jinnosuke

『ねと見!』の管理人です。
昭和の終わりの方に北海道で生まれる。 専攻は哲学(インド哲学・仏教学)。 趣味は読書と散歩。愛読書は辞書。

キーワード
インド哲学仏教学/後鳥羽院と定家さん

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感想・レビュー

2023/12/10

【読書感想】川崎賢子編『左川ちか詩集』

  左川ちか詩集 (岩波文庫 緑232-1) created by Rinker 岩波書店 ¥792 (2024/11/21 23:45:48時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 楽天市場  左川ちか詩集 川崎賢子 編 出版社:岩波書店(岩波文庫 緑232-1) 発売日:2023/09/15 現代詩、その起点  夭折のモダニズム詩人・左川ちかは、昭和11年(1936)24歳という若さで逝った。北海道で生まれ育ち、女学校卒業後上京し文学活動を開始した。発表される詩や翻訳はたちまち ...

感想・レビュー

2024/1/5

【読書感想】谷口弘子『藤原定家の妻』

  藤原定家の妻 谷口弘子 出版社:文藝春秋(文藝春秋企画出版) 発売日:2022/11/24   藤原定家の妻 (文藝春秋企画出版) created by Rinker ¥651 (2024/11/21 23:45:49時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 楽天市場 稀代の歌人とその妻の生活  文芸評論家・八橋一郎氏により創刊された同人誌『奇蹟』(1980~2020年)誌上で長年執筆していた作者の作品集。タイトルの「藤原定家の妻」はじめ、室町や江戸を舞台とした時の権力者たちの ...

感想・レビュー

2023/11/21

【読書感想】カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』

   タイタンの妖女 カート・ヴォネガット 著 / 浅倉久志 訳 / 和田誠 イラスト 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫SF) 発売日:2009/02/25 タイタンの妖女 created by Rinker ¥970 (2024/11/21 09:20:52時点 Amazon調べ-詳細) Kindle Amazon 楽天市場 名作古典SFからの現代への警鐘  古典SFの名作にして今なお支持されている本作。読書好きの人なら読んだことはなくともタイトルだけでも聞いたことはあるだろう。方々で ...

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2023/11/21

【読書感想】石母田正『平家物語 他六篇』

   平家物語 他六篇 石母田正 出版社:岩波書店(岩波文庫 青436-3)  発売日:2022/11/15 平家物語 他六篇 (岩波文庫 青436-3) created by Rinker 岩波書店 ¥990 (2024/11/21 15:23:48時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 楽天市場 日本文学史における『平家物語』  本書はもともと岩波新書で刊行されたものである。昭和32(1957)年の初版から、今では50刷を超える名著だ。本書はそこに関連掌編6篇を加えた新装版で ...

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2023/11/21

【読書感想】坂本龍一『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』

   ぼくはあと何回、満月を見るだろう 坂本龍一 出版社:新潮社 発売日:2023/06/21 ぼくはあと何回、満月を見るだろう created by Rinker 新潮社 ¥2,090 (2024/11/21 21:11:31時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 楽天市場 命が尽きるその時まで  今年3月、この世を去った音楽家・坂本龍一。ここで5月に紹介した自伝『音楽は自由にする』のその後をつづった氏の回想録。本書は終始その晩年の仕事の記録という感じを否めないが、そこには死の ...

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2023/10/26

【読書感想】森永卓郎『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』

  ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト 森永卓郎 出版社:フォレスト出版 発売日:2023/05/22 衰退途上国ニッポンの現状  経済アナリスト・森永卓郎先生による本書。どうして増税は繰り返されるのか、国はなにを目的とし財務省はなにを目指しているのか、膨大なデータと平易で的確な解説で日本経済の実態を暴露している。出版するまでに相当苦労されたというが、「そりゃそうだろうな」と納得できるくらいの内容である。  本書で書かれていることのどこまでが事実か、読む立場によっては疑わしい目を向ける人も ...

感想・レビュー

2023/10/25

【読書感想】新井潤美『〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで』

  〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで 新井潤美 出版社:講談社(講談社学術文庫) 発売日:2020/01/14  英国紳士の本音と建前  「英国紳士」といえば、日本人の頭の中にはステレオタイプ的な姿があるかもしれない。だがその実際、同じ英国紳士でも上下、その上下の中にもさらに細かい隔たりがある。本書はそんな英国紳士の中でも「中の下」に属する"lower-middle-class"、社会経済の中央の低い部分を占める階級の人々がどのような歴史的背景の中で生まれ、どのような境遇におかれているのかに迫っ ...

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2023/10/21

【読書感想】道籏泰三編『中上健次短編集』

  中上健次短篇集 道籏泰三 編 出版社:岩波書店 (岩波文庫 緑230-1)  発売日:2023/06/15 中上文学の道標  戦後生まれで初の芥川賞作家。無頼でフーテンな生き様は、活躍した時代背景も相俟って今でも語り草となっている。そんな中上健次のデビューから晩年までの短編小説10編を収録している本書は、自身の豊富な人生経験を素材に紡がれた短編小説集である。ただし、中上健次の愛読者にとっては垂涎の一冊という感じなので、はじめてその作品に触れるという読者にとっては少しハードルが高いかもしれない。それでも ...

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2023/9/23

【読書感想】川村裕子・早川圭子『はじめての王朝文化辞典』

  はじめての王朝文化辞典 川村裕子 著 / 早川圭子 イラスト 出版社:KADOKAWA(角川ソフィア文庫) 発売日:2022/08/24  日本古典文学から紐解くお公家さんたちの生活  本書は、かつて出版された『王朝生活の基礎知識』を全面的に加筆修正し文庫化したものである。『源氏物語』や『蜻蛉日記』などの古典文学の有名シーンをベースに、そこで繰り広げられている公家社会の生活ぶりを現代生活に置き換えつつ解説してくれている、そんな「有識故実」の入門書だ。住居や食事、ファッションや遊戯はもちろん、人生におけ ...