jinnosuke

『ねと見!』の管理人です。
昭和の終わりの方に北海道で生まれる。 専攻は哲学(インド哲学・仏教学)。 趣味は読書と散歩。愛読書は辞書。

キーワード
インド哲学仏教学/後鳥羽院と定家さん

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学術

2018/7/27

サンスクリット事始め その3~デーヴァナーガリー文字に触れる~

 今回はサンスクリット語学習の上では欠かせないデーヴァナーガリー文字について少々書いていこうと思います。  サンスクリット語のテキストは、通常論文や専門書に掲載される際にはローマ字表記(ローマナイズ)されていますが、実際の文献はほぼデーヴァナーガリーで書かれていますし、前回紹介した辞書などを引く際には読めないことにはどうしようもないという事態も生じるので、読めたことにこしたことはありません。  まずデーヴァナーガリーそのものですが、    こんな文字ですね。ちなみに甚之助(※通常ローマ字表記ではjinno ...

感想・レビュー

2018/7/27

【映画感想】『王立宇宙軍 オネアミスの翼』

 もはや知る人ぞ知る名作。そして個人的に一番好きなアニメ映画。  製作はガイナックス。音楽は坂本龍一が担当している。 DVD版 Blu-ray版  昭和62(1987)年に公開された本作は、王立宇宙軍士官の主人公が仲間たちとロケット打ち上げを目指すという単純明快なストーリーなのだが、まず目を引くのは今となっては豪華すぎるスタッフ陣であろうか?   監督・原案・脚本:山賀博之   助監督:赤井孝美、樋口真嗣、増尾昭一   キャラクターデザイン・作画監督:貞本義行   作画監督:庵野秀明、飯田史雄、森山雄治 ...

学術

2018/7/27

サンスクリット事始め その2~読本・辞書編~

 さて、前回に続きサンスクリット語について今回は読本と辞書を紹介していきたいと思いますが、前回同様現行出版されているものや絶版のものも含め、比較的オーソドックスと思われるものをご紹介したいと思います。 読本編 ◎辻直四郎 著『サンスクリット読本』(春秋社)    前回紹介のいわゆる辻文法とはうって変わって、こちらは語彙集や注釈が豊富で大変に良心的な本。  私の持っている初版第1刷では1冊でまとまっているが、その後のものでは3冊に分冊されている。  サンスクリット本文はローマナイズ(ナーガリー文字からローマ ...

学術

2018/7/27

サンスクリット事始め~サンスクリット語を学びたい人のための入門書~

 さて、プロフィール欄にも記載している通り私の学生時代の専攻はインド哲学・仏教学なのですが、それらを学ぶ際に多かれ少なかれ避けて通れないのがサンスクリット語(梵語)です。  仏教学専攻ならまだしも、殊インド学専攻となると必須です。私が学生の頃でも先輩諸氏からはよく「インド哲学・仏教学で研究していきたいなら、サンスクリット語・チベット語・パーリ語・中国語・ヒンディー語は必修で、最低でも英語・ドイツ語・フランス語で論文くらい読めないとね」などと半分冗談半分本気のハッパをかけられたものです(今は分かりませんが) ...

感想・レビュー

2018/7/25

【読書感想】高野悦子『二十歳の原点』

     高校の時、担任や教科担当ではなかったけれど比較的気の合う先生がいた。  ある日他愛もないことを話していた折になんの前触れもなく「君みたいな人の日記だから読んでみるといい」と言われた。同時にその前段となる『ノート』『序章』があることも教えてくれたが、当時最寄りの大型書店で手に入ったのは新潮文庫版の『二十歳の原点』のみだった。他の2冊は絶版の状態だった。  学生紛争がこの国で一番盛んだった頃、一人の女学生が自殺した。当時立命館大学に通っていた高野悦子、その人だ。彼女が一体何に悩み不安を抱えていたのか ...

感想・レビュー

2018/7/25

【読書感想】『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』(みすず書房)

   従来語られてきた言語学の枠から漏れる『ピダハン語』。数の概念、時間の概念、自己と他者との相関など、それらが存在しない未知の言語の発見とその軌跡を辿った本書は、ドキュメンタリー番組でも取り上げられたほどの衝撃を産んだ。と同時に現代言語学の雄・チョムスキーの逆鱗に触れたことでも有名だ。  著者はキリスト教の布教を目的に未開の地へと足を運び、その教えを広めてきた人物だ。結果から先に言うと、ピダハンと出会ったために彼は無神論者となる。  彼をそこに至らしたものとはなにか?  “神”という絶対にして唯一無二の ...

感想・レビュー

2018/7/25

【読書感想】堀田善衛『定家明月記私抄』(ちくま学芸文庫)

   堀田善衛といえば名著『インドで考えたこと』(岩波新書)などで有名な戦後を代表する小説・評論家の一人だが、彼が学生時代から飽くことなく焦がれてつつも、戦火やその他の事情で引き離される運命にあった歌人・藤原定家の日記『明月記』との奮闘を描いた一冊。  『明月記』は日本史などで学んだ人も多いと思うが、藤原定家が18歳の頃からその後およそ56年間にわたって書き継がれた日記で、平安末から鎌倉初期にかけての歌壇を研究する上で欠かすことのできない史料である。  私自身、定家は私淑する歌人の一人なのだが、彼の詠んだ ...

感想・レビュー

2018/7/25

【読書感想】吉田洋一『零の発見』(岩波新書)

 まともな記事の一発目はやはり書評かなと思い、そうします。  で、やっぱりその一冊目に選ぶならこれにしようかと思います。 吉田洋一『零の発見』岩波新書    言わずと知れた岩波新書屈指の名著。    本書は表題ともなっている“零(0)の発見”と“直線を切る-連続の問題-”という数学の分野において根底をなす二点に対し、単に数学的な意味合いを解説するにとどまらず、その起源や変遷、または革命的な邂逅などの歴史的な軌跡をなぞるものだ。  初版は1939年だが、21世紀と称して久しい今日においても内容は極めて新鮮の ...

雑記

2018/6/30

これからやろうとしていること

 最初にも書いてことだけれど、自分の趣味全開にする予定ではあるにせよある程度の方向性は必要かと思う。  ネト見の方でも散歩がてらに特定の地域を回ったり聖地巡礼的なことの報告もしたりしたけど、そういう記事と併せて書評・レビューなども書きたいと考えている(むしろそっちの方が多くなりそう)。  そこで一応の方向性というか大まかなカテゴリについて現在考えているのは   ●レポート……主に取材記事。   ●書評・レビュー……本の話しや商品紹介。   ●プロジェクト……大々的にやってみたいこと。   ●学術……文献講 ...