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【読書感想】さーたり『腐女医の医者メシ!』

2024年09月20日

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 腐女医の医者メシ!
 さーたり
 出版社:KADOKAWA
 発売日:2023/08/09

いつもの日常、いつもの食事

 さーたり先生による"腐女医"シリーズの料理版。とはいえレシピ集にあらず、これまで通りのエッセイ漫画である。
 食事といっても日常のそれにはじまり、職場やカフェ、医療従事者という立場からの患者食などさまざまな視点で語られている。その中でも、子育て中のプライベートな食事の悩みが赤裸々に綴られているのは、本書の醍醐味といっていいと思う。
 医療に携わる身の上は、そもそも多忙にして勤務状態自体が予測不可能な状況下であるだけに、そこで何を食べ何を調理しどんな食卓を彩ったのか興味が尽きない。
 作者は消化器外科医として敏腕をふるうが、自身の職業を「配管工」のイメージになぞらえている。つまり口から摂取したものが食道を通り、胃や腸を経由しながら肝臓や胆のうを経て栄養として身体に吸収される、そのメンテナンスを引き受けている技術者という視点だ。そしてそこに直結する"食"という課題。元気をくれる源は、ご飯を食べることそのものだと言い切れるのはある意味職業病なのかもしれない。
 多少ネタバレになるが、個人的に子どもたちの成長と相俟ってキャンプ飯に至るくだりはなかなかに圧巻だった(笑)

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