感想・レビュー

2024/4/14

【読書感想】見坊行徳『三省堂国語辞典から消えたことば辞典』

三省堂国語辞典から 消えたことば辞典 created by Rinker Amazon 楽天市場  三省堂国語辞典から消えたことば辞典 見坊行徳 / 三省堂編修所 出版社:三省堂 発売日:2023/04/05 辞書作りの舞台裏  時代と共に言葉の流行り廃りがあることは自明のことだが、それは辞書においてもまた然りで、古語あるいは死語として残るものもあれば掲載そのものが削除されるものもある。本書は『三省堂国語辞典(以下、三国)』から削除された言葉について、前身となる『明解国語辞典』から各改訂版ごとに ...

感想・レビュー

2024/10/25

【読書感想】苅米 一志『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』

日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法 created by Rinker Amazon 楽天市場  日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法 苅米 一志・著 日本史史料研究会・監修 出版社:吉川弘文館 発売日:2015/04/04 古文書を読み解くための必携書  高校国語の「漢文」の授業を通し、漢語文法は必ず学習する。だが中世日本で発達した「変体漢文」は、当時の日本語を漢文に倣って綴られている文章のため、漢文のそれにはない語法や用字を多く含む。  本書はそんな「変体漢文」を読み下すための用字・語 ...

感想・レビュー

2018/7/27

【映画感想】『王立宇宙軍 オネアミスの翼』

 もはや知る人ぞ知る名作。そして個人的に一番好きなアニメ映画。  製作はガイナックス。音楽は坂本龍一が担当している。 DVD版 Blu-ray版  昭和62(1987)年に公開された本作は、王立宇宙軍士官の主人公が仲間たちとロケット打ち上げを目指すという単純明快なストーリーなのだが、まず目を引くのは今となっては豪華すぎるスタッフ陣であろうか?   監督・原案・脚本:山賀博之   助監督:赤井孝美、樋口真嗣、増尾昭一   キャラクターデザイン・作画監督:貞本義行   作画監督:庵野秀明、飯田史雄、森山雄治 ...

感想・レビュー

2019/10/25

【読書感想】『会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方』

  会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方 鈴鹿久美子 出版社:大和書房 発売日:2017/03/23   セルフブランディングの魅力と威力と魔力  「民主的な殺し合い」と言われる選挙。壮絶な舌戦の中、著者は"勝たせ屋"としてさまざまな人物を政治家として政界に送りこんできた人物。  そんな著者が自身の実体験とさまざまな政治家(特に女性議員)の立ち居振る舞いから見出した「セルフブランディング」ノウハウ。  セルフブランディングとはマーケティン手法のひとつで、自分の価値を相手にどう伝えるか、どう自分 ...

感想・レビュー

2024/12/24

【読書感想】小坂俊史『モノローグ書店街』

モノローグ書店街 (バンブーコミックス WINセレクション) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場  モノローグ書店街 小坂俊史 出版社:竹書房 (バンブーコミックス WINセレクション) 発売日:2021/03/27 人と本が行き交う交差点  書店を舞台に描かれる群像劇。さりげない日常と人の心の温かさ、絵のタッチの柔らかさと小気味良いコマ割りで、マンガという非現実ではあるけれど、どこか現実であってほしいという淡い期待を寄せてしまう作品。  肩の力を抜いて読め ...

感想・レビュー

2025/2/22

【読書感想】藤本靖『OSO18を追え 〝怪物ヒグマ〟との闘い560日』

OSO18を追え〝怪物ヒグマ〟との闘い560日 (文春e-book) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場  OSO18を追え 〝怪物ヒグマ〟との闘い560日 藤本靖 出版社:文藝春秋 発売日:2024/07/11 驚異のヒグマが生まれた理由  「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、事実は時として現実の奇を小説のように語る。  2020年以降、全国的にも大々的に報道された家畜を襲うヒグマ「OSO18」。その姿を追い求め、捕獲に奔走したハンターたちの物語。 ...

