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【読書感想】R.P.ファインマン『困ります、ファインマンさん』

2026年04月24日

 
 困ります、ファインマンさん
 R.P.ファインマン 著 / 大貫昌子 訳
 出版社:岩波書店(岩波現代文庫 社会 29)
 発売日:2001/01/16

他の人が考えていることなんて気にしてられない

 昨年、原著刊行40周年を記念し新装版が出た『ご冗談でしょう、ファインマンさん』。同書の続きとしてファインマンの回想をもとに執筆されたのが本書である。先日、ひょんなことから前作と併せて再読した。
 ノーベル物理学賞受賞者であるファインマンの経歴を知る人も多いと思うのでwikipedeiaなどに譲るが、その生涯においてさまざまなユーモアあふれるエピソードの持ち主であることもまた多くの人が知るところだ。だが本書では前作では深く語られなかった部分、特に最初の妻であるアーリーンとの馴れ初めや駆け落ち同然の結婚生活とその終わりが子細に語られている。
 なにより本書の大半を占めるNASA・チャレンジャー号爆発事故の調査委員として携わった際の回想は、当時の衝撃的な出来事であることと相俟って、調査委員会内での悲喜交々を含めたファインマン自身の人柄を如実に感じ取ることができる。その当時、ファインマンはすでに脂肪肉腫という希少ガンに侵されていたが、そんなことを露とも感じさせない精力さには舌を巻く。更には若い頃と変わらず些細なことから顰蹙をかったり、年齢を感じさせないチャーミングさをも失っていないことには、「精神的な若さ」とはまさにこのことと思わず膝を打つ。
 なおこの調査委員会の報告書付録として提出されたファインマン独自の報告書は『ファインマンさんは超天才』で読むことができる。また同書を含めた続編に『聞かせてよ、ファインマンさん』『ファインマンさん最後の冒険』などもある。

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