jinnosuke

『ねと見!』の管理人です。
昭和の終わりの方に北海道で生まれる。 専攻は哲学(インド哲学・仏教学)。 趣味は読書と散歩。愛読書は辞書。

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インド哲学仏教学/後鳥羽院と定家さん

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感想・レビュー

2020/8/27

【読書感想】宇野常寛『遅いインターネット』

  遅いインターネット 宇野常寛 出版社:幻冬舎 発売日:2020/02/19  瞬時に世界とつながれる社会の中で"考える"ことの重要性とその過程  科学の時代の幕が開いて数百年。特にここ数十年でもっとも普及したインターネットは、一体わたしたちの生活になにをもたらしたのか?  かつてのインターネットといえば、ダイアルアップ接続の音を聞きながら回線がつながるのをひたすら待ったりしたものだが、今やスマホを開けば、あるいはパソコンを立ち上げればすぐさま世界中のありとあらゆる情報に接することができる。極めて便利に ...

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2020/8/18

【読書感想】フレデリック・クレインス『オランダ商館長が見た 江戸の災害』

  オランダ商館長が見た 江戸の災害 フレデリック・クレインス 著 , 磯田道史 解説 出版社:講談社(講談社現代新書) 発売日:2019/12/11    オランダに眠っていた江戸時代の災害の記録。そこから見えてくる日本人の文化と気質  オランダ・ハーグ国立文書館に保管されていた膨大な量の日記。それは鎖国政策をとっていた江戸時代ほぼ全期にわたるもので、記したのは長崎・平戸の出島において日本と貿易を行っていた歴代のオランダ商館長だ。  この商館長の日記は、貿易を行っていたオランダ東インド会社への報告のほか ...

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2020/7/28

【読書感想】細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ『細野観光 1969-2019』

  『細野観光 1969-2019』細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ  細野晴臣デビュー50周年プロジェクト  出版社:朝日新聞出版 発売日:2019/10/07 音楽界のスーパーレジェンドのオモチャ箱は玉手箱であり宝箱  はっぴぃえんどやYMOなど、日本語ロックあるいは世界の音楽シーンを変えた斬新なテクノポップの生みの親である細野晴臣氏が、昨年デビュー50周年を迎えた。その記念展が同じく昨年秋、六本木で開催されたが、本書はその公式カタログになる。  世代を超え常に新鮮な音楽性を追及して ...

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2020/7/24

【読書感想】『三島由紀夫紀行文集』『スポーツ論集』

  三島由紀夫紀行文集 佐藤秀明 編 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発売日:2018/09/15     三島由紀夫スポーツ論集 佐藤秀明 編  出版社:岩波書店(岩波文庫) 発売日:2019/5/17   現代日本文学の巨星の目に映った世界の風景  戦後の日本文壇を代表する作家・三島由紀夫は、その小説や戯曲以外にもエッセイや紀行文などの文章も膨大に残している。  『紀行文集』には、20代のヨーロッパ周遊をはじめ、晩年近くまでの足繁く旅行した際に書かれた紀行文が、『スポーツ論集』には自身とも関わりの深いボ ...

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2020/7/22

【読書感想】『ジョン・ケージ著作選』

  ジョン・ケージ著作選 ジョン ケージ 著  小沼純一 編 出版社:筑摩書房(ちくま学芸文庫) 発売日:2009/05/11   音楽の作り方・聞き方までも変えた不世出の現代音楽家が紡ぐ"言葉"の思索    演奏家が一切楽器を鳴らさない『4分33秒』を作曲するなど、20世紀を代表する音楽家ジョン・ケージ。  彼は音楽家としての素顔のほかに、思想家・詩人、果てはキノコ研究家としての一面を持っていた。  それゆえに、彼は音楽界にとどまらず芸術分野全般に多大なる影響を残した。  そのジョン・ケージの"言葉によ ...

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2020/7/17

【読書感想】パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』

  コロナの時代の僕ら パオロ・ジョルダーノ 著  飯田亮介 訳 出版社:早川書房 発売日:2020/04/24   これから生きていくために必要な「選択」する意思    今年2月下旬から3月上旬のあいだ、新型コロナウイルスの急速な感染拡大の一路を辿っていたイタリアで、新進気鋭の作家によって紡がれたエッセイ集。  世界数十か国で緊急翻訳されるなど話題になっている本書。  収録されている27篇のエッセイはいずれもコンパクトで、かつ予備知識のない人でも容易く理解できるほど平易に書かれている。嵐の前の静けさとい ...

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2020/7/16

【読書感想】ヘンリー・ジェイ・プリスビロー『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』

  意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか ヘンリー・ジェイ・プリスビロー 著 小田嶋由美子 訳  勝間田敬弘 監修 出版社:みすず書房 発売日:2019/12/16 麻酔科医という謎多き医師の仕事とは? 現場から見えてくる人間模様  著者は長年にわたり何千件という全身麻酔を伴う手術に立ち会ってきたその道のスペシャリスト。しかも、麻酔を施す上でも技術と経験が必要とされる小児科専門の麻酔科医。  最近解明されたようだが、全身麻酔でなぜ人が意識を失うのかついてのメカニズムは科学的には長 ...

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2020/6/30

【読書感想】『iPS細胞の歩みと挑戦』京都大学iPS細胞研究所国際広報室

  iPS細胞の歩みと挑戦 京都大学iPS細胞研究所国際広報室 出版社:東京書籍 発売日:2020/05/20 iPS細胞から見える人類の未来像とその現在  2012年、iPS細胞開発の功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授。  その山中先生らが中心となり、2010年、iPS細胞研究に特化した研究所として「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)」が設立された。  iPS細胞研究のメッカとして世界にその研究成果を発信し、科学の発展に寄与することを目的としているこの研究所には、現在500名を超え ...

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2020/6/28

【読書感想】劉慈欣『三体』

  三体 劉 慈欣 / 大森 望,光吉さくら,ワンチャイ 訳 / 立原透耶 監修 出版社:早川書房 発売日:2019/07/04 次世代へつながるSF界の新巨星  中国での初版以降話題を呼び、英訳版の刊行、そしてSF界の最高賞ヒューゴー賞を受賞するに至った本作品。  日本語訳刊行以降は、各界の著名人からの絶賛を受け続けている。  文化大革命を背景に壮大に広がるストーリーは、圧倒的な想像力と底知れない知識量に裏打ちされて最早なんと称していいか分からないほどだ。  私自身、古今東西を問わずいろんな書籍を多読乱 ...