もっと見る

インド哲学仏教学

2023/6/13

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)

       6回目は第2章1~11節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①sañjaya uvāca /  taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam /  viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca /  kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...

インド哲学仏教学

2020/5/21

『般若心経』をサンスクリット原典で読む!

 多分日本で一番有名な仏教経典である『般若心経』は、正式には『般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、今から1600年以前、サンスクリット語で書かれた『Prajñāpāramitā-hṛdaya-sūtram』を漢訳したものだ。  そもそも『般若心経』は、仏になるために菩薩が行う修行・知恵(般若波羅蜜・般若波羅蜜多)を説く『般若経』という経典群の中のひとつで、大乗仏教の根本思想である"空"の思想を簡潔にまとめている。そのため、漢訳されたものもその短い文言の中で大乗仏教の根幹が説かれているとされ、多くの宗派で今なお用い ...

感想・レビュー インド哲学仏教学

2024/1/5

【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場   ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか  ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...

インド哲学仏教学

2026/8/4

【ヒンドゥー教の聖典】『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!~前説~

      目次  まえがきと若干の解説  『バガヴァッドギーター』テキスト  参考文献        【本編】  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)   ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!そ ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺

『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより)      目次  ・人名用語解説  ・超要約「バガヴァッドギーター」  ・「ギーター」こぼれ話し  参考文献    ※本編はコチラから!        Amazon  いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』       人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)

       5回目は第1章40~47節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ /  dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ /  strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...

もっと見る

後鳥羽院project

2023/7/28

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その1~治承四五年記①(治承四年二月~五月)~

       以前公開した『藤原定家「明月記」にみる後鳥羽院の姿』シリーズをやっていた頃から、いつかは『明月記』自体の講読もやりたいと考えていた。  ただ、当の『明月記』が難解極まりないことと、明月記研究会はじめ堀田善衛御大などさまざまな研究者や愛読者がすでに多くの著作や論文を出している。またネット記事なんかでもあちらこちらで書かれていることもあって、「今さら自分がブログ上でやってもなぁ・・・」と二の足を踏んでいた。  とはいえ相変わらずの性と言おうか、思いついたんだからやってみようかしらと、最近になって ...

後鳥羽院project

2021/12/8

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その6(建保元年~建保6年)

     後鳥羽院像に迫るための資料  (甚之助蔵 『宸記集』藝林社、昭和49年。田邑二枝『海士町史』海士町役場、昭和49年)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻 ...

後鳥羽院project

2023/8/26

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その3~治承四五年記③(治承五・養和元年)~

       引き続き、治承四五年記のうち治承五年について読んでいこうと思います。       目次 【凡例】   治承五・養和元年(1181)<定家20歳・従五位上侍従> ・式子内親王との邂逅(正月3日、九月二十七日条) ・高倉院、崩御(正月十四・二十日、閏二月三日条) ・平清盛、薨ず(閏二月四・五日条) ・姉の死(閏二月六・十二・二十四日、三月九日条)    参考文献       【凡例】 ・本文、訓読、意訳、注釈とコメントの順で記した。 ・底本には冷泉家時雨亭文庫叢書『翻刻 明月記』(全三巻)を用い ...

後鳥羽院project

2019/8/15

【佐渡の秘境!!】順徳院崩御の地・堂所御所跡へ【佐渡の入江の順徳院 後編】

 Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor].  Click here for the part1  前編はこちら   ↓↓↓↓  佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~      パパ・後鳥羽院譲りの文武両道の逸材      目次  前説  堂所御所跡へ ...

後鳥羽院project

2018/11/6

後鳥羽院を巡るフィールドワーク【大原御陵・水無瀬神宮・隠岐】

後鳥羽院 第二版 後鳥羽院 (コレクション日本歌人選)  Field work on Go-Toba Tenno[6,Aug,1180~28,Mar,1239(14,Jul,Jisho4~22,Feb,enoh1):82nd emperor(reigning:1183~1198)and Retired Emperor].  He was also a master of Waka(Waka is Japanese traditional poetry) in Japan medieval history. ...

