【読書感想】『つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』
つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの ダナ・ボイド 著 野中モモ 訳 出版社;草思社 発売日:2014/10/09 若者にとっての"社会=公(パブリック)"とインターネットに対する親子間の認識のギャップ、その背景にあるもの。 少しラフな感じを受けるタイトル。そしてキャッチ―な表紙イラスト。 副題の「ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの」という言葉から分かる通り、本書はインターネット、その中でも特に若者によるSNS利用について、その背景にある問題や影響な ...
【読書感想】高野悦子『二十歳の原点』
高校の時、担任や教科担当ではなかったけれど比較的気の合う先生がいた。 ある日他愛もないことを話していた折になんの前触れもなく「君みたいな人の日記だから読んでみるといい」と言われた。同時にその前段となる『ノート』『序章』があることも教えてくれたが、当時最寄りの大型書店で手に入ったのは新潮文庫版の『二十歳の原点』のみだった。他の2冊は絶版の状態だった。 学生紛争がこの国で一番盛んだった頃、一人の女学生が自殺した。当時立命館大学に通っていた高野悦子、その人だ。彼女が一体何に悩み不安を抱えていたのか ...
【読書感想】八條忠基『呪術と科学の有職故実図鑑』
呪術と科学の有職故実図鑑 八條忠基 出版社:平凡社 発売日:2025/11/27 気軽に触れ合える有職故実の世界 古代日本において呪術とは科学そのものであったという視点から、日本の伝統的な生活様式や文化的背景を紐解く本書は、とにかく知識欲が満たされる一冊だといえる。学生時代、授業そっちのけで国語便覧や世界史・日本史の資料集に目を通していた経験のある人なら分かるであろう、あの感覚そのままで読める図鑑なのだ。 有職故実という言葉だけでどこかお堅いものを感じる人もいるかもしれない。確かに内容は学術的にき ...
【読書感想】精神科医Tomy『精神科医Tomyが教える 運を良くするたったひとつの正しい方法』
精神科医Tomyが教える 運を良くするたったひとつの正しい方法 精神科医Tomy 出版社:日本文芸社 発売日:2021/03/10 好運の正体 twitter上で30万人近いフォロワーを持つ精神科医のTomy先生。 ゲイバーのママのような口調と見た目はインパクトが大きい。 本書はそんなTomy先生が認知行動療法に基づく科学的見地から、運気を良くする方法を解いてくれている画期的な一冊。 結論、その方法とは「正しい考え」と「正しい行動」に集約される。目標に対して正しく考え行動することで、成功への道 ...
【読書感想】石井千湖『積ん読の本』
積ん読の本 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 積ん読の本 石井千湖 出版社:主婦と生活社 発売日:2024/10/01 「積読」という名の読書の形 読書家にとっての最大の悩み、積読。本書の帯には「この山を見よ」の文字。ああ、まさしく読書家にとって積読とは山そのものであり、前人未到ならぬ本人未読の名峰である。 12名の著名人の書斎を取材しその読書体験と積読の山を開陳した本書は、読書家の読書家たる所以を解き明かしてくれる。そこには罪悪感など微塵もない、積 ...
【読書感想】和田秀樹『「感情の老化」を防ぐ本』
「感情の老化」を防ぐ本 和田秀樹 出版社:朝日新聞出版 発売日:2019/03/13 老いに抗うエトセトラ 生まれ落ちた生き物にとって"死"とは避けられない運命だ。 その運命に至るための過程の道程は、成長と衰退という美しい曲線を描いている。 本書ではその"衰退"、つまり「老い」の問題を「感情の老化」を切り口にいかに予防し、そして人生をより若々しく生きていくために必要なノウハウが示されている。 ネタバレになってしまうが、結論「積極的に年甲斐もないことをしよう」という一言に尽きる。 年齢を重ねれ ...
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インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について
【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。 前説 インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。 かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...
