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【読書感想】達城久裕『サイバー攻撃 その瞬間 社長の決定』

 
 サイバー攻撃 その瞬間 社長の決定
 達城久裕
 出版社:関通サイバー攻撃対策室
 発売日:2025/06/20

 
 サイバー攻撃 その瞬間 社長の決定 Kindle版
 

そのときまでにどう動くか?そしてそのときにどう動くか?

 連日のようにサイバー攻撃やランサムウェアによる騒ぎが報じられ、膨大な数の企業名がそこに軒を連ねている。
 本書は、2024年9月に実際にサイバー攻撃を受けた企業の社長自らが綴った実録だ。
 サイバー攻撃を受けたその瞬間、そこからの一連の対応と対策、徐々に明るみになる被害状況と新たな課題の台頭……。
 ライターによるノンフィクションあるいはドキュメンタリーではないので、書き方が抽象的だったり同じような内容が繰り返されていたりと読みづらい部分もあるが、企業のトップとして判断・決定しなければならない当事者が残した時系列メモに近い体裁だからこそ、その当時の臨場感と緊張感が文脈から漂ってくる。
 経営者として何を守り何を捨てるか、そこにどのような判断が必要になってくるか、どれも生々しく得難い記録だ。
 そしてこの一連の対応から得られた知見と教訓を世に伝えるため本書は書かれた。サイバー攻撃を受けたとしても、その影響が被害企業にのみとどまることはまずありえない。顧客や取引先含め、企業の代償を問わず膨大な数の個人・法人に及ぶのは想像に難くない。仮名とはなっているものの、本書を世に問うことはそうした企業や個人の当時の対応を晒すことにもなる。そもそもセンシティブな内容で、かつかなり内輪的な話しも多くはっきりと書き切れない部分もあっただろう。それが故にほぼ自費出版に近い形で上梓された意味は重く、なみなみならぬ熱意もまた伝わってくる。

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