感想・レビュー

2024/1/20

【読書感想】鴨長明/信吉『漫画方丈記 日本最古の災害文学』

漫画方丈記 日本最古の災害文学 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場  漫画方丈記 日本最古の災害文学 鴨長明 著 / 信吉 イラスト 出版社:文響社 発売日:2021/09/10 元祖ミニマリストの足るを知る潔さ  日本三大随筆に数えられる『方丈記』は、原稿用紙にしておよそ25枚程度の短文ながら日本最古の災害文学としても貴重な記録である。「ゆく河の慣れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という有名な書き出しで始まる冒頭部分を、国語の教科書などで読んだという ...

感想・レビュー

2024/2/16

【読書感想】枡野浩一『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』

毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集 created by Rinker 左右社 Amazon 楽天市場  毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集 枡野浩一 出版社:左右社 発売日:2022/09/29  不世出の現代歌人、その半生  令和の短歌ブームの火付け役である作者の全短歌集。  ベストセラーとなった俵万智『サラダ記念日』を筆頭に、現代短歌はもはや日本文学の一大ジャンルといっても過言ではないが、その現代歌壇にあって穂村弘氏な ...

感想・レビュー

2020/4/19

【読書感想】『獣神サンダー・ライガー自伝』上・下・完結編

  獣神サンダー・ライガー自伝(上) 出版社:イースト・プレス 発売日:2017/07/07     獣神サンダー・ライガー自伝(下) 発売日:2017/10/15   獣神サンダー・ライガー自伝 完結編 発売日:2020/03/15   プロレス界のレジェンド、獣神サンダー・ライガーのこれまでとこれからと……  今年1月、日本はもとより世界のプロレス界にもその名を馳せたスーパーヒーロー、獣神サンダー・ライガーがリングを去った。  マスクをかぶる前から通算36年の長きにわたって日本のプロレス界をけん引し、 ...

感想・レビュー

2021/2/23

【読書感想】小倉広『もしアドラーが上司だったら』

  もしアドラーが上司だったら 小倉広 出版社:プレジデント社 発売日:2017/03/11  アドラー心理学の"実践的"超入門書!  近年、悩めるビジネスマンや若者を中心に多くの人から注目されているアドラー心理学。  「自己啓発の父」と称されるその思想は、個人心理学という新しい心理学の草分けであり、常識を覆すような幸福論だ。名著『嫌われる勇気』のヒットも記憶に新しいところだろう。    ではそのアドラー心理学を現実社会の中でどう役立てればよいだろうか?  いろんな解説書も出ているが、その中でグンを抜いて ...

感想・レビュー

2022/5/28

【読書感想】ハインライン『宇宙の戦士』

  宇宙の戦士〔新訳版〕 ロバート・A・ハインライン 作 / 内田昌之 訳 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫SF) 発売日:2015/10/22 「戦争」することの正しさとは?  2022年02月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻。日増しにその苛烈さが増す中でふと思い出して再読した本。  SF界の三大巨匠の一人であるハインラインの手になる本作は、発表当時相当な物議を醸したことは今でも語り草となっている。ミリタリーSFの古典でありヒューゴー賞受賞作、後のSF作品にも多大な影響を与えているのは事実だが、その内 ...

感想・レビュー

2020/7/28

【読書感想】細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ『細野観光 1969-2019』

  『細野観光 1969-2019』細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ  細野晴臣デビュー50周年プロジェクト  出版社:朝日新聞出版 発売日:2019/10/07 音楽界のスーパーレジェンドのオモチャ箱は玉手箱であり宝箱  はっぴぃえんどやYMOなど、日本語ロックあるいは世界の音楽シーンを変えた斬新なテクノポップの生みの親である細野晴臣氏が、昨年デビュー50周年を迎えた。その記念展が同じく昨年秋、六本木で開催されたが、本書はその公式カタログになる。  世代を超え常に新鮮な音楽性を追及して ...

もっと見る

インド哲学仏教学

2023/6/13

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)

       6回目は第2章1~11節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①sañjaya uvāca /  taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam /  viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca /  kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)

       5回目は第1章40~47節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ /  dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ /  strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)

 さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。  今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト   ①dhṛtarāṣṭra uvāca /  dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ /  māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca /  dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...

インド哲学仏教学 感想・レビュー

2024/1/5

【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場   ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか  ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...

インド哲学仏教学

2023/8/1

【ヒンドゥー教の聖典】『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!~前説~

      目次  まえがきと若干の解説  『バガヴァッドギーター』テキスト  参考文献        【本編】  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)   ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)  ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!そ ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)

       4回目は第1章31~39節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava /  na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca /  kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...

もっと見る

後鳥羽院project

2022/12/22

後鳥羽院『遠島御百首』私見その2~夏 十五首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       夏十五首 目次  二十一、けふとてや  二十二、ふるさとを  二十三、たをやめの  二十四、暮かゝる  二十五、あやめふく  二十六、いまはとて  二十七、五月雨に  二十八、さみだれに  二十九、難波江や  三十、あはれにも  三十一、ゆふだちの  三十二、夕すゞみ  三十三、したくゆる  三十四、くれたけの  三十五、見るか ...

後鳥羽院project

2022/9/20

【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏

 本稿は、後鳥羽院生前の出来事のうち、院のその後の人生に影響を与えたであろう事柄を、公卿日記をはじめとした史料より抽出したものである。  注意事項として、記事内の各天皇および院の呼称は省略している。また本稿タイトルの「運命の四の宮」は、目崎徳衛『史伝後鳥羽院』の一節による。   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6  ...

