感想・レビュー

2021/6/15

【読書感想】清水研『もしも一年後、この世にいないとしたら。』

  もしも一年後、この世にいないとしたら。 清水研 出版社:文響社 発売日:2019/10/11  人は必ず死ぬ。その時までできること。  ガンに罹患し精神的に追いつめられた患者らへ、自分らしく前向きに生きることを目指す精神治療を行うレジリエンス。本書の著者は、2016年国内初のレジリエンス専門外来をつくった医師である。  ガンの進行や治療に関わる身体的苦痛の大きさは広く世間的にも知られているが、精神的負担の大きさはそこまで認知されていないだろう。実際、がん患者の自殺率は一般人口のおよそ25倍にもなるとい ...

感想・レビュー

2024/1/27

【読書感想】RIKU『ほぼねこ』

ほぼねこ created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場  ほぼねこ RIKU 出版社:辰巳出版 発売日:2023/12/20 それでもやっぱりネコはネコ  発売後すぐに重版が決定し話題となっている本書。ネコはネコでもネコ科動物というかネコ科猛獣の写真集。世間一般でいうところのネコは一匹も出てこないところがミソだ。動物園内の、檻越しではないからこそみられる愛らしくユーモラスな姿は、猛獣とはいえやはりネコそのもの。表情豊かでとても魅力的だ。  著者は動物園巡りが趣味だとい ...

感想・レビュー

2021/8/25

【読書感想】多田俊哉『そのオリーブオイルは偽物です: 値段が高くても本物はごくわずか』

  そのオリーブオイルは偽物です: 値段が高くても本物はごくわずか 多田俊哉 出版社:小学館 発売日:2016/05/27 オリーブオイルにみる食品流通の闇  健康食品として以前より注目を集めている"オリーブオイル"。  店頭で"エキストラバージン"といった表示を目にしている人も多いだろう。  私自身、味的な側面からもオリーブオイルは好んでサラダなんかにかけたりするが、本書で語られるオリーブオイルの正体を知ると正直ゾッとしてしまう。  文字通り、オリーブオイルはオリーブの果実から抽出された植物油である。酸 ...

感想・レビュー

2026/6/27

【読書感想】小林麻衣子『西村賢太殺人事件』

  西村賢太殺人事件 小林麻衣子 出版社:飛鳥新社 発売日:2025/10/23 人生に対する責任と亡失のエモーション  本書をどう評価してよいものか、悩む。  素直に感じたことを吐露するならば、「破滅型」私小説家の名に相応の回想録だと思う。著者は西村賢太氏の元恋人であり、ながらく東京・岡山間で半同棲していた身の上である。  本書は発売以来、賛否両論の激しい耳目を集めている。  西村氏の晩年には破局を迎えていたとはいえ、付かず離れずの関係が続き、著者の身の回りで起こる不可解な出来事が相俟う最中に衝撃的な死 ...

感想・レビュー

2020/12/19

【読書感想】住吉雅美『あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン』

  あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン 住吉雅美 出版社:講談社(講談社現代新書) 発売日:2020/05/20  人間社会の常識を徹底的に批判した末に見えてくる法律のあり方とは?  "哲学"というだけでどこか小難しい印象を受ける人は多い。  さらにそこへ"法"律が関わってくるとどうだろうか?    法哲学とは、法律に対して哲学的思考を向ける、つまり法律を成立させ存在させているものは何かを問う学問だ。  本書では古今東西のさまざまな哲学者の論を参照しながら、法哲学の基礎的な議論が紹介されている。 ...

感想・レビュー

2020/12/26

【読書感想】苫米地英人『現代洗脳のカラクリ』

  現代洗脳のカラクリ 苫米地英人 出版社:ビジネス社 発売日:2017/02/10    自分の頭で考える。そのために必要なことと対処法と。    オウム真理教元信者の洗脳を解くなどの功績のある認知科学者・苫米地英人先生の著書。  刊行は2017年なので、部分的に鮮度の落ちるトピックはあるものの、全体として著者の主張は変わっていない。  我々が目にする世界は"洗脳"で満ちている。  テレビ番組、CM、電車内の広告……。こういうと、「陰謀論が~」「胡散臭い~」という声ももちろん聞こえてくるだろう。  しか ...

