感想・レビュー

2022/3/22

【読書感想】柿沼陽平『古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで』

  古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで 柿沼陽平 出版社:中央公論社新社(中公新書) 発売日:2021/11/18 古代中国リアルシミュレーション  始皇帝伝説や『三国志』、今でも人々の好奇心を魅了してやまない古代中国史。  本書は古の人々がどのような生活をしていたのか、その実態を著者が太古の昔へワープした体裁で、RPGあるいはシミュレーションゲームのような臨場感あふれる視点で俯瞰してみようという意欲作である。もっとも、シミュレーション上の選択肢の決定権は全て著者に委ねられているが。……   ...

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2021/7/28

【読書感想】Testosterone『筋トレは必ず人生を成功に導く 運命すらも捻じ曲げるマッチョ社長の筋肉哲学』

  筋トレは必ず人生を成功に導く 運命すらも捻じ曲げるマッチョ社長の筋肉哲学 Testosterone 出版社:PHP研究所 発売日:2018/01/23 筋肉が人生を救う! 筋肉"バカ"になる効能  昨今巷を賑わす筋トレ。  本書は筋トレの効果効能を示すだけではなく、そこから導かれる人生訓にまで至る熱き一冊だ。  前半部では筋トレが日常生活に与えるメリットを、後半ではそこから学べる人生の本質を説いている。  筋肉トレーニングが普段の生活に与えるメリットについては、脳科学的な側面をはじめとして様々な研究が ...

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2021/10/7

【読書感想】水原紫苑『百人一首 うたものがたり』

  百人一首 うたものがたり 水原紫苑 出版社:講談社(講談社現代新書) 発売日:2021/03/17 『百人一首』入門の新定番  近年、マンガやアニメの影響もあって若い世代からも親しまれている「百人一首」。  しかし義務教育で扱われているものとはいえ、まだまだ敷居の高さを感じている人も多いだろう。  本書はそんな「百人一首」の入門書として画期的な一冊となっている。  なにをもって画期的かというと、まず著者が現代短歌の歌人であること。それゆえに備えもつ広範な知識と繊細な感性をフルに活かした解説がなされてい ...

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2023/2/23

【読書感想】小林昌樹『調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』

  調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス 小林昌樹 出版社:皓星社 発売日:2022/12/09 お調べものはなんですか?  図書館には「司書」とよばれる人がいること、その認知度はあくまで肌感覚だが決して高くはないと思う。仮に司書という仕事を知っていても、実際なにをやっているのか知らない、あるいは助力を頼んだことがないという人も多いだろう。  本書は、長らく国会図書館に勤め、現在は大学でレファレンスに関する授業も受け持つ著者がおくる「調べもの」の極意を集めたような一冊。調べ物のプロたる「司 ...

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2023/6/17

【読書感想】にしおかすみこ『ポンコツ一家』

  ポンコツ一家 にしおかすみこ 出版社:講談社 発売日:2023/01/20 ある芸人の面白くて辛い家族の群像  いわゆる「一発屋芸人」は数多くいても、SM女王の姿でテレビ画面に颯爽と登場し一世を風靡した「にしおかすみこ」という芸人は特異だ。過激な見た目とは裏腹な線の細い声質とにじみ出る真面目さが相俟って、視聴者の記憶に強烈な印象を与えてまたたくまにブレイクした。  そんなにしおかさんが自身の家族の姿をつづった本書。Web連載に書き下ろしを追加してまとめられたものだ。  認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱ ...

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2023/11/21

【読書感想】坂本龍一『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』

   ぼくはあと何回、満月を見るだろう 坂本龍一 出版社:新潮社 発売日:2023/06/21 ぼくはあと何回、満月を見るだろう created by Rinker 新潮社 Amazon 楽天市場 命が尽きるその時まで  今年3月、この世を去った音楽家・坂本龍一。ここで5月に紹介した自伝『音楽は自由にする』のその後をつづった氏の回想録。本書は終始その晩年の仕事の記録という感じを否めないが、そこには死のその直前まで、音楽をはじめとした創作・表現行為へいかにこだわりつづけたかの姿勢が見て取れる。その ...

