能率手帳の流儀
野口晴巳
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
発売日:2007/10/02
手帳ではじめる人生設計
現在は絶版になっているが、日本能率協会マネジメントセンター会長による手帳を使った目標達成術。とはいえその大部分は人生論のそれに等しい。本書は著者一流の手帳術の開陳でありながら、積み重ねを大切にする基本ともいえる考え方を説いている。 「人生を計画することはできない」と著者は語るが、それゆえにこそ積み重ねと振り返りの重要性が何度も強調されているのだ。
手帳というと、普段持ち歩かない人にとってはどこか壮大な格式ばったものを感じるだろう。だが本書では、大きな目標を立てることを避けている。むしろカッコよく書かないこと、雑に書くことが薦められている。
小さな目標をたくさん書き出し、達成できたら消す。その繰り返しの中で、日に何度も手帳を開くことがそのまま思考する回数であるという視点は重要だ。またなにか思いついたらすぐにメモし、それを一日一日振り返る。更には1か月ごと、1年ごとに振り返ることによって手帳はそのうち人生年表となっていく。実際著者には60年分のそれがあるというから驚きを隠せない。
また本書中でも注意を促しているのは、「ねばならぬ」mustではなく、「ああしたい」「こうしたい」というhopeを計画することだ。それはそのまま「今、ここ」に意識を集中させることでもある。どこか禅の思想に近いものを感じさせてくれる。
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