【読書感想】八條忠基『呪術と科学の有職故実図鑑』
呪術と科学の有職故実図鑑 八條忠基 出版社:平凡社 発売日:2025/11/27 気軽に触れ合える有職故実の世界 古代日本において呪術とは科学そのものであったという視点から、日本の伝統的な生活様式や文化的背景を紐解く本書は、とにかく知識欲が満たされる一冊だといえる。学生時代、授業そっちのけで国語便覧や世界史・日本史の資料集に目を通していた経験のある人なら分かるであろう、あの感覚そのままで読める図鑑なのだ。 有職故実という言葉だけでどこかお堅いものを感じる人もいるかもしれない。確かに内容は学術的にき ...
【読書感想】彬子女王『飼い犬に腹を噛まれる』
飼い犬に腹を噛まれる 彬子女王 出版社:PHP出版 発売日:2025/09/29 プリンセスの日常事件簿 ベストセラー『赤と青のガウン』のその後を綴ったエッセイ集。新聞掲載のものを中心に、似たような内容のものを全6章立てで収録されている。 まず本書を繰る前に、『赤と青のガウン』以降、『日本美のこころ』『京都 ものがたりの道』など皇族らしい著作が並ぶなか、意表を突くようなタイトルに驚かされる。序盤に収録されているエッセイの表題からとられているとのことだが、その内容を読むにつけても著者の人柄がとてもよく ...
【読書感想】服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版]』
ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] 服部正也 出版社:中央公論新社(中公新書290) 発売日:2009/11/25 ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] (中公新書) Kindle版 その国の人々が生きていくための援助とは? 50年以上前、アフリカの小国ルワンダの中央銀行総裁として派遣された著者が、ルワンダ発展のために奔走する過程を追った実録。中公新書の中でも屈指のロングセラーであり、2009年にルワンダ動乱に関する一文が増補されてからは「リアルなろう小説」「リアル異世界召喚」などとしてS ...
【読書感想】笹井宏之『えーえんとくちから』
えーえんとくちから 笹井宏之 出版社:筑摩書房(ちくま文庫) 発売日:2019/01/10 えーえんとくちから (ちくま文庫) Kindle版 なにげない日常を問いただす言葉たち 最近すっかりご無沙汰加減となっている例の後鳥羽院がらみだが、それでもいろいろちまちま進めている。そして去年くらいからは、和歌以外にも以前読んだ短歌集なんかを再び紐解くようになった。そんな折に再読した一冊。 難病を患い長い間ほぼ寝たきりだった歌人・笹井宏之。地方紙やインターネットの短歌サイトでその作品が注目されるよ ...
【読書感想】窪田新之助『対馬の海に沈む』
対馬の海に沈む [ 窪田 新之助 ] created by Rinker ¥2,310 (2026/03/01 04:03:21時点 楽天市場調べ-詳細) Amazon 楽天市場 対馬の海に沈む 窪田新之助 出版社:集英社 発売日:2024/12/05 対馬の海に沈む (集英社学芸単行本) Kindle版 田舎社会の闇、農協組織の闇 2024年開高健ノンフィクション賞を受賞して以来、根強く話題となり続けているルポ。ノンフィクションというよりミステリー小説のそれを思わせる気迫が ...
【読書感想】絹田みや『友達だった人 絹田みや作品集』
友達だった人 絹田みや作品集 [ 絹田みや ] created by Rinker ¥880 (2026/03/01 04:03:21時点 楽天市場調べ-詳細) Amazon 楽天市場 友達だった人 絹田みや作品集 絹田みや 発売日:2025/11/21 出版社:光文社(熱帯COMICS) 友達だった人 絹田みや作品集 Kindle版 ストーリーの中に自分をみつける Xを中心に話題となった自主制作作品に描きおろしを加えた作品集。 一通り読み通して残るものは「感動」などという ...
【読書感想】青木和彦・板鼻利幸『ビビとおじいちゃんと旅立ちの日に』
ファイナルファンタジーIXえほん ビビとおじいちゃんと旅立ちの日に (絵本) [ 青木和彦 ] created by Rinker ¥1,320 (2026/03/01 04:14:10時点 楽天市場調べ-詳細) Amazon 楽天市場 ビビとおじいちゃんと旅立ちの日に(ファイナルファンタジーIXえほん) 青木和彦・板鼻利幸 出版社:スクウェア・エニックス 発売日:2025/07/02 kindle版 「生きる」ことと「生きた」こと 今年発売を迎えた名作ゲーム『ファイナル ...
【読書感想】日本近代文学館編『芥川龍之介写真集』
芥川龍之介写真集 [ 日本近代文学館 ] created by Rinker ¥3,300 (2026/03/01 20:12:26時点 楽天市場調べ-詳細) Amazon 楽天市場 芥川龍之介写真集 日本近代文学館 編 出版社:秀明大学出版会 発売日:2024/03/31 文豪の横顔 大正期を代表する文豪・芥川龍之介の写真集。日本近代文学史に燦然と輝く芥川の写真は、これまで新潮文学アルバムなどのシリーズでも数多く取り上げられているが、本書は日本近代文学館が所蔵する写真から芥川一人 ...
【読書感想】森川すいめい『その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く――』
その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く―― 森川すいめい 出版社:青土社 発売日:2016/06/24 「対話」することの重要性 「生きやすさ」とはなにかを求め、精神科医が自殺率の低い地方の街を巡ったフィールドワークの記録。 どうしてその街では自殺率が低いのか? 田舎という閉鎖的な空間において、派閥や因習と ...