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インド哲学仏教学 感想・レビュー

2024/1/5

【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場   ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか  ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)

       3回目は第1章20~30節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ /  pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 //  hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate /  senayorubhayormadhye rath ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)

       5回目は第1章40~47節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ /  dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ /  strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について

【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。   前説  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。  かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)

       6回目は第2章1~11節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①sañjaya uvāca /  taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam /  viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca /  kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺

『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより)      目次  ・人名用語解説  ・超要約「バガヴァッドギーター」  ・「ギーター」こぼれ話し  参考文献    ※本編はコチラから!        Amazon  いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』       人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...

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レポート 後鳥羽院project

2022/2/24

【とはずがたり】「『明月記』の後鳥羽院」よもやま話

       調査・研究に用いているノート。    「藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿」調査中の机の上w   目次  ・きっかけ  ・隠岐、集中豪雨  ・愛憎半ば、悲喜交々 その1  ・愛憎半ば、悲喜交々 その2  ・ママ、クルマにはねられる  ・『吉記』のこと  ・青天の霹靂  ・ママ、怒る!  ・老いたる定家と後鳥羽院  ・拝啓、藤原定家さま    Amazon  夢のなかぞら―父 藤原定家と後鳥羽院   ・きっかけ   「まあ、またなんとも面白そうなことを……」        2021年春、私は ...

後鳥羽院project

2019/8/10

佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~

      Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor].  He is a scholarship and the martial arts who resembles his father.  However, he was condemned to SADO due to the ...

後鳥羽院project

2022/9/20

【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏

 本稿は、後鳥羽院生前の出来事のうち、院のその後の人生に影響を与えたであろう事柄を、公卿日記をはじめとした史料より抽出したものである。  注意事項として、記事内の各天皇および院の呼称は省略している。また本稿タイトルの「運命の四の宮」は、目崎徳衛『史伝後鳥羽院』の一節による。   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6  ...

後鳥羽院project

2024/1/8

【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~後編~

      前回のあらすじ  コロナ禍を経て念願の隠岐再訪を目指したワタクシ甚之助は、酷暑の中を必死の思いで隠岐・海士町に降り立った。  そして遂に、前回目の当たりにすることのできなかった後鳥羽院「お腰掛けの石」と対面する。  次いで、SNS上では長らく付き合いのある通称・元大賞さんと邂逅し、ふたたび隠岐神社・御在所&火葬塚跡へと足を踏み入れた。そこで目にしたものは「ひと夏の幻」だった……。   目次 ・पुनर्मिलाम ओकि・・・ ・キーポイント美保関 ・それからのこと   出雲国風土記 (講談社 ...

後鳥羽院project

2023/8/23

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その2~治承四五年記②(治承四年六月~十二月)~

     今回は前回に引き続き、治承四五年記のうち治承四年六月~十二月を読んでいこうと思います。     目次 【凡例】   治承四年(一一八〇)<定家十九歳・従五位上侍従> ・遷都、決定!!(六月一日条) ・藤原定家という人(七月十五日、九月十五日、十月二十二日条) ・俊成一家でパンデミック(七月十七日~二十五日条) ・平清盛、激怒!(十一月七日条) ・姉、健御前のこと(十一月八日条) ・帝、福原より還る(十一月二十五・二十六日条) ・定家卿、叱られる(十二月二十四日条)    参考文献       【 ...

後鳥羽院project

2023/8/26

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その3~治承四五年記③(治承五・養和元年)~

       引き続き、治承四五年記のうち治承五年について読んでいこうと思います。       目次 【凡例】   治承五・養和元年(1181)<定家20歳・従五位上侍従> ・式子内親王との邂逅(正月3日、九月二十七日条) ・高倉院、崩御(正月十四・二十日、閏二月三日条) ・平清盛、薨ず(閏二月四・五日条) ・姉の死(閏二月六・十二・二十四日、三月九日条)    参考文献       【凡例】 ・本文、訓読、意訳、注釈とコメントの順で記した。 ・底本には冷泉家時雨亭文庫叢書『翻刻 明月記』(全三巻)を用い ...

