【読書感想】岡田敦『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』
エピタフ 幻の島、ユルリの光跡 created by Rinker インプレス Amazon 楽天市場 エピタフ 幻の島、ユルリの光跡 岡田敦 出版社:インプレス 発売日:2023/06/07 静かに消えゆく歴史の1ページ 北の海に浮かぶ孤島・ユルリ島。北海道根室半島の目と鼻の先にある無人島だが、ここには野生化した馬たちが静かに暮らしている。本書はその島の数奇な歴史と運命を、洗練された数々の写真と共に紐解くルポルタージュだ。 著者・岡田敦氏は「写真界の芥川賞」と称される木村伊兵衛賞も受 ...
【読書感想】野口晴巳『能率手帳の流儀』
能率手帳の流儀 created by Rinker Amazon 楽天市場 能率手帳の流儀 野口晴巳 出版社:日本能率協会マネジメントセンター 発売日:2007/10/02 手帳ではじめる人生設計 現在は絶版になっているが、日本能率協会マネジメントセンター会長による手帳を使った目標達成術。とはいえその大部分は人生論のそれに等しい。本書は著者一流の手帳術の開陳でありながら、積み重ねを大切にする基本ともいえる考え方を説いている。 「人生を計画することはできない」と著者は語るが、それゆえにこそ積み ...
【読書感想】セルバンデス『ドン・キホーテ』(岩波文庫)
セルバンテス『ドン・キホーテ』全6冊 (岩波文庫) 「人類史上最高の文学作品は?」と問われれば、私はこの作品を挙げる。 言わずと知れた名作中の名作。文学作品としてだけではなく、絵本や芝居など、およそ芸術作品と呼ばれる様々なジャンルで取り上げ続けられてきた作品だ。 とはいえ、正直なところ読んだ感想としては「ダルい……」の一言しかない。 この作品の翻訳など多数出てはいるが、果たしてそれらを読み通したという人はどのくらいいるだろうか? というのもこの作品自体そもそも長い。長いだけならまだしも、まず ...
【読書感想】大島正二『漢字伝来』
漢字伝来 大島正二 出版社:岩波書店(岩波新書) 発売日:2006/08/18 古代日本における漢字の受容と日本語への変遷を辿る歴史書 「さすが岩波新書!」と雄叫びを挙げたくなる良書。泣く子も黙る岩波新書だと感嘆せざるを得ない。 中国伝来の漢字と出会って以来、古代の日本人が試行錯誤を繰り返すなかで次第に日本語への置換がすすみ、かな文字を完成していく過程が克明に解説されている。 言語構造も音韻体系も異なる漢字の受容がいかに困難な作業であったか、現存するものが少ないとはいえ可能な限り当時の史料( ...
【読書感想】日本近代文学館編『芥川龍之介写真集』
芥川龍之介写真集 [ 日本近代文学館 ] created by Rinker ¥3,300 (2026/06/11 02:16:18時点 楽天市場調べ-詳細) Amazon 楽天市場 芥川龍之介写真集 日本近代文学館 編 出版社:秀明大学出版会 発売日:2024/03/31 文豪の横顔 大正期を代表する文豪・芥川龍之介の写真集。日本近代文学史に燦然と輝く芥川の写真は、これまで新潮文学アルバムなどのシリーズでも数多く取り上げられているが、本書は日本近代文学館が所蔵する写真から芥川一人 ...
【読書感想】平民金子『ごろごろ、神戸。』
ごろごろ、神戸。 平民金子 出版社:ぴあ 発売日:2019/12/10 市井をみつめる異色の子育て日記 以前紹介した『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』の著者・スズキナオさんは、またの名を"平民金子"さんという。 以前は『平民新聞』というブログを運営していたが、現在は更新を止めメルカリで日記を売っている。 その平民金子さんが、自身が住まう兵庫県神戸市の広報課HPで連載していたエッセイをまとめた一冊が本書。 ベビーカーを押しながら昼飲みしつつ巡る市中。奥様の自由時間確保という名目 ...
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『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)
3回目は第1章20~30節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ / pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 // hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate / senayorubhayormadhye rath ...
『般若心経』をサンスクリット原典で読む!
多分日本で一番有名な仏教経典である『般若心経』は、正式には『般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、今から1600年以前、サンスクリット語で書かれた『Prajñāpāramitā-hṛdaya-sūtram』を漢訳したものだ。 そもそも『般若心経』は、仏になるために菩薩が行う修行・知恵(般若波羅蜜・般若波羅蜜多)を説く『般若経』という経典群の中のひとつで、大乗仏教の根本思想である"空"の思想を簡潔にまとめている。そのため、漢訳されたものもその短い文言の中で大乗仏教の根幹が説かれているとされ、多くの宗派で今なお用い ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)
6回目は第2章1~11節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①sañjaya uvāca / taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam / viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca / kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...
【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』
ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...
【読書感想】ヴィヤーサ著・石原美里訳『邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻』
邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 created by Rinker Amazon 楽天市場 邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 ヴィヤーサ 著 / 石原美里 訳 出版社:パブファンセルフ 発売日:2024/01/29 愛する者を失った悲しみと屈辱 インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。そのうち『マハーバーラタ』(以下MBh)の第11巻「Strī-Parvan」の日本語訳注本。 MBhの日本語完訳は未だなされていない。故上村勝彦博士による翻訳は、急逝のため第8巻途中までにとどま ...
【ヒンドゥー教の聖典】『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!~前説~
目次 まえがきと若干の解説 『バガヴァッドギーター』テキスト 参考文献 【本編】 ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11) ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19) ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30) ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39) ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47) ・『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!そ ...
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藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その2(建仁2年~元久元年)
(甚之助蔵 『明月記研究』明月記研究会編) ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その2(建仁2年~元久元年) 建仁2年 建仁3年 元久元年 建仁2年 1202年 後 ...
佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~
Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor]. He is a scholarship and the martial arts who resembles his father. However, he was condemned to SADO due to the ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その1~春 ニ十首~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ はじめに・・・ 私を後鳥羽院がらみの研究(?)に誘った例のママは、最近は以前にもまして悠々自適の生活をしているらしい。なんでも「野垂れ死にが理想の死に方」なのだそうで、いまだ某ウイルスの話題に事欠かない昨今ながら、全国各地を転々と飛び回っているらしい。 そんなママから最初に後鳥羽院の話しをもらった時、見せられたノートがあった ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その1(治承4年~建仁元年)
(甚之助蔵 藤原定家『明月記』全3巻、国書刊行会、明治44年刊) さて、フィールドワーク編も終わったということで、これからは例の後鳥羽院単推しのママとの共同研究(←大袈裟w)をちょいちょい記事にしていってみようと思います。 まずその最初に、生前の後鳥羽院の姿を知る上で貴重な史料となる歌人・藤原定家の日記『明月記』に描かれている院像を見ていきます。 今回は"その1"として後鳥羽院の名前が出ている『明月記』の記事の年月日をピックアップし、その時期に院と定家はどのような関係性・交流があったか ...
令和の時代に鎌倉幕府に思いを馳せてみた~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその3~
Field work on KAMAKURA Shogunate around the Jokyu war age. 2019年末、例の後鳥羽院単推しの通称ママとの取材旅行の前に、ひとりブラっと古都・鎌倉に残る承久の乱関連の史蹟を巡ってきましたというレポ。 目次 ・切通しのこと ・冬の由比ガ浜 ・承久の乱を彩った人々の眠る場所と日蓮の消息 ・鶴岡八幡宮と承久の乱 参考文献 Amazon図説 鎌倉府 新版改訂 鎌倉観光文化検定 公式テキストブック 切通しのこと 平安時代末、栄華を極めた平家の ...
【佐渡の秘境!!】順徳院崩御の地・堂所御所跡へ【佐渡の入江の順徳院 後編】
Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor]. Click here for the part1 前編はこちら ↓↓↓↓ 佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~ パパ・後鳥羽院譲りの文武両道の逸材 目次 前説 堂所御所跡へ ...
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オッサンだから今話題の『DEOCO』使ってみましたレポw
※個人的な感想です。効果には個人差があります(多分)。 どうも、基本的に口と腋と足が臭く“哀しい臭い”と書いて男の『哀臭(あいしゅう)』を漂わせている甚之助です。見事にオッサンです。 さて、昨今巷のオッサンたちの間では ●リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた (わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる) ●デオコで女の子の匂いを感じるためには女の子との思い出が必要という問題 (本しゃぶり) これらの記事を皮 ...
夏目漱石『こころ』の散歩道
「日本で一番売れている」本(2016年時点) cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア 夏目漱石『こころ』(新潮文庫版) 夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。 その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。 あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。 cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介 さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...
歌人・鳥居さんに会ってきた~三浦綾子記念文学館講演会レポ~
6月13日、北海道旭川市在の三浦綾子記念文学館において、開館20周年を記念した特別講演会が開催された。 ゲストは"セーラー服の歌人"として注目されている歌人・鳥居氏だ。 キリンの子 鳥居歌集 2016年に本家・ネト見の方でも紹介した歌集『キリンの子』は現在までに累計2万部を売り上げている。また、彼女の壮絶な半生もまた注目されている理由のひとつに挙げられていると思うが、今回はそんな前提は一旦置いて、一読者として実際どのような人なのか気になっていたのでその講演会を聴きに行ってきましたというレポー ...
あがた森魚さんの映画を見に行くin小樽【佐藤敬子先生を探して】
目次 前説 映画『佐藤敬子先生を探して』 私にとっての「あがた森魚」という人 脚注 Amazon 愛は愛とて何になる ◎前説 8月上旬、私は農作業の傍らで北海道のローカルラジオ番組に耳を傾けていた。 その番組の一コーナーにとあるミュージシャンがゲスト出演していたのだが、なにやら熱心に口角泡を飛ばす勢いで必死に言葉を紡いでいる。件のコーナーでは、さまざまなミュージシャンのメッセージが流されたりゲスト出演した後で楽曲が放送されるのだが、その日に限ってはなかなか曲に移らない。最終的に楽曲 ...
佐渡島をブラっと散歩してきましたレポ~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2 おまけ編~
今回は本当におまけ編w サムネ画像は、佐渡汽船の看板娘・カーフェリー三人娘の(左から)「あかねちゃん」「ときわちゃん」「おけさちゃん」。 それぞれ佐渡汽船のフェリーがモチーフ。ちなみに「おけさちゃん」が長女。「あかねちゃん」が末っ子とのこと。めんこいwww Amazon 10 地球の歩き方JAPAN 島旅 佐渡 ブラタモリ 9 平泉 新潟 佐渡 広島 宮島 さて、【佐渡の入江の順徳院 後編】で『堂所御所跡』へ行ってきた後で、フェリーまでに相当な時間があったので「さてママ、どーし ...
【今日もご安全に】ドラレコ買ったからつけてみた!
北海道はすっかり冬景色となりましたが、さて、だいぶん前から新しいドラレコをつけようつけようと思っていてなかなかできなかったのを、先日やっと取り付けましたという報告がてら、今回購入したドラレコのレビューなんぞ書こうかという次第。 今回購入したのはこちらのドラレコ。 Amazon Tapewo【最新版】 4.3インチタミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ ミラータイプでバックカメラ付き、画質はフルHD1080P。 内容物はこんな感じ。 ・本体 ・バックカメラ ・ ...
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