感想・レビュー

2024/7/21

【読書感想】セシリア・ワトソン『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』

セミコロン created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場  セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点 セシリア・ワトソン 著 / 萩澤大輝 ・ 倉林秀男 訳 出版社:左右社 発売日:2023/09/06 言葉の正しさへの執着  プログラミングではここでもかというほど使われる「セミコロン(;)」。本来は英文で扱われる句読点であることは言うまでもないが、この句読点の誕生と数奇な歴史を記した本書は、訳者曰くの「ジャンル不詳の読み物」そのもので歴史書とも文法書とも ...

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2024/8/30

【読書感想】服部文祥『北海道犬旅サバイバル』

北海道犬旅サバイバル created by Rinker みすず書房 Amazon 楽天市場  北海道犬旅サバイバル 服部文祥 出版社:みすず書房 発売日:2023/09/13 人が人として生きるためのアナロジー  お金、スマホ・・・現代社会ではなくてはならないあらゆるものを持たずに猟銃と愛犬だけを引き連れて旅をする、文字通りのサバイバル。「サバイバル登山家」として著名な著者が、50歳という人生の節目を迎えるにあたり挑んだ登山家人生の集大成の旅の記録。社会というシステムに必要不可欠な要素をほぼす ...

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2022/2/16

【読書感想】精神科医Tomy『精神科医Tomyが教える 運を良くするたったひとつの正しい方法』

  精神科医Tomyが教える 運を良くするたったひとつの正しい方法 精神科医Tomy 出版社:日本文芸社 発売日:2021/03/10 好運の正体  twitter上で30万人近いフォロワーを持つ精神科医のTomy先生。  ゲイバーのママのような口調と見た目はインパクトが大きい。  本書はそんなTomy先生が認知行動療法に基づく科学的見地から、運気を良くする方法を解いてくれている画期的な一冊。  結論、その方法とは「正しい考え」と「正しい行動」に集約される。目標に対して正しく考え行動することで、成功への道 ...

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2020/10/15

【読書感想】川端裕人『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』

  我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち 川端裕人 著 , 海部陽介 監修 出版社:講談社(ブルーバックス) 発売日:2017/12/12   人類が現れる前、アジアには誰がいたのか? そしていつ来たのか?    2003年インドネシアでのフローレス原人発見は、成人でも身長1mほどしかない新種の小型原人が存在したとして人類史を書き換えるほどのセンセーショナルなものだった。  またこれまで知られてきた北京原人やジャワ原人以外にも、複数種の人類が同時期のアジアにいたことも分かってきた。 ...

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2022/8/24

【読書感想】加賀乙彦『死刑囚の記録』

  死刑囚の記録 加賀乙彦 出版社:中央公論新社(中公新書) 発売日:1980/01/23 死刑囚、その監獄の中での心理  本書は1950年代、東京拘置所に収監されていた死刑囚・無期囚の心理的精神的変遷を追った記録だ。  著者は当時、精神科の医官として同拘置所に勤務していた。精神科医として、冷静かつ科学的に囚人たちの心の中を見つめている。    死刑制度如何のそれは司法の問題として割り切り、本書は医師と囚人という人と人との純粋な交流の過程が淡々と続く。  そこから見えてきたものは、凄惨な事件を起こした凶悪 ...

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2021/9/25

【読書感想】成毛眞『2040年の未来予測』

  2040年の未来予測 成毛眞 出版社:日経BP 発売日:2021/01/08  将来、世界を待ち受ける悲劇の様相  これから向こう20年間で世の中はどう変化していくのか?  著者は元マイクロソフト日本法人の社長である。その経歴からテクノロジーの側面より将来的な展望を語るのかと思いきや、日本をはじめとした先進国の暗澹たる未来への予測が連綿と記されている。年金、インフラ、住宅、医療、デバイス、食料など、広範な視点から大局的な未来予想図が考察されており、その実現可能性や時間軸についてイメージしやすい。  し ...

