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【読書感想】小林昌樹『調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』

 
 調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス
 小林昌樹

 出版社:皓星社
 発売日:2022/12/09

お調べものはなんですか?

 図書館には「司書」とよばれる人がいること、その認知度はあくまで肌感覚だが決して高くはないと思う。仮に司書という仕事を知っていても、実際なにをやっているのか知らない、あるいは助力を頼んだことがないという人も多いだろう。
 本書は、長らく国会図書館に勤め、現在は大学でレファレンスに関する授業も受け持つ著者がおくる「調べもの」の極意を集めたような一冊。調べ物のプロたる「司書」の手の内を明かしてくれている。職業柄、あるいは趣味や調査研究で調べものをする機会が多いという人にとっては必見だろう。手慣れていると思っている人にとっても、これまでのやり方がどれほど不十分だったかを痛感させられるような内容だ。
 著者の経験に裏打ちされた実践的手法は、まさに目から鱗の一言に尽きる。一つの事柄に対しても複合的な観点から検索する術は、調べものに限らず他の分野にも応用が効きそうである点、非常に興味深い。また各講にはまとめや玄人向けのメモ、応用術やコラムもあり、更に視野を広げてくれる。実例を用いた検索課程や図表が多いのもとてもありがたい。
 ただ、あまりにも専門的な部分にまで深入りしているためか、巷にあふれるライフハックやノウハウ本というよりマニア向けかもしれない。これまで調べものをあまり熱心にやったことのない人にとっては、未知なる単語も多いだろう。また、著者なりの書き口なのか編集方針なのかはわからないが、かなり砕けた文章が散見される。もともと著者が連載していたメルマガをベースとしているので仕方ない部分もあると思うが、人によっては読みづらさを感じるかもしれない。
 いずれにしても、これまで一般向けには詳細に解説されることがあまりなかったレファレンス術、そのいろはが体系立ってまとめられており、今後ネットや図書館などで調べものをする際には大活躍するだろう技術が詰め込まれている。レファレンスのためのレファレンス、そのためにも手元に置いておきたい一冊になっている。
 
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 レファレンスと図書館 ある図書館司書の日記

 

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