【読書感想】『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』
しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 富士屋カツヒト・画 左藤真通・原作 清水陽平・監修 出版社:白泉社(ヤングアニマルコミックス) 発売日:2022/08/29 しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 2 しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 3 誠実な仕事とはなにか? インターネット上の誹謗中傷やデマ。SNS全盛の昨今、現実世界でも無視し難い問題になってきているのは周知のことだろう。 本作品は、ネット上でのトラブルに強い弁護士と依頼人とが織り成 ...
【映画感想】『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
もはや知る人ぞ知る名作。そして個人的に一番好きなアニメ映画。 製作はガイナックス。音楽は坂本龍一が担当している。 DVD版 Blu-ray版 昭和62(1987)年に公開された本作は、王立宇宙軍士官の主人公が仲間たちとロケット打ち上げを目指すという単純明快なストーリーなのだが、まず目を引くのは今となっては豪華すぎるスタッフ陣であろうか? 監督・原案・脚本:山賀博之 助監督:赤井孝美、樋口真嗣、増尾昭一 キャラクターデザイン・作画監督:貞本義行 作画監督:庵野秀明、飯田史雄、森山雄治 ...
【読書感想】劉慈欣『三体』
三体 劉 慈欣 / 大森 望,光吉さくら,ワンチャイ 訳 / 立原透耶 監修 出版社:早川書房 発売日:2019/07/04 次世代へつながるSF界の新巨星 中国での初版以降話題を呼び、英訳版の刊行、そしてSF界の最高賞ヒューゴー賞を受賞するに至った本作品。 日本語訳刊行以降は、各界の著名人からの絶賛を受け続けている。 文化大革命を背景に壮大に広がるストーリーは、圧倒的な想像力と底知れない知識量に裏打ちされて最早なんと称していいか分からないほどだ。 私自身、古今東西を問わずいろんな書籍を多読乱 ...
【読書感想】カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』
タイタンの妖女 カート・ヴォネガット 著 / 浅倉久志 訳 / 和田誠 イラスト 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫SF) 発売日:2009/02/25 タイタンの妖女 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 名作古典SFからの現代への警鐘 古典SFの名作にして今なお支持されている本作。読書好きの人なら読んだことはなくともタイトルだけでも聞いたことはあるだろう。方々で岡田斗司夫さんがプッシュしていることもあって、最近でもネット上でたびたび話題にあがるので十数 ...
【読書感想】岡潔『紫の火花』
紫の火花 岡潔 出版社:朝日新聞出版(朝日文庫) 発売日:2020/03/06 稀代の天才数学者が語る知性の本質 不世出の数学者・岡潔の名著『春宵十話』に続く随筆集。 著者による警世の文章の中でも最高傑作と称されるもので、『春宵十話』が本編とするなら本書は理論編ともいうべき内容となっている。昨年、56年ぶりの復刊を果たした。 「情緒」「独創」「教育」というキーワードをもとに、著者は様々な視点から人と教育、そして知性そのものの在り方を捉えていた。 本書では数学的演繹の視点と自我本能の情緒的観点か ...
【読書感想】ドミニック・ボービー『潜水服は蝶の夢を見る』
潜水服は蝶の夢を見る ジャン=ドミニック・ボービー 著 / 河野 万里子 訳 出版社:講談社 発売日:1998/03/05 心だけになった人間が見つめた世界 本書は大反響を呼んだ世界的ベストセラー。映画化もされているのでタイトルだけでも聞いたことがある人も多いだろう。 世界的ファッション雑誌『ELLE』の元編集長である著者は、脳幹出血という大病の末、ロックドイン・シンドローム(閉じ込め症候群)に陥る。これは俗にいう「植物状態」と異なり、四肢が麻痺しているものの意識が覚醒している状態、つまり、自己 ...
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『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)
5回目は第1章40~47節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ / dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ / strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...
『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)
さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。 今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト ①dhṛtarāṣṭra uvāca / dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ / māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca / dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)
3回目は第1章20~30節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ / pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 // hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate / senayorubhayormadhye rath ...
インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について
【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。 前説 インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。 かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...
【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺
『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより) 目次 ・人名用語解説 ・超要約「バガヴァッドギーター」 ・「ギーター」こぼれ話し 参考文献 ※本編はコチラから! Amazon いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』 人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)
2回目は第1章12~19節をば。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①tasya saṃjanayanharṣaṃ kuruvṛddhaḥ pitāmahāḥ / siṃhanādaṃ vinadyoccaiḥ śańkhaṃ dadhmau pratāpavān // 12 // ②tataḥ śankhaśca bheryaśca paṇavānakagomukhāḥ / sahasaivābhyahanyanta ...
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藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その6(建保元年~建保6年)
後鳥羽院像に迫るための資料 (甚之助蔵 『宸記集』藝林社、昭和49年。田邑二枝『海士町史』海士町役場、昭和49年) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻 ...
