【読書感想】宮地尚子『傷を愛せるか 増補新版』
傷を愛せるか 増補新版 (ちくま文庫 み-37-1) created by Rinker 筑摩書房 Amazon 楽天市場 傷を愛せるか 増補新版 宮地尚子 出版社:筑摩書房(ちくま文庫 み-37-1) 発売日:2022/09/12 弱いまま、強くあること 心の傷を治療する立場の精神科医による「傷」をめぐるエッセイ。素朴でまっすぐな言葉選びで紡がれた文章からは、傷ついた者にただ寄り添うだけでもどれほど救われることかを体現したような優しさと温かさがある。 「傷」といってもその様態にはさまざま ...
【読書感想】川端美季『風呂と愛国』
風呂と愛国 「清潔な国民」はいかに生まれたか (NHK出版新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 風呂と愛国 川端美季 出版社:NHK出版(NHK出版新書729) 発売日:202/10/10 「お風呂は心の洗濯よ」お風呂をめぐる日本人の変化 「日本人は風呂好き」「日本人は綺麗好き」という概念はどこから生まれてきたのか? 本書は、日本人の風呂との向き合い方を歴史ベースで深掘りし、風呂と清潔性と国民性が結びつくに至った背景を紐解いている。 結論、現代に ...
【読書感想】ピーター・ニコルス『狂人たちの世界一周』
狂人たちの世界一周 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 狂人たちの世界一周 ピーター・ニコルス 著 / 園部哲 訳 出版社:国書刊行会 発売日:2024/10/18 極限状態にある人間の姿 1968年、前代未聞のヨットレース「ヨット無寄港単独世界一周」が開催された。それに挑んだ9名の船乗りたちは、年齢も経歴も、また参加した理由もさまざまだが、まさしく「狂人」の名に相応しい者たちばかりだ。 そもそも絶海という社会から隔絶された空間でたった一人、しかも高波 ...
【読書感想】石井千湖『積ん読の本』
積ん読の本 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 積ん読の本 石井千湖 出版社:主婦と生活社 発売日:2024/10/01 「積読」という名の読書の形 読書家にとっての最大の悩み、積読。本書の帯には「この山を見よ」の文字。ああ、まさしく読書家にとって積読とは山そのものであり、前人未到ならぬ本人未読の名峰である。 12名の著名人の書斎を取材しその読書体験と積読の山を開陳した本書は、読書家の読書家たる所以を解き明かしてくれる。そこには罪悪感など微塵もない、積 ...
【読書感想】藤本靖『OSO18を追え 〝怪物ヒグマ〟との闘い560日』
OSO18を追え〝怪物ヒグマ〟との闘い560日 (文春e-book) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 OSO18を追え 〝怪物ヒグマ〟との闘い560日 藤本靖 出版社:文藝春秋 発売日:2024/07/11 驚異のヒグマが生まれた理由 「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、事実は時として現実の奇を小説のように語る。 2020年以降、全国的にも大々的に報道された家畜を襲うヒグマ「OSO18」。その姿を追い求め、捕獲に奔走したハンターたちの物語。 ...
【読書感想】川井俊夫『金は払う、冒険は愉快だ』
金は払う、冒険は愉快だ created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 金は払う、冒険は愉快だ 川井俊夫 出版社:素粒社 発売日:2023/09/13 古道具界のフィリップ・マーロウ これは不条理小説なのか? それとも無頼派小説なのか? 私小説ともエッセイとも言い難い、6B鉛筆で書きなぐったかのような武骨な一冊。 毒舌と真面目さが入り混じるとある古物商の日常は、悪態と罵倒に満ちていながらどこか頭を殴られたような痛快さと風通しの良さがある。その半生と日常はあまりにも ...
【読書感想】種田輝豊『20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法』
20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法 (ちくま文庫) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法 種田輝豊 出版社:筑摩書房(ちくま文庫) 発売日:2022/05/12 語学を学ぶ、語学を楽しむ 英語をはじめとした諸外国語をつぎつぎとマスターしていった著者の青春記。初版の刊行は今から50年も前だが、その内容は色褪せない。 「○○バカ」という表現もあるが、著者はまさしく「語学バカ」の称号に相応しい。現代のようにネッ ...
【読書感想】似鳥鶏『叙述トリック短編集』
叙述トリック短編集 (講談社タイガ) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 叙述トリック短編集 似鳥鶏 著 / 石黒正教 イラスト 出版社:講談社(講談社タイガ ニB 3) 発売日:2021/04/15 読むダマし絵 人気ミステリー作家による読者への挑戦状のような短編集。いや、「まえがき」の時点から本編中に叙述トリックが散りばめられていることが予告されている。加えてそのヒントや読み解き方まで示されているので、まるきり「挑戦状」といって過言ではない。またそれ ...
【読書感想】ヘルマン・ディールス『古代技術』
古代技術 (ちくま学芸文庫) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 古代技術 ヘルマン・ディールス 著 / 平田寛 訳 出版社:筑摩書房(ちくま学芸文庫 テ-17-1) 発売日:2024/04/12 古代ギリシャの科学的思考態度 『ソクラテス以前哲学者断片集』の著者による古代ギリシャの技術史。およそ概略に近い内容ながら、執筆当時伝わっていた限りの史料をもとに、古代ギリシャでどれほどまでの技術が考案・改良されたかを深掘りしている。 いまだ科学と哲学が未分 ...
