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【読書感想】茨木のり子『言の葉さやげ』


 

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  言の葉さやげ
 茨木のり子
 出版社:河出書房新社(河出文庫 い 36-2)
 発売日:2023/12/06

美しい言葉とは?

 詩人・茨木のり子さんの言葉にまつわるエッセイ集。昨年末に装い新たに文庫化された。底本は1975年刊行の単行本だが、時代を経ても色あせない著者の言葉に対する思索を詰め込んだ宝石箱のような一冊である。
 前半部では日頃接する言葉そのものへの厳しい批判の目を向けた文章が並ぶ。あまりにも日常的で普段何気なく使っている言葉だからこそ、その指摘はとても重要だ。時折大胆な主張が展開されることもあるが、深く首肯しながら読める。後半部では谷川俊太郎や金子光晴などの詩人の評論が収められているが、普段詩を読まないという人でも楽しめる内容になっており一読に値する。
 自分の感受性を信じ、言葉の本質を追い求め、強く美しく言葉を紡ぎだしてきた詩人だからこそ、ときに辛辣でときに優しくユーモラスな批判の目で言葉を再考している珠玉のエッセイ集だ。
 


 

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