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【読書感想】ふろむだ『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』

 
 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
 ふろむだ

 出版社:ダイヤモンド社
 発売日:2018/08/09

人生を変えうる実践的行動経済学

 起業家にしてブログ「分裂勘違い君劇場」を運営するアルファブロガー・ふろむださんの著書。
 人生を好転させるため、実力を磨く以上に大切なノウハウを詰め込まれている。
 世の中、実力だけでのし上がることは困難極まりない。そこを心理的「錯覚」を用いることで実力を底上げし、成功の確率を高めていこうとする「錯覚資本」の運用、この重要性が中心的に説かれている。またそれに付随する心理学的現象もさまざま解説されている。
 ただしその実際は、行動経済学(ザックリ言うと経済学と心理学を合わせたもの)やマーケティングを多少齧ったことのある人にとってはごくごく当たり前というか、既知のものばかり。なにより内容があまりにも薄すぎる。
 もちろん裏を返せば、その辺りの入門書としては最良だろう。またなにか行動を起こしたい、なにをしてもうまくいかないと思っている人にとっては非常に読みやすく、物事に挑戦しようとするハードルを極限まで下げてくれること請け合いである。
 正直、本書自体が「錯覚資本」の運用そのもののような感じがする。字も大きく行間も広く、イラストも多数掲載されていて実に読みやすいのだが、内容の薄さと相俟って「これで300ページ超の本?」と思わざるを得ない。著者の意図もあるだろうが、編集者の力量も少々疑わざるを得ない。 

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