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感想・レビュー インド哲学仏教学

2024/1/5

【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場   ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか  ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)

       5回目は第1章40~47節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ /  dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ /  strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...

インド哲学仏教学

2020/5/21

『般若心経』をサンスクリット原典で読む!

 多分日本で一番有名な仏教経典である『般若心経』は、正式には『般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、今から1600年以前、サンスクリット語で書かれた『Prajñāpāramitā-hṛdaya-sūtram』を漢訳したものだ。  そもそも『般若心経』は、仏になるために菩薩が行う修行・知恵(般若波羅蜜・般若波羅蜜多)を説く『般若経』という経典群の中のひとつで、大乗仏教の根本思想である"空"の思想を簡潔にまとめている。そのため、漢訳されたものもその短い文言の中で大乗仏教の根幹が説かれているとされ、多くの宗派で今なお用い ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺

『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより)      目次  ・人名用語解説  ・超要約「バガヴァッドギーター」  ・「ギーター」こぼれ話し  参考文献    ※本編はコチラから!        Amazon  いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』       人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について

【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。   前説  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。  かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)

       3回目は第1章20~30節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ /  pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 //  hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate /  senayorubhayormadhye rath ...

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後鳥羽院project

2023/8/26

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その3~治承四五年記③(治承五・養和元年)~

       引き続き、治承四五年記のうち治承五年について読んでいこうと思います。       目次 【凡例】   治承五・養和元年(1181)<定家20歳・従五位上侍従> ・式子内親王との邂逅(正月3日、九月二十七日条) ・高倉院、崩御(正月十四・二十日、閏二月三日条) ・平清盛、薨ず(閏二月四・五日条) ・姉の死(閏二月六・十二・二十四日、三月九日条)    参考文献       【凡例】 ・本文、訓読、意訳、注釈とコメントの順で記した。 ・底本には冷泉家時雨亭文庫叢書『翻刻 明月記』(全三巻)を用い ...

後鳥羽院project

2023/8/23

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その2~治承四五年記②(治承四年六月~十二月)~

     今回は前回に引き続き、治承四五年記のうち治承四年六月~十二月を読んでいこうと思います。     目次 【凡例】   治承四年(一一八〇)<定家十九歳・従五位上侍従> ・遷都、決定!!(六月一日条) ・藤原定家という人(七月十五日、九月十五日、十月二十二日条) ・俊成一家でパンデミック(七月十七日~二十五日条) ・平清盛、激怒!(十一月七日条) ・姉、健御前のこと(十一月八日条) ・帝、福原より還る(十一月二十五・二十六日条) ・定家卿、叱られる(十二月二十四日条)    参考文献       【 ...

後鳥羽院project

2023/7/28

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その1~治承四五年記①(治承四年二月~五月)~

       以前公開した『藤原定家「明月記」にみる後鳥羽院の姿』シリーズをやっていた頃から、いつかは『明月記』自体の講読もやりたいと考えていた。  ただ、当の『明月記』が難解極まりないことと、明月記研究会はじめ堀田善衛御大などさまざまな研究者や愛読者がすでに多くの著作や論文を出している。またネット記事なんかでもあちらこちらで書かれていることもあって、「今さら自分がブログ上でやってもなぁ・・・」と二の足を踏んでいた。  とはいえ相変わらずの性と言おうか、思いついたんだからやってみようかしらと、最近になって ...

後鳥羽院project

2024/1/8

【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~前編~

      目次 ・プロローグからの隠岐へ ・「お腰掛けの石」のこと ・隠岐の夜 ・後鳥羽院の気配 ・夕すゞみ あしの葉みだれ よる浪に        Amazon  菊帝悲歌: 小説後鳥羽院 (河出文庫)       プロローグからの隠岐へ ママ「あのね8月の隠岐の件だけど、あれ、わたしキャンセル……」    それは歳の離れたお友達、後鳥羽院単推しの例のママからの唐突な電話だった。  ママとは前年(2022)中に隠岐再訪を計画していたものの、私の身辺でのゴタゴタ続きなどで結局行けずに終わった。それゆえ今 ...