もっと見る

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)

 さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。  今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト   ①dhṛtarāṣṭra uvāca /  dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ /  māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca /  dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)

       5回目は第1章40~47節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ /  dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ /  strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)

       4回目は第1章31~39節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava /  na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca /  kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について

【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。   前説  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。  かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)

       3回目は第1章20~30節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ /  pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 //  hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate /  senayorubhayormadhye rath ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺

『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより)      目次  ・人名用語解説  ・超要約「バガヴァッドギーター」  ・「ギーター」こぼれ話し  参考文献    ※本編はコチラから!        Amazon  いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』       人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...

もっと見る

後鳥羽院project

2024/1/8

【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~後編~

      前回のあらすじ  コロナ禍を経て念願の隠岐再訪を目指したワタクシ甚之助は、酷暑の中を必死の思いで隠岐・海士町に降り立った。  そして遂に、前回目の当たりにすることのできなかった後鳥羽院「お腰掛けの石」と対面する。  次いで、SNS上では長らく付き合いのある通称・元大賞さんと邂逅し、ふたたび隠岐神社・御在所&火葬塚跡へと足を踏み入れた。そこで目にしたものは「ひと夏の幻」だった……。   目次 ・पुनर्मिलाम ओकि・・・ ・キーポイント美保関 ・それからのこと   出雲国風土記 (講談社 ...

後鳥羽院project

2021/10/28

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その3(元久2年~建永元年)

     後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記  (甚之助蔵 九条兼実『玉葉』国書刊行会、明治39年刊。九条道家『玉蘂』今川文雄校訂、思文閣出版、昭和59年刊)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元 ...

後鳥羽院project

2022/12/22

後鳥羽院『遠島御百首』私見その2~夏 十五首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       夏十五首 目次  二十一、けふとてや  二十二、ふるさとを  二十三、たをやめの  二十四、暮かゝる  二十五、あやめふく  二十六、いまはとて  二十七、五月雨に  二十八、さみだれに  二十九、難波江や  三十、あはれにも  三十一、ゆふだちの  三十二、夕すゞみ  三十三、したくゆる  三十四、くれたけの  三十五、見るか ...

後鳥羽院project

2019/8/10

佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~

      Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor].  He is a scholarship and the martial arts who resembles his father.  However, he was condemned to SADO due to the ...

後鳥羽院project

2024/3/19

京の都とその周辺と【RE:後鳥羽院を巡るフィールドワークその2】

      目次 プロローグ~そうだ京都へ行こう!~ 金ヶ原の裾野 私的聖地巡礼   参考文献   るるぶ京都’25 (るるぶ情報版) created by Rinker ジェイティビィパブリッシング Amazon 楽天市場   プロローグ~そうだ京都へ行こう!~    2023年末、所用をかねて上京した折、一日半ほど予定がぽっかり空いてしまった・・・。  今までならこんな時、時間が出来れば国会図書館に籠るなりネット上のつながりのある人に片っ端から連絡を入れるなりするのだが、最近はなんだかそんな ...

後鳥羽院project

2019/8/15

【佐渡の秘境!!】順徳院崩御の地・堂所御所跡へ【佐渡の入江の順徳院 後編】

 Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor].  Click here for the part1  前編はこちら   ↓↓↓↓  佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~      パパ・後鳥羽院譲りの文武両道の逸材      目次  前説  堂所御所跡へ ...

