【読書感想】エリザベス・ダン&マイケル・ノートン『「幸せをお金で買う」5つの授業』

 
 「幸せをお金で買う」5つの授業
 エリザベス・ダン、マイケル・ノートン 著 / 古川 奈々子 訳

 出版社:KADOKAWA
 発売日:2014/02/22

 

幸せになるお金の使い方、その理論と実践と実際。

 タイトルの通り「幸せをお金で買う」ことはできるのか? もしできるのならどうやって? という疑問に心理学者である著者たちが導き出した5つの答えが解説されている本書。

 ・経験を買う
 ・「ご褒美」を設ける
 ・時間を買う
 ・支払いは先、消費は後
 ・他人に投資する

 結論この5点なのだが、これに関してはある程度の”お金の教養”を持っている人にとっては至極当然の話しだったりする。
 ただし、本書に収録されている膨大な実験データや豊富なエピソードは、この結果をどう自分たちの生活の中に組み込んでいけばよいのか、その糸口を探る上で大変重宝する。しかも単なる自己啓発的なものではなく、科学的な根拠が示されている点、再現性は高い。
 またエピローグに各章のまとめが付されているので、内容だけを理解したいならそこだけ読んでも十分だ。
  
 ……ただ、本書を読んでいて「どうしてこうもみんな消費したがるのだろうか?」と感じずにいられなかった。
 もちろん、生活するための最低限のお金は必要だ。またお金に限らず何かを「消費する」こと自体に幸せを感じる人もいるのだろう。
 わたし自身ほとんど物欲がないことも手伝っているのだろうけれど、そもそも「欲しがらなければ」手に入らないことへの幸も不幸もないし、また支払いのために動く必要も生じない。本当の「幸せ」とは、お金以外のもっと他の要素で構成されるべきなのではと考えている。
 その”他の要素”で構成されるべき「幸せ」、そこに当てる時間や労力の確保をお金で解決できるのならするべきだという結論はもちろん本書にも含まれているが、個人的にとても歯がゆい感じが残った。

 ないはともあれ、あくまで本書はお金を用いて「幸せな心理状態」を買うためのチャートである。
 本書の通り実践すれば本当に「幸せ」になれるわけではないことは留意すべきだ。
 加えて、本書に収められているデータが欧米基準であることも注意しておくべきだろう。

 先にも書いたが、ある程度の”お金の教養”を持った人には当然のことでしかない。お金の使い方、幸せの求め方の基礎を知るには良書だが、本当に大切なのはその先になにがあるかを見極めることだ。
 
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 お金の教養

 

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