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【読書感想】阿刀田高『ブラックジョーク大全』


 新装版 ブラックジョーク大全
 阿刀田高

 出版社:講談社(講談社文庫)
 発売日:2007/08/11

小気味いい珠玉のブラックジョーク集

 個人的に皮肉や風刺、ブラックジョークを聞くのも言われるのも考えるのも好きだ。
 エッジが効いていればなおのこと面白がってしまう。もちろんTPO的なものを考えて、他人様に言うようなことは極力避けてはいるが、喉元まで出かかることはしばしばある。
 
 本書の著者はショートショートを得意とする阿刀田高氏だが、ミステリーにブラックジョークももちろんお手の物。今でも使われるようなブラックジョークの元ネタがぎっしり詰まっている。
 ただし、40年近く前に出た本を文庫化したものなので、表現や言葉遣いが完全に昭和だ。ディテールなど、時代背景をイメージしづらい若い世代の人にはちょっと読みづらい部分もある。
 また、かなりの割合で下ネタも入っているので、ずっと読んでいると閉口したくなってしまうかもしれない。
 しかし、現実社会を(特に倫理的にタブー視されているものへ)風刺的に切り込んでいくブラックジョークの構造を学ぶには、本書で必要十分だろう。

 斜に構えるというのが良いか悪いかは別にしても、普段眺める自分自身の価値観に基づいた視点とはまた違った視点で物事を捉えてみるというのは、個人的に"脳トレ"に近いものを感じている。
 自分の中に複数の視点を持つ、そういう意味でも皮肉や風刺、そしてブラックジョークは新たな気づきをたくさんもたらしてくれるものだと思う。


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