崇徳院と土御門院を巡る四国~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその4 最終回~
保元の乱の首謀者として讃岐に流された崇徳院。そしてその曾姪孫(甥の孫)にあたり、承久の乱で流された父・後鳥羽院、弟・順徳院の身の上を憂い、自ら懇願し阿波に流された土御門院。この二人を追ったレポート。 Field work on SUTOKU Tenno & TSUCHIMIKADO Tenno. SUTOKU Tenno[1,Jul,1119~14,Sep,1164(28,May,Genei2~26,Aug,Chokan2):75nd emperor(reigning:1123~1142)and R ...
京の都とその周辺と【RE:後鳥羽院を巡るフィールドワークその2】
目次 プロローグ~そうだ京都へ行こう!~ 金ヶ原の裾野 私的聖地巡礼 参考文献 るるぶ京都’25 (るるぶ情報版) created by Rinker ジェイティビィパブリッシング Amazon 楽天市場 プロローグ~そうだ京都へ行こう!~ 2023年末、所用をかねて上京した折、一日半ほど予定がぽっかり空いてしまった・・・。 今までならこんな時、時間が出来れば国会図書館に籠るなりネット上のつながりのある人に片っ端から連絡を入れるなりするのだが、最近はなんだかそんな ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その4~冬 十五首~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 冬十五首 目次 五十六、見し世にも 五十七、冬くれば 五十八、しもがれの 五十九、かみな月 六十、をのづから 六十一、こぞよりは 六十二、そめのこし 六十三、たつた山 六十四、苔しける 六十五、冬ごもり 六十六、やまかぜの 六十七、さながらや 六十八、けさみれば 六十九、おく山の 七十、かぞふれば ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その5(建暦元年~建暦2年)
後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記3 (甚之助蔵 『源家長日記』風間書房、昭和60年。『続史料大成21 伯家五代記』臨川書店、昭和42年。藤原長兼『増補史料大成31 三長記』臨川書房、昭和40年。藤原経房『史料大成22・23 吉記』内外書籍、昭和10年) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ...
【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その3~治承四五年記③(治承五・養和元年)~
引き続き、治承四五年記のうち治承五年について読んでいこうと思います。 目次 【凡例】 治承五・養和元年(1181)<定家20歳・従五位上侍従> ・式子内親王との邂逅(正月3日、九月二十七日条) ・高倉院、崩御(正月十四・二十日、閏二月三日条) ・平清盛、薨ず(閏二月四・五日条) ・姉の死(閏二月六・十二・二十四日、三月九日条) 参考文献 【凡例】 ・本文、訓読、意訳、注釈とコメントの順で記した。 ・底本には冷泉家時雨亭文庫叢書『翻刻 明月記』(全三巻)を用い ...
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【2021改訂版】ブログの更新サボってうつ病と闘ってきた
さて今から遡ること6,7年前、メインの方で『ブログの更新サボって鬱病と闘ってきた』(現在削除済み)という記事をアップした。 公開当時はまだまだ頭もボンヤリという感じで、実際その後一年半にわたって更新も休止。その間、なんだかんだ寛解した。 寛解後は再びいろんなことにチャレンジしてみたくなったりで、結果目まぐるしい毎日を送るなか、自分がうつ病だったこともそれに関する記事をアップしたことも忘れていた。 しかし先日、メインの方で『【 鬱病 】経験者が語る! うつ病になるとできないこと5選!【 症状 】』と ...
夏目漱石『こころ』の散歩道
「日本で一番売れている」本(2016年時点) cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア 夏目漱石『こころ』(新潮文庫版) 夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。 その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。 あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。 cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介 さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...
【今日もご安全に】ドラレコ買ったからつけてみた!
北海道はすっかり冬景色となりましたが、さて、だいぶん前から新しいドラレコをつけようつけようと思っていてなかなかできなかったのを、先日やっと取り付けましたという報告がてら、今回購入したドラレコのレビューなんぞ書こうかという次第。 今回購入したのはこちらのドラレコ。 Amazon Tapewo【最新版】 4.3インチタミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ ミラータイプでバックカメラ付き、画質はフルHD1080P。 内容物はこんな感じ。 ・本体 ・バックカメラ ・ ...
銀座の老舗バー『ルパン』で呑む
日本屈指の繁華街、東京・銀座。 和光の時計台は海外の旅行者からも人気のスポットですが、そこからほど近いところにあるのが老舗バー『ルパン』。 創業は昭和3(1928)年。開店時には当時近くにあった文藝春秋社の面々からの支援があり、以来文壇バーとして知られています。 注:本記事にはお酒にまつわる記述がありますが、飲酒を勧めるものではありません。 また、未成年の飲酒は法律で禁止されています。 成人であっても節度とマナーを守って過度な飲酒は控えましょう。 飲酒運転は絶対やめましょう。 猪 ...
オッサンだから今話題の『DEOCO』使ってみましたレポw
※個人的な感想です。効果には個人差があります(多分)。 どうも、基本的に口と腋と足が臭く“哀しい臭い”と書いて男の『哀臭(あいしゅう)』を漂わせている甚之助です。見事にオッサンです。 さて、昨今巷のオッサンたちの間では ●リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた (わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる) ●デオコで女の子の匂いを感じるためには女の子との思い出が必要という問題 (本しゃぶり) これらの記事を皮 ...
【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考
目次 ・「KB4」のココに注目! ・「KB4」今昔物語 ・私的使用法 大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。 件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...
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