【読書感想】ヴィヤーサ著・石原美里訳『邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻』
邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 created by Rinker Amazon 楽天市場 邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 ヴィヤーサ 著 / 石原美里 訳 出版社:パブファンセルフ 発売日:2024/01/29 愛する者を失った悲しみと屈辱 インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。そのうち『マハーバーラタ』(以下MBh)の第11巻「Strī-Parvan」の日本語訳注本。 MBhの日本語完訳は未だなされていない。故上村勝彦博士による翻訳は、急逝のため第8巻途中までにとどま ...
『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)
さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。 今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト ①dhṛtarāṣṭra uvāca / dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ / māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca / dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)
4回目は第1章31~39節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava / na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca / kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)
2回目は第1章12~19節をば。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①tasya saṃjanayanharṣaṃ kuruvṛddhaḥ pitāmahāḥ / siṃhanādaṃ vinadyoccaiḥ śańkhaṃ dadhmau pratāpavān // 12 // ②tataḥ śankhaśca bheryaśca paṇavānakagomukhāḥ / sahasaivābhyahanyanta ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その3(Ⅰ・20~30)
3回目は第1章20~30節。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①atha vyavasthitāndṛṣṭvā dhārtarāṣṭrānkapidhvajaḥ / pravṛtte śastrasaṃpāte dhanurudyamya pāṇḍavaḥ // 20 // hṛṣīkeśaṃ tadā vākyamidamāha mahipate / senayorubhayormadhye rath ...
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藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻)
後鳥羽院像に迫るための資料 (甚之助蔵 『大日本史料』第4輯、東京大学史料編纂所、昭和43年) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤原定家 ...
【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~後編~
前回のあらすじ コロナ禍を経て念願の隠岐再訪を目指したワタクシ甚之助は、酷暑の中を必死の思いで隠岐・海士町に降り立った。 そして遂に、前回目の当たりにすることのできなかった後鳥羽院「お腰掛けの石」と対面する。 次いで、SNS上では長らく付き合いのある通称・元大賞さんと邂逅し、ふたたび隠岐神社・御在所&火葬塚跡へと足を踏み入れた。そこで目にしたものは「ひと夏の幻」だった……。 目次 ・पुनर्मिलाम ओकि・・・ ・キーポイント美保関 ・それからのこと 出雲国風土記 (講談社 ...
崇徳院と土御門院を巡る四国~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその4 最終回~
保元の乱の首謀者として讃岐に流された崇徳院。そしてその曾姪孫(甥の孫)にあたり、承久の乱で流された父・後鳥羽院、弟・順徳院の身の上を憂い、自ら懇願し阿波に流された土御門院。この二人を追ったレポート。 Field work on SUTOKU Tenno & TSUCHIMIKADO Tenno. SUTOKU Tenno[1,Jul,1119~14,Sep,1164(28,May,Genei2~26,Aug,Chokan2):75nd emperor(reigning:1123~1142)and R ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その4~冬 十五首~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 冬十五首 目次 五十六、見し世にも 五十七、冬くれば 五十八、しもがれの 五十九、かみな月 六十、をのづから 六十一、こぞよりは 六十二、そめのこし 六十三、たつた山 六十四、苔しける 六十五、冬ごもり 六十六、やまかぜの 六十七、さながらや 六十八、けさみれば 六十九、おく山の 七十、かぞふれば ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その3~秋 ニ十首~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 秋ニ十首 目次 三十六、かたしきの 三十七、よのつねの 三十八、秋されば 三十九、おもひやれ 四十、咲かゝる 四十一、ふるさとを 四十二、いかにせむ 四十三、なきまさる 四十四、いたづらに 四十五、おもひやれ 四十六、ふるさとの 四十七、野をそむる 四十八、あはれなる 四十九、はれよかし 五十、岡の ...
【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その3~治承四五年記③(治承五・養和元年)~
引き続き、治承四五年記のうち治承五年について読んでいこうと思います。 目次 【凡例】 治承五・養和元年(1181)<定家20歳・従五位上侍従> ・式子内親王との邂逅(正月3日、九月二十七日条) ・高倉院、崩御(正月十四・二十日、閏二月三日条) ・平清盛、薨ず(閏二月四・五日条) ・姉の死(閏二月六・十二・二十四日、三月九日条) 参考文献 【凡例】 ・本文、訓読、意訳、注釈とコメントの順で記した。 ・底本には冷泉家時雨亭文庫叢書『翻刻 明月記』(全三巻)を用い ...
