全てを筋肉で解決する童話
赤信号わたる
出版社：双葉社
発売日：2024/03/21
筋肉筋肉、やっぱ筋肉！
近年の筋トレブームと相俟って「筋肉はすべてを解決する」という言葉も巷を賑わせている。その言葉をそのまま童話の世界に当てはめたらというコンセプトで描かれた本書は、2023年刊行『筋肉童話～読むプロテイン～』に書き下ろしを加え再編集されたものだ。
結論、タイトル通りすべての結末で筋肉によるオチがつけられている。誰もが知る童話をベースに全27話もあるので、意外性もなく少々飽きが来てしまうのが実際のところだ。しかし随所にさまざまなパロディが散りばめられており、ギャグマンガとしては十分成立している。
とにもかくにも筋肉が全てを解決してしまうので、難しいことを考える必要もなく勢いに任せるがまま一気に読み通せる。また筋肉が全てを解決してくれるので、悲劇であっても全てハッピーエンドに導かれる安心感もある。その点からすると、日々の些細な悩み事などは簡単に消し飛んでしまうこと請け合いで、疲れて帰ってきた夜、寝る前なんかにそっと読んでみるのもいいかもしれない。結果アドレナリンが放出されて寝付けなくなる可能性もあるが(笑)