後鳥羽院project

2022/12/27

後鳥羽院『遠島御百首』私見その3~秋 ニ十首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       秋ニ十首 目次  三十六、かたしきの  三十七、よのつねの  三十八、秋されば  三十九、おもひやれ  四十、咲かゝる  四十一、ふるさとを  四十二、いかにせむ  四十三、なきまさる  四十四、いたづらに  四十五、おもひやれ  四十六、ふるさとの  四十七、野をそむる  四十八、あはれなる  四十九、はれよかし  五十、岡の ...

後鳥羽院project

2024/3/19

京の都とその周辺と【RE:後鳥羽院を巡るフィールドワークその2】

      目次 プロローグ~そうだ京都へ行こう!~ 金ヶ原の裾野 私的聖地巡礼   参考文献   るるぶ京都’25 (るるぶ情報版) created by Rinker ジェイティビィパブリッシング Amazon 楽天市場   プロローグ~そうだ京都へ行こう!~    2023年末、所用をかねて上京した折、一日半ほど予定がぽっかり空いてしまった・・・。  今までならこんな時、時間が出来れば国会図書館に籠るなりネット上のつながりのある人に片っ端から連絡を入れるなりするのだが、最近はなんだかそんな ...

後鳥羽院project

2020/3/20

令和の時代に鎌倉幕府に思いを馳せてみた~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその3~

 Field work on KAMAKURA Shogunate around the Jokyu war age.  2019年末、例の後鳥羽院単推しの通称ママとの取材旅行の前に、ひとりブラっと古都・鎌倉に残る承久の乱関連の史蹟を巡ってきましたというレポ。 目次  ・切通しのこと  ・冬の由比ガ浜  ・承久の乱を彩った人々の眠る場所と日蓮の消息  ・鶴岡八幡宮と承久の乱  参考文献 Amazon図説 鎌倉府 新版改訂 鎌倉観光文化検定 公式テキストブック 切通しのこと  平安時代末、栄華を極めた平家の ...

後鳥羽院project

2021/12/7

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その4(承元元年~承元2年)

     後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記2  (甚之助蔵 藤原家実『猪隈関白記』岩波書店、昭和62年第2刷)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤 ...

もっと見る

レポート

2023/7/8

【23区唯一の渓谷】等々力からめぐる東京古墳散歩♪

       Amazon  私のオアシス 等々力渓谷       ※今年(2023年)03月にした散歩です。        例のウイルスも収まりをみせ、所用をかねて上京した折、長い付き合いの知人家族から「朝食でも食べにおいでよ~」とお誘いを受けたので、散歩がてら東京・世田谷区から大田区にかけての多摩川沿いを歩きました。  件の知人宅は東急東横線の多摩川駅が最寄りなのですが、今回は大井町線等々力駅からの出発。        早朝だから人通りもまばら。そういえばこの駅前も再開発云々でいろいろ変わってたな。 ...

レポート

2019/7/30

【探訪】上野『大統領』私的呑みかた論w

     Amazon  上野アンダーグラウンド     ※この記事は飲酒を薦めるものではありません。  未成年の飲酒は法律で禁じられています。  また飲酒運転は絶対にやめましょう。  お酒は程よく気持ちよく!        数年前、「遊んで学ぶお父さん」のUronpoiさんを誘って以来、氏をどっぷりハマらせてしまった感があって若干の責任を感じていたりするのですが、よくよく考えたら自分でレポを書いたことがないなと思い、ホント今更ながらの「大統領」レポ。  レポートと言っても、普段どんな風に大統領で呑んでい ...

レポート 考察

2023/6/3

【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考

      目次  ・「KB4」のココに注目!  ・「KB4」今昔物語  ・私的使用法         大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。  件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...

レポート

2018/12/25

夏目漱石『こころ』の散歩道

 「日本で一番売れている」本(2016年時点)  cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア   夏目漱石『こころ』(新潮文庫版)  夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。  その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。  あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。   cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介  さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...

レポート

2023/4/15

【妖怪博士の遺産】中野区立哲学堂公園を歩く!

       Amazon  史上最強の哲学入門 Kindle版        2023年3月、3年前から世界を席巻した某ウイルスの流行も収まりをみせ、久々に(本格的な)上京しました。そのときブラっと『中野区立哲学堂公園』に立ち寄ったので、その時のレポートです。ひさびさの散歩記事。  さて、哲学堂公園への行き方は複数ありますが、今回は都営大江戸線落合南長崎駅から(その他のルートは記事末に記載します)。  A1出口から都道440号線・新青梅街道を西に向かって歩く。          途中、なんのご縁かこんな ...

レポート

2020/1/26

北区赤羽の住宅街をプラっと散歩してきましたレポ

  昨年夏に上京した折、ちょっと時間が空いたので赤羽で途中下車して住宅街を散歩してきたレポートです。  赤羽といえば最近では住んでみたい街として人気もうなぎ上りのようですが、細い路地に"せんべろ"飲み屋街と、知る人ぞ知る隠れたディープスポット密集地帯だったりする。また昨年暮れ、タレントの壇蜜さんと漫画家・清野とおるさんのご結婚が報じられた際、清野さんの地元ということでもその名が更に広まったりしたのは記憶に新しいところ。  駅付近のふざけた七福神像やホテル屋上の自由の女神像なんか特に有名ですが、今回は赤羽駅 ...

もっと見る