【読書感想】細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ『細野観光 1969-2019』
『細野観光 1969-2019』細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ 細野晴臣デビュー50周年プロジェクト 出版社:朝日新聞出版 発売日:2019/10/07 音楽界のスーパーレジェンドのオモチャ箱は玉手箱であり宝箱 はっぴぃえんどやYMOなど、日本語ロックあるいは世界の音楽シーンを変えた斬新なテクノポップの生みの親である細野晴臣氏が、昨年デビュー50周年を迎えた。その記念展が同じく昨年秋、六本木で開催されたが、本書はその公式カタログになる。 世代を超え常に新鮮な音楽性を追及して ...
【読書感想】渡邉雅子『論理的思考とは何か』
論理的思考とは何か (岩波新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 論理的思考とは何か 渡邉雅子 出版社:岩波書店(岩波新書 新赤版2036) 発売日:2024/10/21 多元的思考の可能性 近年、仕事や生活のさまざまな場面で論理的思考の必要性が声高に叫ばれているが、それと呼応するように多くの関連書籍も刊行されている。だがその多くは、論理的思考をどのように使いこなすかという小手先の解説に終始しており、論理的思考そのものを深堀りするに至っていない場合が ...
【読書感想】小林昌樹『調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』
調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス 小林昌樹 出版社:皓星社 発売日:2022/12/09 お調べものはなんですか? 図書館には「司書」とよばれる人がいること、その認知度はあくまで肌感覚だが決して高くはないと思う。仮に司書という仕事を知っていても、実際なにをやっているのか知らない、あるいは助力を頼んだことがないという人も多いだろう。 本書は、長らく国会図書館に勤め、現在は大学でレファレンスに関する授業も受け持つ著者がおくる「調べもの」の極意を集めたような一冊。調べ物のプロたる「司 ...
【読書感想】高槻泰郎『大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済』
大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済 高槻泰郎 出版社:講談社(講談社現代新書) 発売日:2018/07/19 世界最古の先物取引所、その実情 金融の歴史について書かれた本はあまたあるが、本書はその中でも先物取引の祖といわれる大坂・堂島米市場に関する最新の研究成果を報告してくれる良書である。 金融市場の暴走、それは現代に生きる我々もまた経験しているところだが、今のようにネット環境はおろか人力以外の情報伝達手段がない中でいかに証券的市場を形成したか、著者は豊富な史料をもとに解説してくれている。図版の ...
【読書感想】平民金子『ごろごろ、神戸。』
ごろごろ、神戸。 平民金子 出版社:ぴあ 発売日:2019/12/10 市井をみつめる異色の子育て日記 以前紹介した『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』の著者・スズキナオさんは、またの名を"平民金子"さんという。 以前は『平民新聞』というブログを運営していたが、現在は更新を止めメルカリで日記を売っている。 その平民金子さんが、自身が住まう兵庫県神戸市の広報課HPで連載していたエッセイをまとめた一冊が本書。 ベビーカーを押しながら昼飲みしつつ巡る市中。奥様の自由時間確保という名目 ...
【読書感想】佐川友彦『東大卒、農家の右腕になる。 小さな経営改善ノウハウ100』
東大卒、農家の右腕になる。 小さな経営改善ノウハウ100 佐川友彦 出版社:ダイヤモンド社 発売日:2020/09/02 農業、それは基(もとい)・・・。 まず、本書は前半で著者のこれまでの来歴が語られ、後半は農園で実践した経営ノウハウが紹介されている。本書の読みどころは断然、前半部の著者の来歴だろう。日本における学歴としては申し分のない東京大学を卒業。そして外資系企業に入社するもうつ病で退社。再起をかけてベンチャーに復職するも再び無職に。そんな中、半ば劇的な形で農業経営の現場と出会う。文章がとても ...
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【読書感想】ヴィヤーサ著・石原美里訳『邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻』
邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 created by Rinker Amazon 楽天市場 邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 ヴィヤーサ 著 / 石原美里 訳 出版社:パブファンセルフ 発売日:2024/01/29 愛する者を失った悲しみと屈辱 インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。そのうち『マハーバーラタ』(以下MBh)の第11巻「Strī-Parvan」の日本語訳注本。 MBhの日本語完訳は未だなされていない。故上村勝彦博士による翻訳は、急逝のため第8巻途中までにとどま ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)
4回目は第1章31~39節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava / na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca / kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)
6回目は第2章1~11節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①sañjaya uvāca / taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam / viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca / kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...
インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について
【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。 前説 インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。 かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)
3回目は第1章20~30節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ / pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 // hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate / senayorubhayormadhye rath ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)
2回目は第1章12~19節をば。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①tasya saṃjanayanharṣaṃ kuruvṛddhaḥ pitāmahāḥ / siṃhanādaṃ vinadyoccaiḥ śańkhaṃ dadhmau pratāpavān // 12 // ②tataḥ śankhaśca bheryaśca paṇavānakagomukhāḥ / sahasaivābhyahanyanta ...
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後鳥羽院『遠島御百首』私見その6~雑 三十首(下)~
(綱掛の松 隠岐・海士町 2018年08月甚之助撮影) ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 雑三十首(下) 目次 八十六、日にそひて 八十七、何となく 八十八、人ごゝろ 八十九、みほのうらの 九十、たとふべき 九十一、はれやらぬ 九十二、うしとだに 九十三、ことづてむ 九十四、とにかくに 九十五、ふるさとの 九十六、おもふ人 九十七、われこそは ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その2~夏 十五首~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 夏十五首 目次 二十一、けふとてや 二十二、ふるさとを 二十三、たをやめの 二十四、暮かゝる 二十五、あやめふく 二十六、いまはとて 二十七、五月雨に 二十八、さみだれに 二十九、難波江や 三十、あはれにも 三十一、ゆふだちの 三十二、夕すゞみ 三十三、したくゆる 三十四、くれたけの 三十五、見るか ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その4(承元元年~承元2年)
後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記2 (甚之助蔵 藤原家実『猪隈関白記』岩波書店、昭和62年第2刷) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤 ...
