jinnosuke

『ねと見!』の管理人です。
昭和の終わりの方に北海道で生まれる。 専攻は哲学(インド哲学・仏教学)。 趣味は読書と散歩。愛読書は辞書。

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インド哲学仏教学/後鳥羽院と定家さん

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天体観測

2020/11/26

天体写真を撮りたいの!~アンドロメダ銀河を狙え!編~

   さて前回、あまりにも天体写真を撮りた過ぎて天体写真を撮りたいの!~機材導入&木星・土星撮影編~とほぼ勢いで木星・土星を狙ってみましたが、その後いろいろ幼少時のことをば思い出してみると……    「アンドロメダ銀河って、カッコイイよな~」    などと思っていたことに行き当たりました。        アンドロメダ銀河……。  我々の住む天の川銀河のすぐお隣にある言わば"ご近所さん"。近場故にその姿は捉えやすく、数多の天文ファンが数知れず撮影してきた天体のひとつでもある。  わたしの住むような片田舎の山 ...

感想・レビュー

2020/11/25

【読書感想】植木雅俊『サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳』

  サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳 植木雅俊 出版社:KADOKAWA(角川ソフィア文庫) 発売日:2018/07/24  壮大にして荘厳な大乗仏教の世界。そこに描かれているものとは?  日本でも天台宗や日蓮宗などで日々読誦される『法華経』。正式には『妙法蓮華経』と呼ばれるもので、代表的な大乗仏教経典のひとつである。  本書はその『法華経』のサンスクリット原典を現代語訳し、更に仏教経典に散見する重複部分を省いた縮約版。  著訳者である植木雅俊博士は理系出身の仏教学者で、ジャーナリストや作家としての ...

感想・レビュー

2020/11/25

【読書感想】日経コンピュータほか『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」』

  みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」 日経コンピュータ,山端宏実,岡部一詩,中田敦,大和田尚孝,谷島宣之 出版社:日経BP 発売日:2020/02/14    日本のIT業界における歴史的大プロジェクト。そこから見える組織論とシステム論。    1999年、旧第一勧業銀行・旧富士銀行・旧日本興業銀行の三行が経営統合を発表し、2002年の新銀行設立を目指した。  しかしその当初からさまざまなシステムトラブルに見舞われ、2011年の東日本大震災後の大規模なシス ...

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2020/11/24

【読書感想】アン・ドル―ヤン『COSMOS いくつもの世界』

  COSMOS コスモス いくつもの世界 アン・ドルーヤン 著 / 藤井留美 訳 出版社:日経ナショナルジオグラフィック社 発売日:2020/05/15  人類がこれまで歩んできた歴史から見える未来の形  1980年、世界中でベストセラーとなったカール・セーガン著『COSMOS』。  あれから40年の時を経て、氏の愛妻が続編として記したのが本書である。  正編と呼ぶべきカール・セーガンの『COSMOS』は、科学の力によって人類の未来、あるいは見果てぬ宇宙の深淵に迫ろうとする意欲作であった一方で、本書はど ...

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2020/11/20

【読書感想】岡本隆司『「中国」の形成 現代への展望』

  「中国」の形成 現代への展望 岡本隆司 出版社:岩波書店(岩波新書) 発売日:2020/07/18   超大国・中国が目指している未来、その背景にある歴史とは?  岩波新書『シリーズ 中国の歴史』の5巻目である本書は、「多元性と統一」というテーマのもと清代から現代中国までの変遷を辿る。  中央集権的な政治体制を維持した明朝から、因習而治による各地域での自治の安定を目指す体制へシフトした清朝。少数派であった満州族がいかに多数派の漢民族を統治したか、またそれがどれほど危ういバランスの上で成立していたかが詳 ...

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2020/10/31

【読書感想】読書猿『独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』

  独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 読書猿 出版社:ダイヤモンド社 発売日:2020/09/29    前代未聞!独学者の独学者による独学者のための独学百科事典  以前紹介した『これからのエリック・ホッファーのために』(2018年11月の本)は在野研究者としての心得と戦略を示してくれる好書であったが、本書はその前段階たる"独学"の方法について指南してくれる一冊。  発売前より大注目され、その後は品切れが続くなど話題を呼んでいることはあえて記さずとも瞭然だろう。  本書 ...

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2020/10/30

【読書感想】高水裕一『時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて』

  時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて 高水裕一 出版社:講談社(ブルーバックス) 発売日:2020/07/16  ミクロとマクロの量子論が織り成す"時間"にまつわる不思議な話し  今年9月に公開になった映画『TENET』は時間が逆戻りする世界を描いたSF映画だが、もし本当に時間が逆戻りするとしたらどうだろうか? あるいは時間が一方通行なのはなぜなのか? そもそも時間とはなんなのか?  そんな興味の尽きることのない"時間"にまつわる最新研究を、「時間が逆戻りしたらこんなに面白いことが起 ...

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2020/10/17

【読書感想】ジョシュア・ハマー『アルカイダから古文書を守った図書館員』

  アルカイダから古文書を守った図書館員 ジョシュア・ハマー 著 , 梶山あゆみ 訳 出版社:紀伊国屋書店 発売日:2017/06/15  文明と暴力。それぞれの正義がせめぎ合う中、過去と未来がつながった軌跡  西アフリカ・マリ共和国。  かつて中近世アフリカの一大学術都市として繁栄したトンブクトゥは、現在でも近隣諸国を含めたイスラム文化や歴史の知の集積地としての役割を果たしている。  本書の中心人物であるアブデル・カデル・ハイダラは、国立の学術研究機関アフマド・ババ研究所に勤務しながらその最前線で活躍し ...

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2020/10/15

【読書感想】川端裕人『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』

  我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち 川端裕人 著 , 海部陽介 監修 出版社:講談社(ブルーバックス) 発売日:2017/12/12   人類が現れる前、アジアには誰がいたのか? そしていつ来たのか?    2003年インドネシアでのフローレス原人発見は、成人でも身長1mほどしかない新種の小型原人が存在したとして人類史を書き換えるほどのセンセーショナルなものだった。  またこれまで知られてきた北京原人やジャワ原人以外にも、複数種の人類が同時期のアジアにいたことも分かってきた。 ...