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2020/4/29

【読書感想】幡野広志『なんで僕に聞くんだろう。』

  なんで僕に聞くんだろう。 幡野広志 出版社:幻冬舎 発売日:2020/02/06 聞いてくれる誰かがいる。ただそのことだけで救われることの大きさ。  WEBメディア「cakes」紙上で連載されている写真家・幡野広志さんへの人生相談。  私も羅列記事の方でよく紹介しているが、寄せられる相談の多くが、タイトルの「なんで僕に聞くんだろう」通り、どうしてわざわざそんな相談を幡野さんに投げかけるのだろうかと疑問に感じるものばかりだ。  「そんなもの自分で考えろよ」とつい言いたくなる相談事でも、当の本人にとっては ...

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2019/11/23

【読書感想】角幡唯介『極夜行』

  極夜行 角幡唯介 出版社:文藝春秋 発売日:2018/02/09 人間の作り上げてきた文明の外に出る。そして真の闇の中を彷徨い、本物の太陽と出会うための旅の記録  北極圏において一日中太陽が沈まない「白夜」は、その奇異さからテレビ番組などでも特集されることも多いが、その正反対に一日中太陽が昇らない「極夜」があることを知る人はどのくらいいるだろうか?  日本で四季が起こる理由と同様、理屈で考えてみたら当然のことなのだが、言ってしまえば闇夜が来る日も来る日も続くという環境がテレビ的に映える訳でもないので、 ...

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2018/7/25

【読書感想】吉田洋一『零の発見』(岩波新書)

 まともな記事の一発目はやはり書評かなと思い、そうします。  で、やっぱりその一冊目に選ぶならこれにしようかと思います。 吉田洋一『零の発見』岩波新書    言わずと知れた岩波新書屈指の名著。    本書は表題ともなっている“零(0)の発見”と“直線を切る-連続の問題-”という数学の分野において根底をなす二点に対し、単に数学的な意味合いを解説するにとどまらず、その起源や変遷、または革命的な邂逅などの歴史的な軌跡をなぞるものだ。  初版は1939年だが、21世紀と称して久しい今日においても内容は極めて新鮮の ...

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2026/6/30

【読書感想】千田稔『カラー版 古代飛鳥を歩く』

  カラー版 古代飛鳥を歩く 千田稔 出版社:中央公論新社(中公新書2371) 発売日:2016/04/19 日本王朝黎明期を歩く  今月、世界遺産登録勧告を受け、登録がほぼ確実となった奈良県の飛鳥および藤原宮都。その一報を受けて再読した本書だが、件の地に生まれ育った著者が贈る大人のための飛鳥旅行ハンドブックである。  王朝黎明期、飛鳥という限られた空間の中でさまざまにめぐらされた政治ドラマを、人物と遺跡を鍵に追体験する。ページを繰れば、『古事記』『日本書紀』といった神話の世界と現世のかの土地が時を超えて ...

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2019/6/7

【読書感想】『ラ・ロシュフコー箴言集』(岩波文庫 ほか)

  ラ・ロシュフコー箴言集【岩波文庫 赤510-1】 ●新訳 ラ・ロシュフコー 賢者の言葉 世界一辛辣で毒気のある人生訓 ●運と気まぐれに支配される人たち―ラ・ロシュフコー箴言集 (角川文庫) ●箴言集 (講談社学術文庫)      ロシュフコー(François VI, duc de La Rochefoucauld, 1613~1680)は17世紀フランスの上級貴族にしてモラリスト文学者。  当時のフランス貴族はさまざまな戦いに参戦しており、彼もまたその中の一人だった。  後年、ロシュフコーがそれまで ...

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2023/3/9

【読書感想】堀越英美『エモい古語辞典』

  エモい古語辞典 堀越英美 著 / 海島千本 イラスト 出版社:朝日出版社 発売日:2022/07/07 気軽に開ける古語への扉  タイトルから推して量るべし、という内容の本。頭ごなしに喝破してしまえば、本書は「古語辞典」とは名ばかりでほぼその役割を果たしていない。辞典というより最早「読み物」という認識で手に取るべき一冊になっている。  そもそも「エモい」という言葉に若干のひっかかりを覚える人も多いだろう。最近やっと世間一般に広まった感じはあるものの、いまだ手放しに受け入れられない意見もママ耳にする。こ ...