崇徳院と土御門院を巡る四国~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその4 最終回~
保元の乱の首謀者として讃岐に流された崇徳院。そしてその曾姪孫(甥の孫)にあたり、承久の乱で流された父・後鳥羽院、弟・順徳院の身の上を憂い、自ら懇願し阿波に流された土御門院。この二人を追ったレポート。 Field work on SUTOKU Tenno & TSUCHIMIKADO Tenno. SUTOKU Tenno[1,Jul,1119~14,Sep,1164(28,May,Genei2~26,Aug,Chokan2):75nd emperor(reigning:1123~1142)and R ...
【佐渡の秘境!!】順徳院崩御の地・堂所御所跡へ【佐渡の入江の順徳院 後編】
Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor]. Click here for the part1 前編はこちら ↓↓↓↓ 佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~ パパ・後鳥羽院譲りの文武両道の逸材 目次 前説 堂所御所跡へ ...
【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その1~治承四五年記①(治承四年二月~五月)~
以前公開した『藤原定家「明月記」にみる後鳥羽院の姿』シリーズをやっていた頃から、いつかは『明月記』自体の講読もやりたいと考えていた。 ただ、当の『明月記』が難解極まりないことと、明月記研究会はじめ堀田善衛御大などさまざまな研究者や愛読者がすでに多くの著作や論文を出している。またネット記事なんかでもあちらこちらで書かれていることもあって、「今さら自分がブログ上でやってもなぁ・・・」と二の足を踏んでいた。 とはいえ相変わらずの性と言おうか、思いついたんだからやってみようかしらと、最近になって ...
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夏目漱石『こころ』の散歩道
「日本で一番売れている」本(2016年時点) cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア 夏目漱石『こころ』(新潮文庫版) 夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。 その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。 あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。 cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介 さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...
【妖怪博士の遺産】中野区立哲学堂公園を歩く!
Amazon 史上最強の哲学入門 Kindle版 2023年3月、3年前から世界を席巻した某ウイルスの流行も収まりをみせ、久々に(本格的な)上京しました。そのときブラっと『中野区立哲学堂公園』に立ち寄ったので、その時のレポートです。ひさびさの散歩記事。 さて、哲学堂公園への行き方は複数ありますが、今回は都営大江戸線落合南長崎駅から(その他のルートは記事末に記載します)。 A1出口から都道440号線・新青梅街道を西に向かって歩く。 途中、なんのご縁かこんな ...
【とはずがたり】「『明月記』の後鳥羽院」よもやま話
調査・研究に用いているノート。 「藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿」調査中の机の上w 目次 ・きっかけ ・隠岐、集中豪雨 ・愛憎半ば、悲喜交々 その1 ・愛憎半ば、悲喜交々 その2 ・ママ、クルマにはねられる ・『吉記』のこと ・青天の霹靂 ・ママ、怒る! ・老いたる定家と後鳥羽院 ・拝啓、藤原定家さま Amazon 夢のなかぞら―父 藤原定家と後鳥羽院 ・きっかけ 「まあ、またなんとも面白そうなことを……」 2021年春、私は ...
【23区唯一の渓谷】等々力からめぐる東京古墳散歩♪
Amazon 私のオアシス 等々力渓谷 ※今年(2023年)03月にした散歩です。 例のウイルスも収まりをみせ、所用をかねて上京した折、長い付き合いの知人家族から「朝食でも食べにおいでよ~」とお誘いを受けたので、散歩がてら東京・世田谷区から大田区にかけての多摩川沿いを歩きました。 件の知人宅は東急東横線の多摩川駅が最寄りなのですが、今回は大井町線等々力駅からの出発。 早朝だから人通りもまばら。そういえばこの駅前も再開発云々でいろいろ変わってたな。 ...
湖に沈む「幻の橋」タウシュベツ川橋梁を行く!
※本記事の内容は2024年08月時点のものです。 北海道上士幌町。 大雪山東南麓に位置するこの街には、「幻の橋」と呼ばれる橋がある。正式名称・タウシュベツ川橋梁は、知る人ぞ知る北海道屈指の秘境だ(「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として北海道遺産や近代化産業遺産に認定されている。なお)。 これは2024年08月にタウシュベツ川橋梁を訪れた時のレポートです(なお見学方法はこちらから)。 300ピース ジグソーパズル KAGAYA 幻の銀河橋(北海道)-天の川とタウシュベツ川橋梁- ...
【文豪ご用達w】老舗旅館『鳳明館』に泊まってきたときの話し【文京区本郷】
※2019年年末に宿泊しました。 Amazon 「谷根千」地図で時間旅行 コロナウイルスの問題で自粛の風吹き荒れる昨今ですが、今年三月、東京文京区にある老舗旅館・鳳明館からこのようなプランが発表されてのをご記憶されているでしょうか? ●「先生、進んでますか?」進捗コールも完備。旅館「鳳明館」にて、大正・昭和の人気作家になった気分を味わえる「文豪缶詰プラン」 (かーずSP 2020年3月9日) 現在はテレワークにも対応したデイユースプラン「3密・心配ご無用 ...
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