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【読書感想】森永卓郎『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』

2023年10月27日

 
 ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト
 森永卓郎

 出版社:フォレスト出版
 発売日:2023/05/22

衰退途上国ニッポンの現状

 経済アナリスト・森永卓郎先生による本書。どうして増税は繰り返されるのか、国はなにを目的とし財務省はなにを目指しているのか、膨大なデータと平易で的確な解説で日本経済の実態を暴露している。出版するまでに相当苦労されたというが、「そりゃそうだろうな」と納得できるくらいの内容である。
 本書で書かれていることのどこまでが事実か、読む立場によっては疑わしい目を向ける人もいるだろう。実際、著者の発言やツイートなどに否定的な意見が投げかけられているのを目にする。しかし本書を読めば、著者がいかに真っ当で説得力のあることを語っているかが分かるだろう。また経済、特に国のお金の流れがどうなっているかわかり易く解説されているので、その辺りの勉強にも役立つ。
 広い視野で日本の現状を見つめ直す、そのためにももっと多くの日本人に知られるべき良書だと思う。
 冒頭、大学卒業後に入社した日本専売公社(現JT)時代のエピソードが記されているが、ここだけでも読み応えがある。

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