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【読書感想】高橋幸宏『犬の生活/ヒトデの休日』

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河出書房新社
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 犬の生活/ヒトデの休日
 高橋幸宏
 出版社:河出書房新社(河出文庫)
 発売日:2024/07/08

高橋ユキヒロという生き方

 著者・高橋幸宏さん(以下、幸宏さん)といえば、サディスティック・ミカ・バンドやYMOのドラマーとして、またファッションデザイナーとしても活躍されたことはあまりにも有名だ。本書は、80年代~90年代初頭にかけて刊行された幸宏さんの名エッセイ2冊の合本文庫版。
 各エッセイは10ページにも満たない小品だが、幸宏さんのありのままの姿が垣間見えるようだ。テーマも時系列もバラバラだが、洒脱で粋で、でも気障たらしくない自然体の幸宏さん、その生き様そのもののようなエピソードが並ぶ。いかに周囲から愛され、それでいて繊細極まりない人だったのか、亡くなってしまった今、もうその人柄に触れることができないのが残念でならない。
 写真は表紙と巻頭に2枚あるだけで、資料もなにも付されていない。だからこそ、文面から滲み出てくる人柄を十分に感じられるのだろう。
 特にYMO結成の礎となった細野晴臣さんとの出会いのエピソードは、貴重である以上に晩年まで続いた関係性のそれが窺えてファン垂涎である。そのためだろうか、巻末の細野さんによる解説には落涙を禁じ得ない。
 そういえばトッド・ラングレンと朝まで呑んだというエピソードが出てくるが、そんなことをやってのけるミュージシャンは今の日本にいるだろうか・・・?

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