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【読書感想】苫米地英人『思考停止という病』

 
 思考停止という病
 苫米地英人
 出版社:KADOKAWA
 発売日:2016/03/26

「ノーマル」を徹底的に疑うこと

 「思考停止」という言葉が人口に膾炙して久しい。とはいえ、思考停止している当人らはそのことに気づくことはない。それこそまさしく「思考停止」の状態なのだが。……
 本書では「思考停止」に陥る原因とその脱却の秘訣を事細かに解説してくれている。
 結論、思考停止に陥る原因は圧倒的な知識不足とゴールの不明瞭さに他ならず、これは想像に難くないところだ。
 ではどうやってその状況からの脱却を図るのか? 心理的盲点(スコトーマ)を認識すること、その重要性を強く解説する辺りに答えはありそうだ。

 思考し続けることとは、つまり、洗脳をはじめとした「他人の意見」に左右されずに自分の人生を生きるために必要なことだ。自分軸で生きていく思考法、それが本書における主軸である。自分でゴールを設定すること、言い訳できない状態を作り上げること、それは他人から押し付けられたゴール設定では実現しえない。
 そして「目的」→「全体把握」→「抽象化」という流れ。そこに現状の最適解ではない「"ノット"ノーマル」な部分取り入れ、猪突猛進挑み続ける。
 仕組みこそ簡素だが、そこから得られるものがいかに大きいことか。……
 
 もっとも苫米地先生の著作なだけにいつもの"苫米地節"は目白押しで、回りくどく説明し過ぎな相変わらずの文章だ。また、昨今のセミナー等で語られる話しを知る人だと胡散臭さを感じてしまう節もあるだろう。本書でも漏れなく横文字多めの感も否めない。
 しかしポイントとなる点はきっちり押さえられているので、他人に流されず、自分の頭で思考するために必要な方法論は十分に詰め込まれている。
 世界を変えるもっとも簡単な方法は、自分を変えることに他ならない。
 
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