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【読書感想】安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』

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 頭のいい人が話す前に考えていること
 安達裕哉
 出版社:ダイヤモンド社
 発売日:2023/04/19

 

「人に伝える」が難しいと感じたら読む本

 本家羅列記事でもたびたび記事紹介している「Books&Apps」を運営する『ティネクト株式会社』代表取締役・安達裕哉氏による本書。発売以来ベストセラーとなっていることは、各メディアで大々的に取り上げられているから知っている人も多いだろう。コンサルタントとして培ってきた著者の経験から導き出された「知的で丁寧なコミュニケーション」術、その真髄が詰め込まれていることが人気の理由だ。
 本書はコミュニケーションに関わる「7つの黄金法則」を解説する1部と、「5つの思考の深め方」を解説する2部とに大別されている。その実際の内容はというとネタバレになってしまうので実際に本書を当たって欲しいのだが、ポイントとして「頭の良さを決めるのは他者」という視点のもと、高いコミュニケーション能力とは他者の承認欲求を満たすことであり、また課題や問題の根源を探ることは、対象を深く考察することであり新しいアイディアのヒントとなるとまとめられるだろう。よく「相手の立場で物事を考える」という言葉を耳にするが、本書ではこの行動規範がなぜ重要で大切なのかがしっかりと明示されている。加えて、考えて話すことの意味と効果も明確に教示してくれる。また各項目で例として挙げられている会話も、著者の実体験をベースにしているのだろうか、具体的で分かりやすく且つ面白くて読み応えがある。ちなみにこの7つの法則と5つの深め方については、その内容を一目で確認できるまとめ表が巻頭に付されているので、そこだけ押さえても十分である。
 相手から学ぶ姿勢、その謙虚さを忘れないためにも、あるいは自分を律するためにも時折手に取りたくなる一冊だ。
 

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