もっと見る

レポート

2021/2/26

【2021改訂版】ブログの更新サボってうつ病と闘ってきた

 さて今から遡ること6,7年前、メインの方で『ブログの更新サボって鬱病と闘ってきた』(現在削除済み)という記事をアップした。  公開当時はまだまだ頭もボンヤリという感じで、実際その後一年半にわたって更新も休止。その間、なんだかんだ寛解した。  寛解後は再びいろんなことにチャレンジしてみたくなったりで、結果目まぐるしい毎日を送るなか、自分がうつ病だったこともそれに関する記事をアップしたことも忘れていた。  しかし先日、メインの方で『【 鬱病 】経験者が語る! うつ病になるとできないこと5選!【 症状 】』と ...

レポート

2023/7/8

【23区唯一の渓谷】等々力からめぐる東京古墳散歩♪

       Amazon  私のオアシス 等々力渓谷       ※今年(2023年)03月にした散歩です。        例のウイルスも収まりをみせ、所用をかねて上京した折、長い付き合いの知人家族から「朝食でも食べにおいでよ~」とお誘いを受けたので、散歩がてら東京・世田谷区から大田区にかけての多摩川沿いを歩きました。  件の知人宅は東急東横線の多摩川駅が最寄りなのですが、今回は大井町線等々力駅からの出発。        早朝だから人通りもまばら。そういえばこの駅前も再開発云々でいろいろ変わってたな。 ...

レポート

2022/8/20

小型ジンバルカメラ『DJI Pocket2』導入してみた!

 ここでは正式に報告していませんでしたが、Youtube始めてました(笑)  cf,ゆーちゅーぶはじめました。 - jinnosuke-labo on Youtube  そこで今回撮影用機材として、VLOG等に特化したジンバルカメラ『DJI Pocket2』を購入したのでそのレビューなんかをササっと書いてみたいと思います。    このDJI Pocket2は、手軽に使えるポケットジンバルとして話題になった『DJI Osmo Pocket』の後継機になります。    Amazon  【国内正規品】 DJI ...

レポート

2019/10/20

佐渡島をブラっと散歩してきましたレポ~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2 おまけ編~

 今回は本当におまけ編w  サムネ画像は、佐渡汽船の看板娘・カーフェリー三人娘の(左から)「あかねちゃん」「ときわちゃん」「おけさちゃん」。    それぞれ佐渡汽船のフェリーがモチーフ。ちなみに「おけさちゃん」が長女。「あかねちゃん」が末っ子とのこと。めんこいwww    Amazon  10 地球の歩き方JAPAN 島旅 佐渡 ブラタモリ 9 平泉 新潟 佐渡 広島 宮島      さて、【佐渡の入江の順徳院 後編】で『堂所御所跡』へ行ってきた後で、フェリーまでに相当な時間があったので「さてママ、どーし ...

レポート

2020/1/26

北区赤羽の住宅街をプラっと散歩してきましたレポ

  昨年夏に上京した折、ちょっと時間が空いたので赤羽で途中下車して住宅街を散歩してきたレポートです。  赤羽といえば最近では住んでみたい街として人気もうなぎ上りのようですが、細い路地に"せんべろ"飲み屋街と、知る人ぞ知る隠れたディープスポット密集地帯だったりする。また昨年暮れ、タレントの壇蜜さんと漫画家・清野とおるさんのご結婚が報じられた際、清野さんの地元ということでもその名が更に広まったりしたのは記憶に新しいところ。  駅付近のふざけた七福神像やホテル屋上の自由の女神像なんか特に有名ですが、今回は赤羽駅 ...

レポート

2021/3/12

【浪人時代の思い出】アリミツ君とマコちゃんのこと。

 受験シーズンも終わりに近づき、高校・大学はじめ、いろんなところで合格発表の知らせを耳にする季節となった。  毎年この時期になると、必ず浪人していた頃のことを思い出す。  私は某大手予備校で一年間浪人生活を送り、その間は予備校付属の寮で生活していた。  花の都・TOKYOに出てきたはずが、そこはなぜか木々の緑豊かで動物の鳴き声響くところだった。    人生初の満員電車。  都心ド真ん中にある予備校校舎へ通う日々。  起きてる時は(当然)勉強漬けだったが、ときどき破目を外して寮の仲間たちと長時間語り合ってい ...

もっと見る