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jinnosuke
『ねと見!』の管理人です。
昭和の終わりの方に北海道で生まれる。
専攻は哲学(インド哲学・仏教学)。
趣味は読書と散歩。愛読書は辞書。
キーワード
インド哲学仏教学/後鳥羽院と定家さん
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『ねと見!』管理人の雑記帳
紫の火花 岡潔 出版社:朝日新聞出版(朝日文庫) 発売日:2020/03/06 稀代の天才数学者が語る知性の本質 不世出の数学者・岡潔の名著『春宵十話』に続く随筆集。 著者による警世の文章の中でも最高傑作と称されるもので、『春宵十話』が本編とするなら本書は理論編ともいうべき内容となっている。昨年、56年ぶりの復刊を果たした。 「情緒」「独創」「教育」というキーワードをもとに、著者は様々な視点から人と教育、そして知性そのものの在り方を捉えていた。 本書では数学的演繹の視点と自我本能の情緒的観点か ...
2040年の未来予測 成毛眞 出版社:日経BP 発売日:2021/01/08 将来、世界を待ち受ける悲劇の様相 これから向こう20年間で世の中はどう変化していくのか? 著者は元マイクロソフト日本法人の社長である。その経歴からテクノロジーの側面より将来的な展望を語るのかと思いきや、日本をはじめとした先進国の暗澹たる未来への予測が連綿と記されている。年金、インフラ、住宅、医療、デバイス、食料など、広範な視点から大局的な未来予想図が考察されており、その実現可能性や時間軸についてイメージしやすい。 し ...
しらふで生きる 大酒飲みの決断 町田康 出版社:幻冬舎(幻冬舎文庫) 発売日:2019/11/06 (元)酒豪の断酒哲学 大伴旅人を理想とし30年間一日も休まずに酒を飲み続けてきた小説家・町田康。 そんな彼が、ある日突然「酒を辞めよう」という思考が降ってきたことで思い至った断酒。 そこからの自信の内面的葛藤を赤裸々に綴った本書は、エッセイとも小説とも、はたまた"断酒"哲学書とも読める。 まず著者は、酒飲みにとって断酒は"狂気"そのものであるという。 確かに酒飲みにとって飲酒する習慣が正常なの ...
文豪たちの友情 石井千湖 出版社:新潮社(新潮文庫) 発売日:2021/08/30 面白いけど時には泣ける、文豪たちの交友録 日本近代文学を彩る数々の文豪たち。そんな彼らの交友関係を紹介してくれる本書は、名作として名高い彼らの作品に感じる難さを離れたあまりに人間臭い一面を伝えてくれる。 文豪に関して、そのエピソードやプライベートを語る書籍は今までも数多く出版されてきているが、"交友関係"という側面にフォーカスされたものはそう多くはない。ただ、本書もそう銘打っておきながら実際は個々の作家のエピソー ...
(甚之助蔵 藤原定家『明月記』全3巻、国書刊行会、明治44年刊) さて、フィールドワーク編も終わったということで、これからは例の後鳥羽院単推しのママとの共同研究(←大袈裟w)をちょいちょい記事にしていってみようと思います。 まずその最初に、生前の後鳥羽院の姿を知る上で貴重な史料となる歌人・藤原定家の日記『明月記』に描かれている院像を見ていきます。 今回は"その1"として後鳥羽院の名前が出ている『明月記』の記事の年月日をピックアップし、その時期に院と定家はどのような関係性・交流があったか ...
万葉集の起源-東アジアに息づく抒情の系譜 遠藤耕太郎 出版社:中央公論新社(中公新書) 発売日:2020/06/20 日本人のDNAにまで刻み込まれた"抒情"の源 日本最古の歌集『万葉集』。 本書はそこへ掲載された和歌に流れる抒情の系譜の起源を東アジア一帯の少数民族に今なお伝わる"歌垣"に求めるべく、フィールドワークを通じて実証していく意欲作だ。 中尾佐助らが提唱した"照葉樹林文化圏"。それは広義的には漢字を用いて自文化を表現する地域とも言い換えられる。 著者は自身の専門領域である中国・雲 ...
仕事が速い人は、「これ」しかやらない ラクして速く成果を出す「7つの原則」 石川和男 出版社:PHP研究所 発売日:2020/03/11 無駄なことなんてしている暇はない! 1日24時間。これは地球上の全人類に共通して与えられた猶予である。 「時短」など叫ばれて久しいが、忙しい現代人にとってそれはどこまで効果を示すものか? また巷には「時間術」「仕事術」と銘打った書籍も多く刊行されているが、果たしてどれだけの読者が実践できているだろう? 本書は世間的に周知されている「時間術」や「仕事術」をいか ...
「食べない」ひとはなぜ若い? 空腹でオン!「長寿遺伝子」の驚異 船瀬俊介 出版社:ヒカルランド 発売日;2018/02/06 食べる量を減らすこと、「抗齢学」の奇跡を謳う 「大食短命」という言葉がある。文字通り「大食いの人は短命である」という意味だが、果せるかな我々が子どもの頃から言って聞かされてきたことと若干矛盾する風でもある。 「三食しっかりよく食べ栄養をつけて……」という文言も今は昔で、2016年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅教授の研究テーマである「オートファジー(細胞自食作用)」、あ ...
そのオリーブオイルは偽物です: 値段が高くても本物はごくわずか 多田俊哉 出版社:小学館 発売日:2016/05/27 オリーブオイルにみる食品流通の闇 健康食品として以前より注目を集めている"オリーブオイル"。 店頭で"エキストラバージン"といった表示を目にしている人も多いだろう。 私自身、味的な側面からもオリーブオイルは好んでサラダなんかにかけたりするが、本書で語られるオリーブオイルの正体を知ると正直ゾッとしてしまう。 文字通り、オリーブオイルはオリーブの果実から抽出された植物油である。酸 ...