は第1章31~39節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava / na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca / kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)
6回目は第2章1~11節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①sañjaya uvāca / taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam / viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca / kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)
2回目は第1章12~19節をば。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①tasya saṃjanayanharṣaṃ kuruvṛddhaḥ pitāmahāḥ / siṃhanādaṃ vinadyoccaiḥ śańkhaṃ dadhmau pratāpavān // 12 // ②tataḥ śankhaśca bheryaśca paṇavānakagomukhāḥ / sahasaivābhyahanyanta ...
【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺
『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより) 目次 ・人名用語解説 ・超要約「バガヴァッドギーター」 ・「ギーター」こぼれ話し 参考文献 ※本編はコチラから! Amazon いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』 人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...
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藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その2(建仁2年~元久元年)
(甚之助蔵 『明月記研究』明月記研究会編) ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その2(建仁2年~元久元年) 建仁2年 建仁3年 元久元年 建仁2年 1202年 後 ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その1(治承4年~建仁元年)
(甚之助蔵 藤原定家『明月記』全3巻、国書刊行会、明治44年刊) さて、フィールドワーク編も終わったということで、これからは例の後鳥羽院単推しのママとの共同研究(←大袈裟w)をちょいちょい記事にしていってみようと思います。 まずその最初に、生前の後鳥羽院の姿を知る上で貴重な史料となる歌人・藤原定家の日記『明月記』に描かれている院像を見ていきます。 今回は"その1"として後鳥羽院の名前が出ている『明月記』の記事の年月日をピックアップし、その時期に院と定家はどのような関係性・交流があったか ...
令和の時代に鎌倉幕府に思いを馳せてみた~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその3~
Field work on KAMAKURA Shogunate around the Jokyu war age. 2019年末、例の後鳥羽院単推しの通称ママとの取材旅行の前に、ひとりブラっと古都・鎌倉に残る承久の乱関連の史蹟を巡ってきましたというレポ。 目次 ・切通しのこと ・冬の由比ガ浜 ・承久の乱を彩った人々の眠る場所と日蓮の消息 ・鶴岡八幡宮と承久の乱 参考文献 Amazon図説 鎌倉府 新版改訂 鎌倉観光文化検定 公式テキストブック 切通しのこと 平安時代末、栄華を極めた平家の ...
佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~
Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor]. He is a scholarship and the martial arts who resembles his father. However, he was condemned to SADO due to the ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その4(承元元年~承元2年)
後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記2 (甚之助蔵 藤原家実『猪隈関白記』岩波書店、昭和62年第2刷) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤 ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その6(建保元年~建保6年)
後鳥羽院像に迫るための資料 (甚之助蔵 『宸記集』藝林社、昭和49年。田邑二枝『海士町史』海士町役場、昭和49年) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻 ...
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【2021改訂版】ブログの更新サボってうつ病と闘ってきた
さて今から遡ること6,7年前、メインの方で『ブログの更新サボって鬱病と闘ってきた』(現在削除済み)という記事をアップした。 公開当時はまだまだ頭もボンヤリという感じで、実際その後一年半にわたって更新も休止。その間、なんだかんだ寛解した。 寛解後は再びいろんなことにチャレンジしてみたくなったりで、結果目まぐるしい毎日を送るなか、自分がうつ病だったこともそれに関する記事をアップしたことも忘れていた。 しかし先日、メインの方で『【 鬱病 】経験者が語る! うつ病になるとできないこと5選!【 症状 】』と ...
【今日もご安全に】ドラレコ買ったからつけてみた!
北海道はすっかり冬景色となりましたが、さて、だいぶん前から新しいドラレコをつけようつけようと思っていてなかなかできなかったのを、先日やっと取り付けましたという報告がてら、今回購入したドラレコのレビューなんぞ書こうかという次第。 今回購入したのはこちらのドラレコ。 Amazon Tapewo【最新版】 4.3インチタミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ ミラータイプでバックカメラ付き、画質はフルHD1080P。 内容物はこんな感じ。 ・本体 ・バックカメラ ・ ...
北区赤羽の住宅街をプラっと散歩してきましたレポ
昨年夏に上京した折、ちょっと時間が空いたので赤羽で途中下車して住宅街を散歩してきたレポートです。 赤羽といえば最近では住んでみたい街として人気もうなぎ上りのようですが、細い路地に"せんべろ"飲み屋街と、知る人ぞ知る隠れたディープスポット密集地帯だったりする。また昨年暮れ、タレントの壇蜜さんと漫画家・清野とおるさんのご結婚が報じられた際、清野さんの地元ということでもその名が更に広まったりしたのは記憶に新しいところ。 駅付近のふざけた七福神像やホテル屋上の自由の女神像なんか特に有名ですが、今回は赤羽駅 ...
【文豪ご用達w】老舗旅館『鳳明館』に泊まってきたときの話し【文京区本郷】
※2019年年末に宿泊しました。 Amazon 「谷根千」地図で時間旅行 コロナウイルスの問題で自粛の風吹き荒れる昨今ですが、今年三月、東京文京区にある老舗旅館・鳳明館からこのようなプランが発表されてのをご記憶されているでしょうか? ●「先生、進んでますか?」進捗コールも完備。旅館「鳳明館」にて、大正・昭和の人気作家になった気分を味わえる「文豪缶詰プラン」 (かーずSP 2020年3月9日) 現在はテレワークにも対応したデイユースプラン「3密・心配ご無用 ...
あがた森魚さんの映画を見に行くin小樽【佐藤敬子先生を探して】
目次 前説 映画『佐藤敬子先生を探して』 私にとっての「あがた森魚」という人 脚注 Amazon 愛は愛とて何になる ◎前説 8月上旬、私は農作業の傍らで北海道のローカルラジオ番組に耳を傾けていた。 その番組の一コーナーにとあるミュージシャンがゲスト出演していたのだが、なにやら熱心に口角泡を飛ばす勢いで必死に言葉を紡いでいる。件のコーナーでは、さまざまなミュージシャンのメッセージが流されたりゲスト出演した後で楽曲が放送されるのだが、その日に限ってはなかなか曲に移らない。最終的に楽曲 ...
【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考
目次 ・「KB4」のココに注目! ・「KB4」今昔物語 ・私的使用法 大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。 件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...
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