【読書感想】カイザー・ファング『ヤバい統計学』

 
 ヤバい統計学
 カイザー・ファング 著 / 矢羽野 薫 訳

 出版社:CCCメディアハウス
 発売日:2011/02/19

 

統計データからなにを読み取りどう分析するのか、統計的思考の重要性を説いた名著

 2011年に翻訳が出版されて以降、今なお統計学あるいは統計的思考の最高の入門書として名高い本書。

 ・データの「ばらつき」への注目
 ・実用性の優先 因果・相関の関係性
 ・似たもの同士を比べる際の対応
 ・2種類の間違いの相殺
 ・稀な事象の取り扱い方

 統計学におけるこの重要な5つのテーマについて、小難しい数式など一切用いず、ストーリー仕立ての豊かなエピソードを交え解説してくれている。

 本書の特筆すべき特徴は、その解説の無難さ以上に同じテーマを別の視点から再度見直してくれている点だろう。
 統計として出てきた解を別の視点から見ることで、多角的な理解をうながす構成をとっている。

 日頃自分たちがいかに感覚的に物事を捉えているのか、またその感覚的な認識が論理的に正しいとは限らないことを本書は教えてくれる。
 それは同時に数字の見せ方とトリックで、理解と認識にズレを起こさせることも可能ということだ。
 
 日常のあらゆる場面に統計が関与し、その中で生活する私たちにとって「統計的思考」がいかに重要か。
 またその背景には統計学者たちの静かな戦いが潜んでいることも見逃してはならない。

 一点だけ残念なのはこの邦題。『”ヤバい”統計学』となっているが、別になにも”ヤバい”部分はない。
 原題は『NUMBERS RULE YOUR WORLD』で直訳すれば「数字が世界を作ってる」くらいの意味になるだろうか?
 副題も「確率と統計があなたの身の回りすべてに密かに影響を与えている」くらいのものだ。
 まあ本のタイトルなんて、そもそも売るためにつけられているような節があるから仕方ないとは思うが、でもヤバいのは邦題の方だw

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 ヤバい経済学 [増補改訂版]

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