【読書感想】高村友也『僕はなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って』
僕はなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って (DOBOOKS) created by Rinker Amazon 楽天市場 僕はなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って 高村友也 同文館出版(DOBOOKS) 2015/12/01 現代版『森の生活』 本書は昨今流行りのミニマリスト的生活を推薦するものではない。またルンペンあるいは厭世的生活を薦めるものでもない。徹底的に著者自身の自我を内省している哲学書である。幼少期から現在に至るまでの著者の苦悩や不安、それら精神的 ...
【読書感想】枡野浩一『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』
毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集 created by Rinker 左右社 Amazon 楽天市場 毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集 枡野浩一 出版社:左右社 発売日:2022/09/29 不世出の現代歌人、その半生 令和の短歌ブームの火付け役である作者の全短歌集。 ベストセラーとなった俵万智『サラダ記念日』を筆頭に、現代短歌はもはや日本文学の一大ジャンルといっても過言ではないが、その現代歌壇にあって穂村弘氏な ...
【読書感想】田坂広志『すべては導かれている 逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟』
すべては導かれている 逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟 (PHP文庫) created by Rinker PHP研究所 Amazon 楽天市場 すべては導かれている 逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟 田坂広志 出版社:PHP研究所(PHP文庫) 発売日:2022/02/02 より良い人生を歩むための方程式 さまざまなシンクタンクやベンチャー企業育成でその実績を知られる著者の名が、一般人にも広く知られるきっかけとなった本書。その文庫版が出たので再読。 著者・田坂広志氏は博士号をもつ科学 ...
【読書感想】内田樹『街場の成熟論』
街場の成熟論 (文春e-book) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 街場の成熟論 内田樹 出版社:文藝春秋 発売日:2023/09/13 「まっとうな大人」良薬は口に苦し これまでさまざまな媒体に寄稿した短文をまとめたオムニバス。短いコラムの寄せ集めと表現した方が的確かも知れないが、ウクライナ戦争やジェンダー問題など、目下世間を騒がせている諸問題を大枠として、著者一流の持論が展開されている。それはまさしく冴えわたる「内田節」といったところだ。 本書 ...
【読書感想】RIKU『ほぼねこ』
ほぼねこ created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 ほぼねこ RIKU 出版社:辰巳出版 発売日:2023/12/20 それでもやっぱりネコはネコ 発売後すぐに重版が決定し話題となっている本書。ネコはネコでもネコ科動物というかネコ科猛獣の写真集。世間一般でいうところのネコは一匹も出てこないところがミソだ。動物園内の、檻越しではないからこそみられる愛らしくユーモラスな姿は、猛獣とはいえやはりネコそのもの。表情豊かでとても魅力的だ。 著者は動物園巡りが趣味だとい ...
【読書感想】裏モノJAPAN編集部『他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え』
他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え 裏モノJAPAN編集部編 出版社:鉄人社(鉄人文庫) 発売日:2023/10/26 若い頃の自分に言いたい親父の小言 「若かりし自分に教えてやりたい人生の真実」をコンセプトに、もし若い頃の自分にアドバイスするなら何を伝えるかという質問で集めた名言集。東京・上野や大阪・新世界などの飲み屋街にたむろする壮年~初老の"オッサン"200人か ...
【読書感想】鴨長明/信吉『漫画方丈記 日本最古の災害文学』
漫画方丈記 日本最古の災害文学 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 漫画方丈記 日本最古の災害文学 鴨長明 著 / 信吉 イラスト 出版社:文響社 発売日:2021/09/10 元祖ミニマリストの足るを知る潔さ 日本三大随筆に数えられる『方丈記』は、原稿用紙にしておよそ25枚程度の短文ながら日本最古の災害文学としても貴重な記録である。「ゆく河の慣れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という有名な書き出しで始まる冒頭部分を、国語の教科書などで読んだという ...
【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~後編~
前回のあらすじ コロナ禍を経て念願の隠岐再訪を目指したワタクシ甚之助は、酷暑の中を必死の思いで隠岐・海士町に降り立った。 そして遂に、前回目の当たりにすることのできなかった後鳥羽院「お腰掛けの石」と対面する。 次いで、SNS上では長らく付き合いのある通称・元大賞さんと邂逅し、ふたたび隠岐神社・御在所&火葬塚跡へと足を踏み入れた。そこで目にしたものは「ひと夏の幻」だった……。 目次 ・पुनर्मिलाम ओकि・・・ ・キーポイント美保関 ・それからのこと 出雲国風土記 (講談社 ...
【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』
ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...