後鳥羽院project

2024/1/8

【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~後編~

      前回のあらすじ  コロナ禍を経て念願の隠岐再訪を目指したワタクシ甚之助は、酷暑の中を必死の思いで隠岐・海士町に降り立った。  そして遂に、前回目の当たりにすることのできなかった後鳥羽院「お腰掛けの石」と対面する。  次いで、SNS上では長らく付き合いのある通称・元大賞さんと邂逅し、ふたたび隠岐神社・御在所&火葬塚跡へと足を踏み入れた。そこで目にしたものは「ひと夏の幻」だった……。   目次 ・पुनर्मिलाम ओकि・・・ ・キーポイント美保関 ・それからのこと   出雲国風土記 (講談社 ...

もっと見る

レポート

2023/6/2

あがた森魚さんの映画を見に行くin小樽【佐藤敬子先生を探して】

目次  前説  映画『佐藤敬子先生を探して』  私にとっての「あがた森魚」という人  脚注    Amazon  愛は愛とて何になる   ◎前説  8月上旬、私は農作業の傍らで北海道のローカルラジオ番組に耳を傾けていた。  その番組の一コーナーにとあるミュージシャンがゲスト出演していたのだが、なにやら熱心に口角泡を飛ばす勢いで必死に言葉を紡いでいる。件のコーナーでは、さまざまなミュージシャンのメッセージが流されたりゲスト出演した後で楽曲が放送されるのだが、その日に限ってはなかなか曲に移らない。最終的に楽曲 ...

レポート 考察

2023/6/3

【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考

      目次  ・「KB4」のココに注目!  ・「KB4」今昔物語  ・私的使用法         大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。  件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...

レポート

2019/10/20

佐渡島をブラっと散歩してきましたレポ~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2 おまけ編~

 今回は本当におまけ編w  サムネ画像は、佐渡汽船の看板娘・カーフェリー三人娘の(左から)「あかねちゃん」「ときわちゃん」「おけさちゃん」。    それぞれ佐渡汽船のフェリーがモチーフ。ちなみに「おけさちゃん」が長女。「あかねちゃん」が末っ子とのこと。めんこいwww    Amazon  10 地球の歩き方JAPAN 島旅 佐渡 ブラタモリ 9 平泉 新潟 佐渡 広島 宮島      さて、【佐渡の入江の順徳院 後編】で『堂所御所跡』へ行ってきた後で、フェリーまでに相当な時間があったので「さてママ、どーし ...

レポート

2025/1/3

湖に沈む「幻の橋」タウシュベツ川橋梁を行く!

     ※本記事の内容は2024年08月時点のものです。  北海道上士幌町。  大雪山東南麓に位置するこの街には、「幻の橋」と呼ばれる橋がある。正式名称・タウシュベツ川橋梁は、知る人ぞ知る北海道屈指の秘境だ(「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として北海道遺産や近代化産業遺産に認定されている。なお)。  これは2024年08月にタウシュベツ川橋梁を訪れた時のレポートです(なお見学方法はこちらから)。   300ピース ジグソーパズル KAGAYA 幻の銀河橋(北海道)-天の川とタウシュベツ川橋梁- ...

レポート

2018/12/25

夏目漱石『こころ』の散歩道

 「日本で一番売れている」本(2016年時点)  cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア   夏目漱石『こころ』(新潮文庫版)  夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。  その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。  あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。   cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介  さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...

レポート

2023/4/15

【妖怪博士の遺産】中野区立哲学堂公園を歩く!

       Amazon  史上最強の哲学入門 Kindle版        2023年3月、3年前から世界を席巻した某ウイルスの流行も収まりをみせ、久々に(本格的な)上京しました。そのときブラっと『中野区立哲学堂公園』に立ち寄ったので、その時のレポートです。ひさびさの散歩記事。  さて、哲学堂公園への行き方は複数ありますが、今回は都営大江戸線落合南長崎駅から(その他のルートは記事末に記載します)。  A1出口から都道440号線・新青梅街道を西に向かって歩く。          途中、なんのご縁かこんな ...

もっと見る