【読書感想】堀元見『教養(インテリ)悪口本』

 
 教養(インテリ)悪口本
 堀元見
 出版社:光文社
 発売日:2021/12/21

世界一オシャレな罵倒の言葉

 ときどき本家の方でも紹介しているゆる言語学ラジオのプロデューサー兼出演者の堀元さんの著作。「うんちくオジサン」の自称に恥じぬ教養の高さを動画内でも存分に発揮してくれていますが、本書ではそれに輪をかけて、言われた瞬間ハトが豆鉄砲を食ったような表情になること請け合いの底意地悪い(←褒め言葉)罵詈雑言が並んでいる。
 「相手を罵倒するにも知性でオシャレにやってやろうぜ!」と、いつもの口調で言っているかのような書き口には、著者持ち前の人間性が顕わとなっている。noteはじめ、ネット中心に他人を罵倒し続けている著者だからこそ書き得たことか? 落合陽一氏とのバトルも話題となって久しいが、そこには著者一流の他者への悪感情を”直接的”に吐露する姿勢が窺える。
 様々なジャンルから選りすぐりのボキャブラリーをスタックで管理しているその博覧強記ぶりには驚かされるが、またその選出も秀逸。更に各凡例で示されている状況も、これまたかなりのあるあるだったりするところ、相当な準備をした上で執筆したのだろう。
 なにより、『ゆる言語学ラジオ』の動画内で語った蘊蓄を使いまわししていないことに、本書にかける著者の意気込みが感じられる。そこまで他人を罵倒したいのかと……。

 日々の生活の中でさまざまなストレスを抱える現代人にとって、そのはけ口は必要不可欠となっている。だがそのストレスを発散しつつ知識のリコールに役立たせるという意味で、本書は実に知的好奇心をくすぐらせてくれる。
 私自身、皮肉やブラックジョークを考えたりするのは大好きだ。そこに知的要素が加わるならば、更にワクワクした気分になってくる。もっともそれを口に出したりはしないが……。
 
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 文豪たちの悪口本
 

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