後鳥羽院project

2021/12/17

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻)

     後鳥羽院像に迫るための資料  (甚之助蔵 『大日本史料』第4輯、東京大学史料編纂所、昭和43年)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤原定家 ...

後鳥羽院project

2021/12/7

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その4(承元元年~承元2年)

     後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記2  (甚之助蔵 藤原家実『猪隈関白記』岩波書店、昭和62年第2刷)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤 ...

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レポート

2021/2/26

【2021改訂版】ブログの更新サボってうつ病と闘ってきた

 さて今から遡ること6,7年前、メインの方で『ブログの更新サボって鬱病と闘ってきた』(現在削除済み)という記事をアップした。  公開当時はまだまだ頭もボンヤリという感じで、実際その後一年半にわたって更新も休止。その間、なんだかんだ寛解した。  寛解後は再びいろんなことにチャレンジしてみたくなったりで、結果目まぐるしい毎日を送るなか、自分がうつ病だったこともそれに関する記事をアップしたことも忘れていた。  しかし先日、メインの方で『【 鬱病 】経験者が語る! うつ病になるとできないこと5選!【 症状 】』と ...

レポート

2021/3/12

【浪人時代の思い出】アリミツ君とマコちゃんのこと。

 受験シーズンも終わりに近づき、高校・大学はじめ、いろんなところで合格発表の知らせを耳にする季節となった。  毎年この時期になると、必ず浪人していた頃のことを思い出す。  私は某大手予備校で一年間浪人生活を送り、その間は予備校付属の寮で生活していた。  花の都・TOKYOに出てきたはずが、そこはなぜか木々の緑豊かで動物の鳴き声響くところだった。    人生初の満員電車。  都心ド真ん中にある予備校校舎へ通う日々。  起きてる時は(当然)勉強漬けだったが、ときどき破目を外して寮の仲間たちと長時間語り合ってい ...

レポート

2018/12/25

夏目漱石『こころ』の散歩道

 「日本で一番売れている」本(2016年時点)  cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア   夏目漱石『こころ』(新潮文庫版)  夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。  その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。  あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。   cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介  さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...

レポート

2022/8/20

【今日もご安全に】ドラレコ買ったからつけてみた!

 北海道はすっかり冬景色となりましたが、さて、だいぶん前から新しいドラレコをつけようつけようと思っていてなかなかできなかったのを、先日やっと取り付けましたという報告がてら、今回購入したドラレコのレビューなんぞ書こうかという次第。        今回購入したのはこちらのドラレコ。    Amazon  Tapewo【最新版】 4.3インチタミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ    ミラータイプでバックカメラ付き、画質はフルHD1080P。    内容物はこんな感じ。    ・本体  ・バックカメラ  ・ ...

レポート 後鳥羽院project

2022/2/24

【とはずがたり】「『明月記』の後鳥羽院」よもやま話

       調査・研究に用いているノート。    「藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿」調査中の机の上w   目次  ・きっかけ  ・隠岐、集中豪雨  ・愛憎半ば、悲喜交々 その1  ・愛憎半ば、悲喜交々 その2  ・ママ、クルマにはねられる  ・『吉記』のこと  ・青天の霹靂  ・ママ、怒る!  ・老いたる定家と後鳥羽院  ・拝啓、藤原定家さま    Amazon  夢のなかぞら―父 藤原定家と後鳥羽院   ・きっかけ   「まあ、またなんとも面白そうなことを……」        2021年春、私は ...

レポート 考察

2023/6/3

【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考

      目次  ・「KB4」のココに注目!  ・「KB4」今昔物語  ・私的使用法         大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。  件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...

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