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レポート

2023/4/15

【妖怪博士の遺産】中野区立哲学堂公園を歩く!

       Amazon  史上最強の哲学入門 Kindle版        2023年3月、3年前から世界を席巻した某ウイルスの流行も収まりをみせ、久々に(本格的な)上京しました。そのときブラっと『中野区立哲学堂公園』に立ち寄ったので、その時のレポートです。ひさびさの散歩記事。  さて、哲学堂公園への行き方は複数ありますが、今回は都営大江戸線落合南長崎駅から(その他のルートは記事末に記載します)。  A1出口から都道440号線・新青梅街道を西に向かって歩く。          途中、なんのご縁かこんな ...

レポート

2021/3/12

【浪人時代の思い出】アリミツ君とマコちゃんのこと。

 受験シーズンも終わりに近づき、高校・大学はじめ、いろんなところで合格発表の知らせを耳にする季節となった。  毎年この時期になると、必ず浪人していた頃のことを思い出す。  私は某大手予備校で一年間浪人生活を送り、その間は予備校付属の寮で生活していた。  花の都・TOKYOに出てきたはずが、そこはなぜか木々の緑豊かで動物の鳴き声響くところだった。    人生初の満員電車。  都心ド真ん中にある予備校校舎へ通う日々。  起きてる時は(当然)勉強漬けだったが、ときどき破目を外して寮の仲間たちと長時間語り合ってい ...

レポート

2020/1/26

北区赤羽の住宅街をプラっと散歩してきましたレポ

  昨年夏に上京した折、ちょっと時間が空いたので赤羽で途中下車して住宅街を散歩してきたレポートです。  赤羽といえば最近では住んでみたい街として人気もうなぎ上りのようですが、細い路地に"せんべろ"飲み屋街と、知る人ぞ知る隠れたディープスポット密集地帯だったりする。また昨年暮れ、タレントの壇蜜さんと漫画家・清野とおるさんのご結婚が報じられた際、清野さんの地元ということでもその名が更に広まったりしたのは記憶に新しいところ。  駅付近のふざけた七福神像やホテル屋上の自由の女神像なんか特に有名ですが、今回は赤羽駅 ...

レポート

2019/2/6

【溢れ出る昭和感】新宿の老舗食堂・長野屋で定食を食べる。

 さて昨年末に上京していた折、久々に行ってみたのでサクッとレポートです。都内住のころ新宿界隈で用事があるとき、食事時なり小腹が空いたときなどにちょいちょい食べにきていたお店。   あのころangle 街と地図の大特集1979新宿・池袋・吉祥寺・中央線沿線編 Kindle版 風景は記憶の順にできていく      新宿駅東南口を出てすぐ。様々な飲食店がひしめく新宿の街のなかでひときわ異彩を放っているのがここ「長野屋」。        この建物に見覚えのある方も多いはず。  こちらの長野屋さんはその外観からもわ ...

レポート 考察

2023/6/3

【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考

      目次  ・「KB4」のココに注目!  ・「KB4」今昔物語  ・私的使用法         大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。  件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...

レポート

2023/7/8

【23区唯一の渓谷】等々力からめぐる東京古墳散歩♪

       Amazon  私のオアシス 等々力渓谷       ※今年(2023年)03月にした散歩です。        例のウイルスも収まりをみせ、所用をかねて上京した折、長い付き合いの知人家族から「朝食でも食べにおいでよ~」とお誘いを受けたので、散歩がてら東京・世田谷区から大田区にかけての多摩川沿いを歩きました。  件の知人宅は東急東横線の多摩川駅が最寄りなのですが、今回は大井町線等々力駅からの出発。        早朝だから人通りもまばら。そういえばこの駅前も再開発云々でいろいろ変わってたな。 ...

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