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【浪人時代の思い出】アリミツ君とマコちゃんのこと。
受験シーズンも終わりに近づき、高校・大学はじめ、いろんなところで合格発表の知らせを耳にする季節となった。 毎年この時期になると、必ず浪人していた頃のことを思い出す。 私は某大手予備校で一年間浪人生活を送り、その間は予備校付属の寮で生活していた。 花の都・TOKYOに出てきたはずが、そこはなぜか木々の緑豊かで動物の鳴き声響くところだった。 人生初の満員電車。 都心ド真ん中にある予備校校舎へ通う日々。 起きてる時は(当然)勉強漬けだったが、ときどき破目を外して寮の仲間たちと長時間語り合ってい ...
オッサンだから今話題の『DEOCO』使ってみましたレポw
※個人的な感想です。効果には個人差があります(多分)。 どうも、基本的に口と腋と足が臭く“哀しい臭い”と書いて男の『哀臭(あいしゅう)』を漂わせている甚之助です。見事にオッサンです。 さて、昨今巷のオッサンたちの間では ●リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた (わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる) ●デオコで女の子の匂いを感じるためには女の子との思い出が必要という問題 (本しゃぶり) これらの記事を皮 ...
湖に沈む「幻の橋」タウシュベツ川橋梁を行く!
※本記事の内容は2024年08月時点のものです。 北海道上士幌町。 大雪山東南麓に位置するこの街には、「幻の橋」と呼ばれる橋がある。正式名称・タウシュベツ川橋梁は、知る人ぞ知る北海道屈指の秘境だ(「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として北海道遺産や近代化産業遺産に認定されている。なお)。 これは2024年08月にタウシュベツ川橋梁を訪れた時のレポートです(なお見学方法はこちらから)。 300ピース ジグソーパズル KAGAYA 幻の銀河橋(北海道)-天の川とタウシュベツ川橋梁- ...
佐渡島をブラっと散歩してきましたレポ~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2 おまけ編~
今回は本当におまけ編w サムネ画像は、佐渡汽船の看板娘・カーフェリー三人娘の(左から)「あかねちゃん」「ときわちゃん」「おけさちゃん」。 それぞれ佐渡汽船のフェリーがモチーフ。ちなみに「おけさちゃん」が長女。「あかねちゃん」が末っ子とのこと。めんこいwww Amazon 10 地球の歩き方JAPAN 島旅 佐渡 ブラタモリ 9 平泉 新潟 佐渡 広島 宮島 さて、【佐渡の入江の順徳院 後編】で『堂所御所跡』へ行ってきた後で、フェリーまでに相当な時間があったので「さてママ、どーし ...
【とはずがたり】「『明月記』の後鳥羽院」よもやま話
調査・研究に用いているノート。 「藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿」調査中の机の上w 目次 ・きっかけ ・隠岐、集中豪雨 ・愛憎半ば、悲喜交々 その1 ・愛憎半ば、悲喜交々 その2 ・ママ、クルマにはねられる ・『吉記』のこと ・青天の霹靂 ・ママ、怒る! ・老いたる定家と後鳥羽院 ・拝啓、藤原定家さま Amazon 夢のなかぞら―父 藤原定家と後鳥羽院 ・きっかけ 「まあ、またなんとも面白そうなことを……」 2021年春、私は ...
【溢れ出る昭和感】新宿の老舗食堂・長野屋で定食を食べる。
さて昨年末に上京していた折、久々に行ってみたのでサクッとレポートです。都内住のころ新宿界隈で用事があるとき、食事時なり小腹が空いたときなどにちょいちょい食べにきていたお店。 あのころangle 街と地図の大特集1979新宿・池袋・吉祥寺・中央線沿線編 Kindle版 風景は記憶の順にできていく 新宿駅東南口を出てすぐ。様々な飲食店がひしめく新宿の街のなかでひときわ異彩を放っているのがここ「長野屋」。 この建物に見覚えのある方も多いはず。 こちらの長野屋さんはその外観からもわ ...
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