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インド哲学仏教学 感想・レビュー

2024/3/24

【読書感想】ヴィヤーサ著・石原美里訳『邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻』

  邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 created by Rinker Amazon 楽天市場  邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 ヴィヤーサ 著 / 石原美里 訳 出版社:パブファンセルフ 発売日:2024/01/29 愛する者を失った悲しみと屈辱  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。そのうち『マハーバーラタ』(以下MBh)の第11巻「Strī-Parvan」の日本語訳注本。  MBhの日本語完訳は未だなされていない。故上村勝彦博士による翻訳は、急逝のため第8巻途中までにとどま ...

インド哲学仏教学

2020/5/21

『般若心経』をサンスクリット原典で読む!

 多分日本で一番有名な仏教経典である『般若心経』は、正式には『般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、今から1600年以前、サンスクリット語で書かれた『Prajñāpāramitā-hṛdaya-sūtram』を漢訳したものだ。  そもそも『般若心経』は、仏になるために菩薩が行う修行・知恵(般若波羅蜜・般若波羅蜜多)を説く『般若経』という経典群の中のひとつで、大乗仏教の根本思想である"空"の思想を簡潔にまとめている。そのため、漢訳されたものもその短い文言の中で大乗仏教の根幹が説かれているとされ、多くの宗派で今なお用い ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)

       4回目は第1章31~39節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava /  na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca /  kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)

 さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。  今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト   ①dhṛtarāṣṭra uvāca /  dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ /  māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca /  dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について

【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。   前説  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。  かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)

       6回目は第2章1~11節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①sañjaya uvāca /  taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam /  viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca /  kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...

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後鳥羽院project

2021/12/8

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その6(建保元年~建保6年)

     後鳥羽院像に迫るための資料  (甚之助蔵 『宸記集』藝林社、昭和49年。田邑二枝『海士町史』海士町役場、昭和49年)   ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏   ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻)   ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻)   ・その3 元久2年~建永元年(第1巻)   ・その4 承元元年~承元2年(第2巻)   ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻)   ・その6 建保元年~建保6年(第2巻)   ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻 ...

後鳥羽院project

2019/8/15

【佐渡の秘境!!】順徳院崩御の地・堂所御所跡へ【佐渡の入江の順徳院 後編】

 Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor].  Click here for the part1  前編はこちら   ↓↓↓↓  佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~      パパ・後鳥羽院譲りの文武両道の逸材      目次  前説  堂所御所跡へ ...

後鳥羽院project

2023/1/30

後鳥羽院『遠島御百首』私見その6~雑 三十首(下)~

(綱掛の松 隠岐・海士町 2018年08月甚之助撮影)     ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       雑三十首(下) 目次  八十六、日にそひて  八十七、何となく  八十八、人ごゝろ  八十九、みほのうらの  九十、たとふべき  九十一、はれやらぬ  九十二、うしとだに  九十三、ことづてむ  九十四、とにかくに  九十五、ふるさとの  九十六、おもふ人  九十七、われこそは ...

後鳥羽院project

2022/2/4

藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その1(治承4年~建仁元年)

     (甚之助蔵 藤原定家『明月記』全3巻、国書刊行会、明治44年刊)    さて、フィールドワーク編も終わったということで、これからは例の後鳥羽院単推しのママとの共同研究(←大袈裟w)をちょいちょい記事にしていってみようと思います。  まずその最初に、生前の後鳥羽院の姿を知る上で貴重な史料となる歌人・藤原定家の日記『明月記』に描かれている院像を見ていきます。  今回は"その1"として後鳥羽院の名前が出ている『明月記』の記事の年月日をピックアップし、その時期に院と定家はどのような関係性・交流があったか ...

後鳥羽院project

2022/12/22

後鳥羽院『遠島御百首』私見その2~夏 十五首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       夏十五首 目次  二十一、けふとてや  二十二、ふるさとを  二十三、たをやめの  二十四、暮かゝる  二十五、あやめふく  二十六、いまはとて  二十七、五月雨に  二十八、さみだれに  二十九、難波江や  三十、あはれにも  三十一、ゆふだちの  三十二、夕すゞみ  三十三、したくゆる  三十四、くれたけの  三十五、見るか ...

後鳥羽院project

2023/8/23

【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その2~治承四五年記②(治承四年六月~十二月)~

     今回は前回に引き続き、治承四五年記のうち治承四年六月~十二月を読んでいこうと思います。     目次 【凡例】   治承四年(一一八〇)<定家十九歳・従五位上侍従> ・遷都、決定!!(六月一日条) ・藤原定家という人(七月十五日、九月十五日、十月二十二日条) ・俊成一家でパンデミック(七月十七日~二十五日条) ・平清盛、激怒!(十一月七日条) ・姉、健御前のこと(十一月八日条) ・帝、福原より還る(十一月二十五・二十六日条) ・定家卿、叱られる(十二月二十四日条)    参考文献       【 ...

