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【読書感想】青木和彦・板鼻利幸『ビビとおじいちゃんと旅立ちの日に』


 ビビとおじいちゃんと旅立ちの日に(ファイナルファンタジーIXえほん)
 青木和彦・板鼻利幸
 出版社:スクウェア・エニックス
 発売日:2025/07/02

 
 kindle版
 

「生きる」ことと「生きた」こと

 今年発売を迎えた名作ゲーム『ファイナルファンタジー9』。シリーズ中の伝統的な「黒魔道士」の姿をしたビビは、発売当初からその愛くるしさも相俟って人気の高い登場キャラだった。
 そんなビビの生い立ちにせまる前日譚。あとがきで「(原作の設定に)手を加えてしまった」とある通り、たしかにゲーム本編とは少し違った内容となっている。ただ、当時プレイした人にとってもあまり違和感がない範囲での変更であり、なにより開発に携わった作者たちがどうしても挿入したかったエピソードであろうことが見て取れて、これはこれで原作の新しい一面を垣間見れたような気になる。
 その一方、本書のエピソードを踏まえて原作本編の流れを思い出すと、それはそれでなかなか切ない気持ちになる部分もある。本書が絵本らしい暖かくほんわかしたストーリーであるがゆえに一入だ。
 他のシリーズ作品と比べなかなかスピンオフやグッズが少なかっただけに、節目の年にこうした作品が登場したことの意義は大きい。

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