
恐竜発見: 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語
エドワード・ドルニック 著/杉田七重 訳
出版社:東京創元社
発売日:2026/07/30
科学と宗教を分けた神殺し
ヴィクトリア朝のイギリスにおいて、「恐竜」という概念がいかに生まれ受容されていったかをたどるサイエンスノンフィクション。
聖書が史実だと疑いなく信じられていた時代、科学と宗教は等号で結ばれていた。だが神が創造したはずの自然を観察するようになって、そこには神以前の歴史が漠然と浮かび上がってきた。
貧しい女性化石ハンターのエピソードを出発点に当時の人々が科学の発展と信仰の常識にどう折り合いをつけていったのか、さまざまな仮説の提出とそれらを覆す新発見のせめぎ合いを経て、それまでの価値観が瓦解していく衝撃が当時の人々にどんなパラダイムシフトを引き起こしたのか? 進化と絶滅という次世代の自然科学への道程がつぶさに描かれている。
原題は"Dinosaurs at the Dinner Party"となっているが、翻訳版の「恐竜発見」というタイトルだとどこか恐竜発掘の歴史をたどるように感じられ、ミステリアスな感じが薄まってしまっているように思う。