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レポート

2018/8/11

歌人・鳥居さんに会ってきた~三浦綾子記念文学館講演会レポ~

   6月13日、北海道旭川市在の三浦綾子記念文学館において、開館20周年を記念した特別講演会が開催された。  ゲストは"セーラー服の歌人"として注目されている歌人・鳥居氏だ。   キリンの子 鳥居歌集  2016年に本家・ネト見の方でも紹介した歌集『キリンの子』は現在までに累計2万部を売り上げている。また、彼女の壮絶な半生もまた注目されている理由のひとつに挙げられていると思うが、今回はそんな前提は一旦置いて、一読者として実際どのような人なのか気になっていたのでその講演会を聴きに行ってきましたというレポー ...

レポート

2021/2/26

【2021改訂版】ブログの更新サボってうつ病と闘ってきた

 さて今から遡ること6,7年前、メインの方で『ブログの更新サボって鬱病と闘ってきた』(現在削除済み)という記事をアップした。  公開当時はまだまだ頭もボンヤリという感じで、実際その後一年半にわたって更新も休止。その間、なんだかんだ寛解した。  寛解後は再びいろんなことにチャレンジしてみたくなったりで、結果目まぐるしい毎日を送るなか、自分がうつ病だったこともそれに関する記事をアップしたことも忘れていた。  しかし先日、メインの方で『【 鬱病 】経験者が語る! うつ病になるとできないこと5選!【 症状 】』と ...

レポート

2019/7/30

【探訪】上野『大統領』私的呑みかた論w

     Amazon  上野アンダーグラウンド     ※この記事は飲酒を薦めるものではありません。  未成年の飲酒は法律で禁じられています。  また飲酒運転は絶対にやめましょう。  お酒は程よく気持ちよく!        数年前、「遊んで学ぶお父さん」のUronpoiさんを誘って以来、氏をどっぷりハマらせてしまった感があって若干の責任を感じていたりするのですが、よくよく考えたら自分でレポを書いたことがないなと思い、ホント今更ながらの「大統領」レポ。  レポートと言っても、普段どんな風に大統領で呑んでい ...

レポート

2022/8/20

小型ジンバルカメラ『DJI Pocket2』導入してみた!

 ここでは正式に報告していませんでしたが、Youtube始めてました(笑)  cf,ゆーちゅーぶはじめました。 - jinnosuke-labo on Youtube  そこで今回撮影用機材として、VLOG等に特化したジンバルカメラ『DJI Pocket2』を購入したのでそのレビューなんかをササっと書いてみたいと思います。    このDJI Pocket2は、手軽に使えるポケットジンバルとして話題になった『DJI Osmo Pocket』の後継機になります。    Amazon  【国内正規品】 DJI ...

レポート

2020/6/26

【谷根千の終着駅】由緒正しい下町食堂『動坂食堂』で食す!

       ※2019年12月に訪問した折りの記事です!  さて以前、本家の方で谷根千の散歩レポートを書いた際、千駄木・団子坂のところで「近くの動坂下にある『動坂食堂』がオススメ」みたいなこともあわせて書きましたが、今回は"やっと"件の『動坂食堂』に再訪できたので、その時のレポートです。  cf,谷根千を歩く。    谷根千を歩く。【おまけ編】    Amazon  新版 谷根千ちいさなお店散歩    さてまず個人的な思い出なのですが、東京に住んでいた頃、ここ『動坂食堂』さんの近くに住んでいたこともあっ ...

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2020/5/1

【文豪ご用達w】老舗旅館『鳳明館』に泊まってきたときの話し【文京区本郷】

         ※2019年年末に宿泊しました。        Amazon  「谷根千」地図で時間旅行        コロナウイルスの問題で自粛の風吹き荒れる昨今ですが、今年三月、東京文京区にある老舗旅館・鳳明館からこのようなプランが発表されてのをご記憶されているでしょうか?  ●「先生、進んでますか?」進捗コールも完備。旅館「鳳明館」にて、大正・昭和の人気作家になった気分を味わえる「文豪缶詰プラン」 (かーずSP 2020年3月9日)  現在はテレワークにも対応したデイユースプラン「3密・心配ご無用 ...

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